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2009.03.16
ディスカウントチケット屋
タンゴショーを見る、ミュージカルを見る、サッカーを見る。ブエノス・アイレスという大都会で遊ぶにはチケットが必要な場合が多い。そんな時に私達が足を向けるのがディスカウントチケット屋さんだ。サッカーのチケットは別だがタンゴショー、映画、ミュージカル、はては男性ストリップショーのチケットまで広く扱っているチケット屋で日本の映画ディスカウントチケットに雰囲気もよく似ている。
私達もタンゴショーを見に行こうとこのディスカウントチケット屋を月曜日の午前11時に訪ねた。するといつもはあまり人がいないのに今日は長蛇の列。並んでいるのはアルゼンチン人のお年寄りが多い。
つたないスペイン語で「何のチケットを買うために並んでいるのですか?」と訪ねると「このディスカウントチケットでは劇場、映画館、レストラン様々な場所でのディスカウントチケットを販売しています」とちょっと的外れな答え。怪訝な顔をしていたら「あなたこそ、何を買いに来たのか」と逆に尋ねられた。
タンゴのチケットだと答えると、私の前に並んでいた奥さんは「私はマデーロ地区の丹下リア(タンゴショーを見せてくれるお店)がお勧め。食事つきで90ペソよ」と言い始めた。他のタンゲリアでは食事つきだと180ペソをくだらない話ばかり聞いていたので確かにその金額は安いようだ。奥さんは続けて「そこのチケットはここでは扱っていないから直接劇場に行かなくてはだめね」と言い始めた。実は私達はBorgesといういわば公民館のような場所の劇場で見られる15ペソのチケットを買いに来ていたので全くお門違いなのだが、奥さんはもうマデーロ地区の劇場の話がとまらない。私の後ろに並んでいた奥さんも巻き込んで劇場談義になってきた。
その間、チケット屋の列は一向に進んでいない。午前11時開店なんだけどまだ開いていないようなのだ。やれやれ。ここで奥さん達の話を聞くのも面白かったのだが、また出直してくることにして列を離れ、後日もっと空いている時にほんの5分で買ったのだった。15ペソのチケットは本来なら45ペソ。かなりお徳だった。
日本人宿にいりびたっているとまるで日本に滞在しているような錯覚に陥るが、こうして一度町に出れば当たり前だが周囲はアルゼンチン人だらけで、気楽に話しかけておしゃべりもできる。ここの国の人々の性格がオープンだということもあって、ちょっとした触れあいが楽しめるんだな、ブエノスでは。
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