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2008.11.21
新しいサンティアゴの顔、Parque Arauco
チリといえばDoiteというブランドでテント、寝袋、バックパックなどを世界中で目にする。もしかしてアウトドアブランドが充実してかつ安いのでは?という期待を持って郊外のアウトドアショップ、及びそこから近いショッピングモール「Parque
Arauco」に出かけてみた。
郊外のアウトドアショップLa Cumbreは午前10時に到着したのだが、何とオープンが11時。近くのカフェで1時間暇をつぶしてから出かけてみたのだが、2階建とはいえあまり面積が広くないお店で思ったほどの収穫がなかった。私達が注目していたのは衣類だったからねぇ。衣類はノースフェースやマーモットなど世界に名だたるブランド品ばかりでお値段も高い。チリの安くて品質のいいブランドがあればと思っていたのだがあてがはずれてしまった。このお店はどちらかというとロッククライミングやキャンピング用品などが充実しているようだった。そうそう、日本のモンベルのダウンジャケットが入っているので目の付け所はいいんじゃない?と身びいきな意見を吐いて店をあとにしたのだった。
お次の目的地はParque Arauco。アウトドアショップがあるかどうかは定かじゃなかったが地図上に大きく占める面積から考えて巨大ショッピングモールだと踏んで行くことにしたのだ。La
Cumbreの店員さんの説明では「タクシーで」ということだったが歩けるんじゃないかと歩き始めた。この辺りは昨日歩いた旧市街に対して新市街と言われる場所で、高級そうな高層マンションが立ち並び品の良さそうな老婦人が歩いていたりする。老婦人が「どうされました?」と話しかける。Parque
Araucoに行きたいというと説明を始めてくれたのだが、そこを通りかかった別の婦人が「私が近くまで行くので連れて行きましょう」とバトンタッチしてくれて途中まで道案内してくれた。うーん、さすが新市街。品がいい上にとーっても親切だ。旧市街の何となく怪しい雰囲気とは大違い。同じくにだとも思えないくらいだったので、それだけで驚いちゃった。
みなさんの親切で無事にショッピングモールに到着してみると、思っていた以上に新しくて巨大な場所で、再びびっくりしてしまった。クリスマスの装飾で飾られた吹き抜けの明るいモールで完全にアメリカ型だ。アウトドアショップを探してみるとノースフェースの専門店がある。でも高いなぁ。というわけでアウトドアショップは断念。ショッピングモール巡りに目的を変えてぶらぶらとすることにした。
本当にこれがチリ?と思うような最先端のお店の内装、来ているお客さんも昨日の市場周辺で見た人々とは全く違う。「チリは南米の優等生と言われている」という話を何回か聞いた。市場や旧市街を見る限り、その意味はわかりかねるのだが、ここのショッピングモールに来るとそうかもしれないと素直に信じられる。それにしても、訪れる場所によってこれだけ人種というか人々の階層が異なることが一目瞭然だということは、貧富の差が激しいということの証とも思われる。日本では築地市場に集う人、ドンキホーテに行く人、六本木ヒルズのショップに行く人が同じという事もありうるが、ここではそんな事はないだろう。発展するチリを感じると共に経済不均衡な国民の生活も垣間見えるショッピングモール巡りだった。
ところで昼時になり腹が減った。レストラン街に行くと素敵な中庭に面してパラソルが出たお店をのぞいてみると一人2000円くらいの予算ばかり。ううう、手が出ない。白人の意地悪そうなおばさんが華麗に盛り付けられたサラダを食べているのを見ると何だか腹が立ってきて「ああいうのが、搾取階級に違いない」と勝手に決め付けて文句を言ってみたりした。レストラン街は無理だが建物の2階奥にはファストフード屋が並ぶフードコートがあった。ピザハット、マクドナルド、タコ・ベルなどお馴染のアメリカンファストフード。ここではこれが一番安い食事だった。それでも市内の一般的なレストランの昼食メニューよりも高い。なーんだか、私達はあまり好きになれない場所のようだ。
さーて、一通り見てみたし帰ろう。ここから一番近い公共の交通機関の駅を聞くと「タクシーをご利用される距離ですので・・・」という説明。かーーーー、まるで金持ちのための施設じゃないか。庶民拒否かぁ!ここに来る人が普通タクシーで行く距離を私達はノシノシと歩いて地下鉄に乗ったのだった。サンティアゴ庶民には高根の花、それがこのショッピングモールだった。
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