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2010.04.02
セマナサンタのパレード
メキシコ:プエブラ

 メキシコ以南のアメリカ大陸でセマナサンタと呼ばれるキリスト復活祭は一大イベントとなっているようだ。今回の旅先でもセマナサンタの時期は移動しない方がいいとか、宿は早めに押さえておいった方がいいと言っている旅人に出会った。確かに数年前にスペインのマドリッドでセマナサンタを迎えた時は宿がどこも一杯で大変だった。

 メキシコ・シティーでは恐らく昨日からパレードやら様々な行事が目白押しだと聞いているが、ここプエブラでは今日のパレードがメインの行事になっているようだ。ソカロ前のカテドラルを午前11時に出発して旧市街を練り歩き午後3時にカテドラルに戻ってくる予定で、その順路のマップも入手している。さーて、どこで見ようか。

 午前9時45分に下見のつもりでソカロに向かうと、パレードコースには綱が張られ既に沿道を椅子代わりに場所を確保しつつある人々がいる。小一時間も待てば始まるので私達もそのまま群衆に混じってパレードを待つことにした。私達の隣には子供3人とお母さんとおじいちゃんとおばあちゃんの家族が陣取って、お菓子は買うわ、おもちゃは買うわでお祭り気分を満喫している。お母さんは巷のセマナサンタ評論家のようで、セマナサンタのしきたりや見るのならこの場所がベストだとかしきりに言っているようだ。大半は何を言っているのかわからないけど、お母さんはそんな事は気にしちゃいない。やがて、ボランティアグループのような人が絵葉書を配り始めた。イエス・キリストが四つん這い姿で背景に十字架のある絵だが、このポーズがプエブラではとても人気があるようで、後に通るパレードの中でもこの姿の担ぎ物が通る時には人一倍歓声があがった。11時近くになると私達が腰かけている縁石の後ろにも立ち見の人が人垣を作り、通路で空けてあった場所には「あたしゃ足が悪いから」と誰にも非難できないようなおばあちゃんがどっかりと座ったり、「子供がいるから縁石を譲ってもらえないか」と子供をだしにずうずうしく申し出るお母ちゃんがきっぱりと断られたりと、小さなドラマがあちこちで繰り広げられるようになってきた。

向かいのレストランでボリュームたっぷりの朝食を摂った家族

人気の四つん這いキリストの絵葉書

左端のママがハイテンションで相手してくれなくて私に懐く長女

沿道はパレード待ちの人で埋まってきた

 まぁ11時に始まるわけないよなあぁと思っていたが案の定パレードの楽団の音が響いてきたのは、待ち人たちが「おいおい、それにしても遅すぎるんじゃないか」とクレームを出しそうな空気が漂ってきた11時40分のことだった。カテドラル出発と聞いていたが、逆方向からパレードはやってきた。セマナサンタ解説委員のお母さんによると、全てのパレードが一旦カテドラルにおさまって、お祈りを受けてから同じ道を逆行するんだそうだ。カテドラルに向かう一団は黒装束に赤い布でアクセントをつけたお揃いの衣装でビシッときまっている。ただし、キリスト教徒ではない私から見ると、十字架を掲げて歩くこのお揃い衣装の一群は少し背筋に冷たい物が走る迫力を感じる。純粋と人々が信じてきた力が思わぬ方向で歴史を作ってきた事実を思い出させるからだ。
 

 黒づくめの人々の後は一般の人々がパレードに続いて歩いてカテドラルに吸い込まれていった。そして待つ事10分。今度はカテドラルからもっと大量の山車が担ぎ手も一般人を交えて出発し始めたのだった。

最初は中世の僧侶の格好の青年から

地元中学生も天使の姿で参加

いくつかの大きさの十字架という出し物もあった

隣の家族の子供はそろそろ飽きている。二女の要望でパチリ。

マリア様

マリア様の後ろは女性軍団

最初のキリスト像

十字架の中心のハンドルを回すとキリキリと音がする。
手のひら大の同じようなおもちゃがあって子供に人気だった。

一番人気にして一番大きな山車は横になるキリスト像。担ぎ手も黒装束の人々だ。

 パレードの最後の山車はやっぱり人気の横になるキリスト像だった。これまでにもマリア様やキリスト像がやってくるとピューピューと歓声があがったが、この最後のが一番盛り上がった。これにてパレードは終了。そのままパレードにくっついて歩きたい人はご自由にどうぞということになっている。

 私達はパレードを離れて旧市街北西に続く歩行者天国をブラブラと歩いてプエブラ民芸品美術館まで歩いてみた。歩行者天国に並ぶお店は普通の衣料品店やカフェなどで庶民の休日の遊び先という感じだがあまり人がいない。プエブラ民芸品美術館の手前にショッピングモールがあったが多くのお店はお休み、美術館も小学生がフロント係で「うん、開いているよ」というのだがどうにもやっていないようだったので、今度はソカロ南東部のの民芸品市場をめざして歩いた。今日は街中でパレード渋滞にみまわれる。道を横切ろうとしてもパレードにぶつかると人通りが切れるまで待たなくてはならないのがセマナサンタらしかった。それにしても、あんなにたくさんのパレードを見ていた人はどこに行ってしまったのだろうか。

 民芸品市場に行く途中でいくつかバザールが開催されている場所があって、そこに多くの人が集まっていた。置いてある品物はメキシコ各地の民芸品や骨とう品など。メキシコという国は特徴のある民芸品が多いので、こういうバザールに事欠かない国だなぁ。強烈なピンクと水色に色分けされた壁の一角はいかにもメキシコ的でこういう所のカフェは魅力的。

 最後にたどりついた民芸品市場は小さなお土産物屋が2列にずらーっと並ぶ場所だ。団体観光などでここに連れてこられたら、「さぁ、買うぞ!」という気分にもなるのだがブラブラと散策してきてこういう場所にくると密集しすぎて何か興ざめだし、客引きの激しさも手伝って早々に引きあげることにした。

 さーて、これでプエブラの観光も終了。明日は飛行機でビューンとカンクンまで帰る。


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