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2009.04.12
日曜日のドレーゴ広場周辺
タンゴ発祥の地といわれるドレーゴ広場の周辺は日曜日になるとアンティークの市が立ってとてもにぎやかになる場所。ということは他の旅行者からさんざん聞いていたのだが、明日アルゼンチンを経つという今日になってやっと行くことができた。
フロリダ通りをずっと東に進む。今日は日曜日とあってフロリダ通りのお店は硬くシャッターを閉ざして、人通りもここ数日が嘘のようにぱったりと途絶えていた。しかし、ある通りを隔てて名前がフロリダ通りからペルー通りに変わった途端に、ブエノス・アイレス中の観光客全てがここに終結しているんじゃないかというほどのおおぜいの人がいた。露天の板の上には手作り風の衣類、バッグ、人形なんかが並んでいる。ここから更に東に進むとアンティークのお店が軒を連ねるモールがあったり、もう少し上質な工芸品を扱う店が並ぶ小道が脇にあったりして、こういう所をフラフラと冷やかしながら歩くのはとても楽しかった。
ドレーゴ広場に近づくと路上パフォーマンスも多くなってくる。バンドネオンとギターのデュオ、タンゴダンサーなどタンゴにまつわるパフォーマンスが多いのもここならではだろう。
確か3年前にもこの人いたなぁというパフォーマーは、マネキンの女性とタンゴを踊るおっちゃん。女性が本物の人間のように動かせる技と、客に鋭い眼光でぐいぐい近寄って怖がらせる技を持っていて、なかなか多くの観客を集めていた。
最後にドレーゴ広場を訪れたのは、3年前に来た時にここでタンゴパフォーマンスをやっていた記憶があり、最後にタンゴを見たいと思ったからだった。
観客が集まっているので何か始まりそうだと待つこと30分。ようやく始まったのはアルゼンチン北方の民族舞踏。これもなかなか見ごたえのあるものなんだけどタンゴじゃないのが残念だなぁ。この2人はこのダンスとタンゴを交互にパフォーマンスするつもりらしいのだが、タンゴを堪能したいと思ってきていた私たちは2曲ほど見て立ち去ることにした。
いやー、なかなか楽しかったねぇ。と宿に戻ってくる途中。人通りの少ないスイパチャ通りとコルドバ通りの角で今回2度目のマスタードかけに出会う。後ろから人が何か言っているなぁと思って振り返ると、さっき歩いて抜かしたカップルがこちらを指差して何か言っている。女性がティッシュを手にしているので、またやられたと夫の背中を見るとマスタードがシャツとパンツにつつつーっと2列。私も同じように2列。最後の最後になってこんなことするなんて!というか、今から洗濯したら明日の出発までに洗濯物が乾かないじゃないか!めちゃくちゃ腹が立ってきて、笑顔で親切そうにティッシュを振っている女性に同じく笑顔で近づいてから、やおらカメラを取り出して彼らを撮影した。ところが哀しいのは私のカメラ。あまりに使っているので最近は調子が悪くて、ここぞという所でファインダーが引っ込んでしまう。再起動するには30秒もかかるだろうか。ええい、悔しい。ということで犯人の後姿のみ撮影。顔を隠して足早に立ち去っていった。
皆さん、犯人はこんな風に普通に小奇麗な一般市民的な人。物盗りも必死ではなく、まぁチャンスがあったら盗ってやろう。それより浮かれた観光客風がむかつくからマスタードかけちゃえという愉快犯。決してホームレスのような人じゃないってのが根が深い気がする。最後の最後にブエノス的体験をさせてもらった日曜日だった。
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