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2010.03.18
モンテアルパン遺跡へ
オアハカの東側の主な観光地を昨日のツアーで一気に見学してしまったので、今日はゆっくりとモンテアルパン遺跡にでも行ってみよう。
市場近くを歩いていると「モンテアルパン?モンテアルパン?」と呼びこむ人がいる。モンテアルパン遺跡には観光客用にシャトルバスが出ていて、それを利用しようとしたのだが呼びこまれた場所がガイドブックにあるのと異なるので値段だけ聞いてみようと立ち寄った。値段は往復で40ペソ。ふーん、そうですか。ガイドブックにある場所で聞いてみるとやはり40ペソで同じ値段。どうせなら最初に見つけた場所の方が宿に近くて便利なので、そちらで購入する事にした。すると「バス乗り場はどこそこですから」と結局ガイドブックにある場所に行くように指示された。街中の様々場所でチケットを販売しているが価格は共通で、結局同じ場所からしか出発しない事になっているようだ。
待合所のような場所で10時半発のバスに乗り、11時前に遺跡近くの駐車場に到着した。モンテアルパン遺跡はオアハカの街を見下ろす山の頂上にある。市バスも途中まで来ているようだが、そこからだと急な坂道をかなり長い時間登らなくてはならないので、やはりシャトルバスに乗るのが便利なようだ。
入場料を支払って中に入ったら、反時計周りに右に回り込んで見学するといいですよ、とオアハカ在住の日本人女性から教わっていた。
理由は2つ。
1つは平坦に見える遺跡だが右手に向かって徐々に高くなるので、先に高い方に上がっておくと下りながら見学できるから(実際はあっちこっちに登ったり下ったりしながら見学したので、そんなに感じなかったが)。
2つめは、左手(写真奥)に一番高い場所にあるピラミッドに登れるようになっているので、そこを最後にもってくるのがハイライトになっていいという理由。これは正解だと思う。最初に全体図を見たい人は入口から入って左手に進むのが正解だ。
モンテアルパン遺跡はアメリカ大陸で最古の遺跡だそうで、あまり残っている建物などはない。ただ、場所が山頂であるのと、整然と美しく遺跡が並んでいるのがいい。高いピラミッドの上から眼下の街を遠景に、青い空にぽっかりと浮かぶ雲の下の遺跡を眺めていると、のびのびとしった気分になってくる。ピラミッドの下で陽気なフランス人団体客の一人の女性がビゼーのカルメンのアリアを歌い始めた。そうそう、そんな開放的な気分になってくる場所だ。
付属の博物館も同じチケットで(51ペソ=357円)で見学できる。ここには遺跡で発掘された出土品が展示されている。ジャガーの頭付毛皮をかぶった戦士はこのサポテコ人だけでなくマヤ文明の展示でも見られたが、歴史から考えるとこちらの方が古いらしいのでアイディアはサポテコだろうか。今でもレストランに行くと足が3本ついた高杯にトルティーヤチップス用のワカモレ(アボガドソース)を入れてくる。何とその原型と思われる土器があったのには驚いた。ああ、ここから来てたのねと嬉しい発見だ。またキッチュな顔のついた土器は期限2〜3世紀らしい。こんな時代からメキシコ人のユニークな感覚があった事がわかったのも、ここに来たからこそだ。
遺跡の中に「踊る人の石碑」というコーナーがある。まるで人が踊っているような姿を石に彫り込んだ物がみつかっているのだが、決して踊っているわけではなく悶絶する囚人を描いているそうだ。中には血を噴き出しているものもある、と解説にあるがどれがそうなのかはわからなかった。ま、わかりたくもなかったしね。
美術館の隣の土産物屋を冷やかして、さぁ帰ろうかと思ったのが午後1時過ぎ。バスは2時の予定なので残りの時間は博物館のある建物の日陰でメキシコ人観光客観察などして楽しんだ。メキシコでは国内旅行を楽しむメキシコ人の姿を多く見る。国内旅行ができるくらいに国力がある国なのだ。ここでも多くのメキシコ人観光客がいて、一体誰が買うんだろうかと思っていたパカル王の遺体に添えられていたヒスイの仮面のレプリカなどを買っている。この家族の奥さんとおばあちゃんは、と見ていると観光地とは全く関係のないネックレスに夢中。家族旅行という開放感の中で財布のヒモがゆるむのは世界共通なんだなぁ。
30分前にはバスが来る駐車場に移動していた。このシャトルバスは日に何本も出ていて、行く時に帰りのバスの時刻を指定されるが他のバスに乗ってもいいことになっている。ということで、午後2時のバスに乗りたい人がかなり多く、結局、時間ぎりぎりに来て座席に座れない人は次のバスに乗れということになってしまった。帰りのバスに乗るためには早めに駐車場で待機するといい。
こうしてモンテアルパン遺跡の観光も終了。これでオアハカで観光したい場所はだいたい見て回れた。明日はお土産屋でも冷やかすことにしよう。
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