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2009.04.11
タンゴの先生のお宅訪問
今回のブエノス・アイレス滞在で、結果として最も長い時間とエネルギーをそそいだのがタンゴレッスンってことになる。日本人の美樹先生に出会なかったら、こうはならなかっただろう。
最後のレッスンが終了してもまだ名残惜しい私たちは、出発する前に是非もう一度お茶でもしたいのですがと美樹先生に持ちかけると、何と先生のお宅でマテ茶をごちそうしてくださるという。お言葉に甘えて出発の2日前となる今日、午後から先生のお宅をめざした。
先生のお宅はアルゼンチンタンゴ発祥の地といわれるドレーゴ広場に近い。私たちのいる観光客が多いホテル街からフロリダ通りに入り東へ向かうと途中ではすっかりお馴染になったタンゴの路上パフォーマー一家が準備中。
ここからフロリダ通りをさらに東に向かっていくと両側の店は徐々に庶民的な雰囲気になっていく。
先生の家の近くになるともう商店はなくすっかり住宅街の雰囲気となった。ピンポンとブザーを押して階下までお迎えに来てもらう。
家には旦那さんと下のお子さんの龍之介君がいて温かく迎えてくれた。
美樹先生は予告どおりにマテ茶とおやつを用意してくれていた。マテ茶というのはアルゼンチンのお茶で、日本の緑茶にも似た乾燥した緑の葉を独特の器に入れてお湯をそそぎ、ボンビージャと呼ばれる金属製の先がふくらんで穴が開いているストローで飲む。一人が飲みきったら更にお湯をそそいで次の人が飲む。お湯を注ぐ人、飲む順番は決まっているのだそうだ。こうした話を美樹先生から聞きながらマテ茶を頂く。売っているマテ茶に自分でジャスミンティーを加えたり、ミントを加えたり、オレンジピールを加えたりしてオリジナルブレンドを造れるのも楽しみだそうで、何度もまわし飲みしてお茶の葉を変える度に少しずつ味を変えてくれる美樹先生のマテ茶は、少しずつ新しいステップを取り入れて教えてくれるレッスンの続きのようで、とても心地よかった。
サンドイッチはパン生地が薄くてとてもおいしかった。 |
硬くて塩味の聞いたこんなクッキーはマテ茶の定番だそうだ。 |
丁度イースターの時期。定番の菓子パンを出してくれた。 |
マテ茶にも色々種類がある。 |
ホワイトボードのあるリビング。ちょっと変わってるなぁと質問すると旦那さんのイタロさんがスペイン語を教えるのに使っているのだそうだ。彼はスペイン語学校で講師をしているが自宅でプライベートレッスンもしているのでホワイトボードがあるんだって。美樹先生は以前に世界一周のダンス修行の旅をしたことがあって、インドでの写真を見せて頂いたり、イタロさんは実はタンゴよりもアルゼンチン北方のダンスがお気に入りという話をすると2人でちょっと踊って見せてくれたり。話題はあっちに飛び、こっちに飛びリビングをピョンピョンと元気良く飛び回った。
アルゼンチンに入って4ヶ月くらい過ごした。その間、色々な人からマテ茶というものについて話を聞き、自分達もスーパーで買って宿で飲んだりした。でも、今日のように親しい仲間と正式に回し飲みしたのは初めての体験だった。楽しいおしゃべり、おいしいおやつ、そして1つの器を回しながら飲むマテ茶。美樹先生の「マテ茶、お茶の会」はアルゼンチンを経つ私たちにとってはアルゼンチンしめくくりに非常にふさわしいイベントになった。
夕方6時。これから近所のブティックワインを扱うお店にでも行きますか?と誘っていただいたのだが、例によって最後の焼肉素材を買ってきてしまっている。申し訳ないが、ここで失礼してお宅を去ることにした。
美樹先生は言うまでもなく、旦那様のイタロさんも物腰が柔らかく、話題が豊富で、オープンマインドなとっても感じのいい人。いつかまたこの2人に再会したいと思う。もちろん、オメメぱっちりでまつげが長い龍之介君の15年後ってのにも非常に興味がある。絶対にカッコいいお兄ちゃんになっていることだろうなぁ。
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