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2009.03.05
BBBのイベントに遭遇
列車に乗ってチャイナタウンに行こうとレティーロ駅に向かう途中の公園に今まで見なかったクマの置物が出現した。それも一体ではなく何十体も。あれー?これどこかで見たことがあるなぁ。そうだ、ウィーンだ。
近寄ってみると、クマの置物は大きな円の円周上に配置されて様々に装飾されている。足元には国の名前がプレートで置かれていて、国別にデザインされているようだ。主催はBlue
Bear Berlinというドイツのベルリンに本拠地のある団体で、毎年様々な都市にクマの置物を置いて展示するとともに町中の色々な場所で世界中の色々な国の文化を紹介したりして国際的な交流を図るイベントを行っているんだそうだ。今までクマを置いた都市を見るとウィーンも入っていて、2007年に訪れた時にこれを見たんだなぁということがわかった。
クマの置物の手前の空間に椅子が並べられて、なにやらパフォーマンスが始まりそうなので聞いてみるとクラシックミュージックの演奏が夜7時から始まるということで夜にまた見に来ることにしてチャイナタウンに向かった。
夕食を終えて夜7時過ぎに来てみると、もう既に音楽が聞こえている。曲はベニーグッドマンで演奏しているのは市民ウィンドオーケストラだった。クラシック?まぁ、クラシックとも言えなくもないなぁ。ベニーグッドマンは好きなので私達も走って駆け寄ってみると昼間に設置されていた椅子はぎっしりと人が座っているので立ち見だ。
ラテンの人はノリがいい。演奏が始まってまだ間もないというのに誰もが拍をとり、踊るまでいかないが体を揺らせて聞き始めた。いやー、もっと、もっと演奏してくれ。と思っていたら2曲くらいで演奏がストップ。突然報道カメラを持った人たちがなだれこんできたかと思うと、大会主催のドイツチームと受け入れ側のアルゼンチン役人がずらりと横一列に並んでご挨拶大会になってしまった。報道陣の後ろにはアルゼンチンの関係役所の人々と思えるような背広姿、スーツ姿の男女がいたのだが、そのアルゼンチンは私達がかかわる安宿や安い食堂やスーパーじゃぁあまり見かけないような背のとても高い人たちばかりだった。イギリスもそうだが、この国も背が高い人々が支配者階級、つまり高所得階級なんだなぁ。まるで違う国の人のように見えた。
アルゼンチンに来て気持ちが高揚しているのか、やたらに大きな声で張り切ってドイツ語で挨拶するドイツ人女性に向かって報道陣がカメラをバチバチバチッ。テレビクルーも来ているようだ。私達が立っている場所はすぐ左手にスピーカーがあって、次から次へと興奮して大声でしゃべる関係者の声が耳をつんざくばかりに聞こえて気が狂いそうだった。
長い挨拶が済んで関係者が去るとともに、あれほど埋まっていた席もがらがらになった。どうやらニュースでよく見る有名閣僚を見るためにきていた野次馬だったらしい。ということで私達はゆっくりと着席して聞けるようになった。
挨拶から後の曲はアルゼンチンの作曲家あるいはブラジル人の作曲家によるものだという解説があった。私達が知っている数少ない作曲家ピアソラの曲はいいのだが、他の作曲家の作品は現代音楽っぽいし、こういっては何だが何よりも演奏のレベルが厳しいのでとても聴きづらい。もういいか、席を立とうかと思った頃に演奏が終了。アンコールとともに有名なピアソラの曲をやったので、そこまで聴いてから席を立った。
こういう国際的なイベントに出会えるのも首都ブエノス・アイレスならではないだろうか。
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