> 南米目次 > 詳細内容
東アジア
中国
ヨーロッパ
スペイン
フランス
イタリア
オーストリア
ドイツ
アメリカ大陸
エクアドル
メキシコ
チリ
アルゼンチン
ヨーロッパ2
スペイン
ポルトガル
ヨーロッパ3
クロアチア
ドイツ
東南アジア
タイ
マレーシア
ラオス
アメリカ大陸2
メキシコ
ドミニカ共和国
ヨーロッパ2010
フランス
イタリア
アジア2010
タイ
マレーシア
アジア2011
タイ
北米・カリブ海2011
メキシコ
キューバ
ヨーロッパ2011
フランス
イギリス
フランス2
2008.12.03 Vol.1
観光五発目、島の左側サイクリング
チリ:イースター島

 今日は見残した島の左側をサイクリングする。これで普通に観光できる所は全て周ったってことになるかな。

 おにぎり型の島の北側の三角の部分は馬あるいは徒歩ならば行けるような道がある。島で知りあった日本人成年はこの道に勇敢にも自転車で乗り込んだものの刺の多い草が生い茂っている上にゴツゴツした溶岩が残っていて自転車で進むには無理だし、歩くと足に刺がささってくる。時には自転車を引くこともならず、肩に担いで歩かざるを得なかったそうだ。で、彼は道半ばで夜を迎えてやしの木の下で野宿し、翌日ようやく町に戻ってきたというエピソードを語ってくれた。3日間行方不明になっていたからちょっと心配だったが、そういうわけだった。

 ま、そんな話もあって私達は無謀なサイクリングはせずに地図に書かれている道で行くことにした。

 今日は宿を出て市街地から海沿いをずーっと北上し、7体の海を向くモアイ像を見てから島を縦断する道を通って町中に戻ってくる。海沿いの道が未舗装でアップダウンが激しく走りづらいという話を聞いていたので、今までの経験から朝の体力があるうちに海沿いをこなして午後は楽に帰ってこようという作戦だ。低血糖症にならないように、今日はちゃんとパンと水も十分に持って10時半過ぎに出発だ。

 町に隣接するモアイ像の横を通り過ぎると初日に訪れた朽ちかけた味のあるモアイが点在して博物館もある地域に入る。この野原を突っ切った所から道は1本になる。この辺りで私の乗っていた自転車のギアがうまく入らなくなってきた。うーむ、まずいなぁ。相変わらず最初にアクシデントのあった宿のレンタル自転車を使っている。見るとメンテナンスしていたように見えたがチェーン付近は相変わらずドロドロに汚れていた。このまま無理に使っているとまたギアが折れかねない。私達は宿に戻ってそーっと大丈夫そうな別の自転車に取り替えて再出発。

 それにしても、どーしてあんな事故があったのにもっとちゃんとしないのかなぁ。

 新しく持ってきた自転車は快調だった。野原の先は未舗装の赤土じゃり道路だがそんなに走りにくいわけでもなく、車も走れる幅の道だ。こちら側の海の色も実に美しく、黒っぽい溶岩の崖、赤い土、茶色の馬によく映えて風景が楽しい場所だった。

 こちらの道は島の右側に比べると見所がややわかりにい。道路沿いに表示がなくて、この辺りかなぁと自転車を降りて海沿いに近寄っていくと見所の表示があったりするので、小さな岬があれば、何度も自転車を降りて見所かどうか確認するという進み方をした。そんな中で今までよりも大きく海に突き出す岬のある場所があった。道路から岬が見える海辺までは500mくらい離れていただろうか。岬は断崖絶壁の向こうにあるので先には進めないのだがそこから見る海の色、崖の色が本当に美しい。結局ここは遺跡などのある見所ではなかったようだが、見る価値は十分にある場所だった。

 しかも、ここにはチリ人の観光客がガイドを引き連れて見にきていて、聞くとこの辺りから海にまで続く洞窟があるというのだ。洞窟は人一人がはいつくばってようやく通れる程度の穴で、中は真っ暗でとても進む気にはなれない。でも海まで続いているとされているってことは、誰かが行ってみたってことだろう。不思議な穴だ。

 更に海沿いを進む。今度はちゃんと看板というか風流な石に刻まれた案内のある見所に到着。広いお花も咲いている野原には昔ながらの石を積んだ農業の跡、倒れたモアイ像、半分土に埋まってしまった巨大な岩の顔などが点在していて、それらをたどって海の際まで行くと両側が断崖絶壁になった崖まで行ける。柵なんかないから全部自己責任。自然の中に埋め尽くされそうなモアイ像は人間が作った文明を越えて自然と同化しつつある。のどかな風に花が揺れて日差しは強いが潮風が冷たい。人影もなく、島を独占した気分になれる場所だった。私達はここでお昼ご飯。

 ここでゆっくりと休憩してから、再出発だ。道はここから内陸に入る。と同時に登り坂にもなる。途中の右手には見所にもなっている洞窟がある。先ほど見た洞窟よりはずっと大きく間口3m、高さ3mはあるだろうか。天然の洞窟なのだがここからずっと海まで続いているというとても長い洞窟で、私達が自転車を停めた場所にはザイル、ヘルメット、長靴、ヘッドライトのセットが数組おいてあって本格的な冒険野郎がこれから洞窟探検にでかけそうな雰囲気だった。私達も洞窟への階段を下りてちょっと穴をのぞいてみたのだが、右手はすぐに向こう側に抜ける短いものだが、左手の穴は先がひたすら暗くて下はじめじめしていて怪しい雰囲気満載の場所だった。これまた別の勇敢な日本人旅行者で同じ宿の人が少し入って進んだものの、すぐに足元がグジュグジュしてきてちゃんとした装備なしで進むのは難しいし、何よりもわけのわからない不気味な気配も感じたとか言っちゃっていた。くわばら、くわばら。

 最後の見所になる7体のモアイ像が海に向いている場所までは、ちょっと苦しくなってきたなぁ。暑い日差し、上り坂、堅いサドルでお尻が痛いなど様々な問題発生。でも音をあげるほど長い距離を走っていないし疲れてもいない。丁度いい感じだ。やはり昨日の島一周で体力がついてきたのかもしれない。

 この場所は車で訪れているツアー客が今日最も多かった場所だ。一列に並んだモアイ像が海に向かって立っている。15体のモアイ像よりは大きくないが、それでもかなり巨大で見栄えのするモアイ像で保存状態もなかなか良かった。背中から写真を撮影すると背景に海が写るというのもいいロケーションだ。私達はここをのんびりと見学してから帰途についた。






 もうここからは下っていくのみかなぁと思っていたが、そうでもない。相変わらず登りと下りを繰り返して進んでいく。途中にはモアイ像の赤い帽子を切り出している赤い岩山という見所もあったが、そこはもういいやと割愛。見覚えのある舗装道路に出たら右折して一気にここからは下って町まで戻れるのだった。

 町まで戻ってきて一番初めのスーパーで終了を祝して水を買って飲んでいたら、先日夜に見に行ったポリネシアンショーでリーダーダンサーを務めていた男性を発見!声をかけて写真を一緒に撮らせてもらった。舞台で見るよりも若くってハンサムだったなぁ。

 宿に到着したのは午後2時半。途中でランチ休憩を挟んでも4時間のコースだった。宿に戻ったらこの日は別のサプライズ!それはまた、別のスケッチで。




Copyright (C) 2008 World Mover All rights reserved