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2010.03.14
日曜日のティアンギス!チャムラ村とシナカンタン村
ツィツィル系先住民のチャムラ村とシナカンタン村はサンクリストバル・デ・ラスカサスの北西に位置する村で日曜日に行われるティアンギス(市場)が規模が大きいので観光に訪れる人が多い。私達が宿泊している宿でもこの2つの村を巡るツアーを一人200ペソ(1400円)で行っている。でもツアーで行くまでもなくサンクリストバル・デ・ラスカサスからチャムラ村までミニバスで一人9ペソ、チャムラ村からシナカンタン村までタクシーで60ペソ、シナカンタン村からサンクリまでミニバスで12ペソ、合計2人で104ペソで周れてしまった。違いはツアーにはガイドが付く事、バスを待たずに移動できる事だろうが、自分の好きな時間帯で動けない不自由さを考えたら、今日の場合は自力で行く方がいいと思われる。
チャムラ村からシナカンタン村まではタクシーを使わずに行く方法もある。チャムラ村から幹線道路までミニバス9ペソ、そこからシナカンタン村行きのミニバスで12ペソだそうだ。これだと2人で42ペソで行けるが労力と時間を考えたら140円増しでタクシーの方がいいと判断し、タクシーを利用した。
さて、サンフアン・チャムラ行きのバスは市場の北端から1ブロック西から出るとガイドブックにあったが、行ってみるとごちゃごちゃしてよくわからん。ということで地元の人に聞きながらなーんとなくたどり着いた。昨日のララインサール村行きと同じように車庫があって、看板にサンフアン・チャムラと書いてある。ここのミニバスも割合きれいな車で、10分もしないうちに出発。いやー、優秀、優秀。
アフリカのマダガスカル島じゃぁ2時間の距離を移動するバスが出発するまでに2時間かかっていたからね。まぁアフリカと比べられちゃメキシコが怒るかもしれないが、定刻のないミニバスというと、どうもあの最悪の待ち時間と比べてしまうのだ。
チャムラ村までは25分くらい。観光客は私達だけであとは地元の人々だった。「地球の歩き方」を広げて見ていたら後ろの座席の青年が見せてくれという。チャムラ村のページを見せてあげたら、少し怒ったように「なぜ、ここに写真が載っているのだ!」というような事を言っている。なぜっていってもねぇ。私が撮ったわけでもないし。しかし先住民を写真撮影するのは本当に嫌がられているのだなぁという印象を強く受けた。しかし、青年はガイドブックを隅から隅まで丹念に見て、ここはメキシコ・シティーだとかカンクンだとか教えてあげると「ふーむ」と感心していた。かなり不遜な態度だが写真付のガイドブックへの興味はとても強い。写真は便利だと思うのだがどうなのかなぁ?もっとスペイン語ができたら聞いてみたい所だった。
ミニバスは町の中心まで行ってくれるようだったが、とりあえず町はずれの観光バス駐車場のような広場で降りてメインストリートをぶらぶらと歩きながらソカロに向かうことにした。
チャムラ村は昨日訪れたララインサール村とは違ってメインストリートにはずらりと土産物屋が並びレストランもある。観光ツアールートになっているから大勢の外国人やメキシコ人観光客が来るのでやる気に満ちているのだろう。
ララインサール村では襟元に刺繍のあるブラウスに無地のフレアースカート、腰に太いベルトという衣装だったが、ここは全体に刺繍が入ったブラウスに腰の辺りに刺繍の入った巻きスカート、同じく太いベルト、肩からやはり刺繍の入ったショールという衣装のようだ。この衣装もサンクリの市場付近でよくみかけ、この民族もサンクリまで来ているということがわかる。
5分ほどで広場にテントが張られて市が立ち、奥に教会が建っている場所に到着した。ここがどうやらティアンギスの会場らしい。市場の商品は生鮮食品や生活雑貨でここに暮らす人々に必要な品物ばかりで観光客の私達が欲しいようなものは売っていない。ただ、ここに集う人々が民族衣装を来ていて、それが珍しいということで観光客が集まっているのだ。確かに白人観光客の姿が目立つ。
私達はミニバスでの青年との会話があったので、なるべく遠景ばかりを撮影して人物撮影をかなり遠慮していた。ところが白人観光客はカメラばかりでなく思いっきりビデオとか向けているんだけど、これは大丈夫なのだろうか?あまりに皆が撮りまくっているので思い切って若い白人2人組に聞いてみた。イタリア人だという彼女たちは自由旅行者で私達と同じようにミニバスでやってきたのだそうだが、事前に観光案内所で確かめて「教会内は撮影禁止だが教会の外は大丈夫だ」と言われたそうだ。後で他の日本人旅行者に聞いたら「教会内撮影は禁止で、教会建物を外から撮影するのは大丈夫で、先住民撮影はやはり禁止なのではないか?」とも言われ、結局何がどうなっているかわからない。
しかし、次のシナカンタン村でも団体観光客はもう目の前から写真撮影しまくりだったので、結局私達も彼らに交じって思いっきり撮影させてもらった。
生活用品を扱う市が立つティアンギス
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ソカロの中心のステージでは女性が列をなして何かを払っている。
教会への寄付のように見えた。 |
寒い時は肩にかけるショールは暑い時はたたんで帽子代わりに。 |
教会前には楽団も出て休日の楽しいひと時になるようだ。 |
市の規模はなかなか大きく、日曜日に教会に集まって寄進したりお菓子などを買い食いしながら楽団に音楽を演奏してもらったりして過ごす先住民の生活を垣間見ることができたのは面白かった。しかし、色とりどりの民族衣装であふれているかと期待してきた割にはやや地味で、そういう意味では期待外れ。30分ほど見学して次のシナカンタン村に向かうことにっした。
ソカロの縁にミニバスとタクシーがいる。値段を聞いてみると二人で140円くらい増しでミニバス乗り継ぎではなくタクシーで行けることがわかったのでタクシーに乗る事にした。タクシー代金がちょっと高いなぁと思っていたのだが、ガイドブックの簡略地図ではわからないが、シナカンタン村は幹線道路からぐいぐいと山の中にもうスピードで10分も入り込んだ場所で、こんなに離れていたらそりゃぁタクシー代金もかかると納得した。山道の眼下にふーっと村があらわれてきたと思ったら、それがシナカンタン村だった。
車を降ろしてもらった場所から50mも進まぬうちに教会があった。教会に入るには教会横の観光案内所で3つの教会に入れる許可証を買うことになっているとガイドブックにあったのだが、案内所が閉まっている。さて、どうしたものかと教会に入ってみた。中には花が飾られておおぜいの人が神妙な顔で拝んだりしている。
係員のおじさんを見つけて「あのー、チケットはどこで買えるのでしょうか?」と聞いてみたら「何?チケットないのに入ってきちゃったの?この村に入る時にチケットを買っていないの?」と聞かれた。どうやら私達はタクシーですっ飛ばしてきてしまったが、団体観光客の人々はもっと手前のどこかでチケットを買っているようだ。話がややこしくなりそうだったので、いやいやいやと誤魔化しながら教会を出てきた。
この教会の先に人々が吸い込まれていく空間がある。行ってみたら、うぁおーーー!
一面に水色の民族衣装を来た女性の海が目に飛び込んできた。素晴らしい光景だ。こちらの市では食料品もあるがこの衣装のための刺繍糸やベルト用の布などを扱っている店が多い。刺繍は自分でしているのかぁ。だからよく見ると一人ひとり違う模様の衣装になっているのだ。中には衣装そのものを売っている店もある。それにしても美しい。こんなに全体が一つになって見えるという光景はあまり見た事がないので圧倒された。
時刻は11時。期待していなかったシナカンタンでの素晴らしい光景も堪能できたし、もう帰ってもいいかなぁと思っていたら市場の片隅から風に乗って炭火焼のおいしそうな香りが漂ってきた。誘われるままに行ってみるとチキンバーベキューだ。丁度、今日のお昼はチキンバーベキューにしようと思っていたのよねぇ!
ってことで早いけど食べようとしたら、まだ焼けていないので30分程時間をつぶしてきてくれと言われた。そこで「絶対に買うからこの鶏をキープしてください」と一番丸々と太ったのを予約して再び市場見学。30分後に見事に焼けた熱々のチキンにちょっとご飯とチリソースをつけてもらって、すぐそばの縁石に腰掛けてお昼ごはんとなった。いやー、旨い。肉は炭火焼に限るねぇ。
旨かった、ありがとう。というとお母さんはにっこり笑って、一緒に記念撮影にも応じてくれた。あれ?自然な流れで撮影しちゃったけど、全然嫌がられなかったなぁ。村も段々と変わってきているようだ。
最初にタクシーを降りた場所からミニバスが出るという。7人乗客が集まらないと出発しないというので待っていると、またまた素敵な衣装の女性が通りかかった。お土産物屋につるされているのではなく、こうして実際に地元の人が着ている姿が美しい衣装だ。
いつまでもこの美しいシナカンタンの衣装を着ていて欲しい、などとは言わない。文明の波が来ればこの人たちもいつかもっと手軽な洋服に変わっていくだろうし、それを止めることはこの人たちに発展するなということになるだろうから。ただ、今日この日に素敵な風景を見せてくれたことには心から感謝。
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