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2010.03.06
世界文化遺産の町並みを散策し、夜は無料ショー
カンペチェの見所は城壁に取り囲まれた旧市街ということになっている。旧市街の中心にあるソカロ(中央にある公園)に面したモンキー・ホステルに宿を取ったので、街歩きは非常に便利だ。もっともカンペチェ旧市街エリアはとても狭く、600m四方くらいしかないので、どこに宿泊しても旧市街内なら便利ということになるだろうが。
宿の目の前はソカロ。樹木が生い茂る気持ちのいい正方形の公園になっているソカロの向こうに、夜はライトアップされて素敵なカテドラルが見える。今朝はちょっと曇ってどんよりしているが、それでも緑の樹木との対比は素敵だ。
ソカロを取り囲むようにコロニアル調の建物が建っていて、我が宿も古びているが天井が高いコロニアル調の建物だ。
宿の隣が観光案内所になっている。案内所といってもコロニアル調の建物の入り口に机が一つあってそこに2人の女性が座っているだけの案内所。無料の街の地図が手に入り、旧市街から1等バスターミナルや2等バスターミナルに行く市バスの情報が得られた。この案内所の机が置いてある家がガイドブックには掲載されていなかったが観光スポットで、10ペソ(70円)支払って家の内部を見られるようになっていた。
中庭を取り囲むように建物が建っていて、中庭側には巾の広い回廊がある。室内の天井がとても高く、外に面した窓から中庭への扉に向けて海風がよく通りとても気持ちがいい家だった。壁の基調となるクリーム色と調度品のダークブラウンがメキシコというよりもスペインをイメージさせる配色で、そこに古さを感じる。メキシコというと壁にピンクと水色、オレンジと青なんていうギラギラ要素が入ってくるからね。
ソカロから今度は海沿いに行ってみよう。海沿いに行くには一度城壁をくぐることになる。カンペチェは16世紀、17世紀に海賊から街を守るためにこうした要塞都市にしたのだが、同時に簡素ながらも優美な建築様式も発達し近郊都市のモデルになったのだそうだ。
城壁といっても今は門の左右に少し城壁が残るばかりとなっている場所が多いようで、海に出る城壁も写真のような感じだった。
道を渡った海沿いは今度は要塞になっている。要塞越しに海を見たかったのだが、要塞は博物館の一部になっていて入場料を支払わないと入れない。そんなに興味もなかったのでちょっとのぞいて終了とした。
海沿いに右手に歩いて行くと、要塞が終了した辺りから護岸工事した海沿いの遊歩道になる。昔から貿易港として稼働し、現在は街の向こうにコンビナートも見られるカンペチェの海は海を渡る潮風は気持ちいいが、水は黄緑色に濁って泳げる水質ではなかった。街だから仕方ない。
もう一度旧市街内に戻って、今度は南端の城門を目指そう。旧市街は碁盤の目状に道が走っているのでとてもわかりやすい。ソカロを通り過ぎると、せいぜい2階くらいの低い建物が続くのだが、これらの家の壁の色がまるでお菓子の国に来たような可愛らしい色合い。しかも世界文化遺産に登録されたからだろう、無駄な看板が一切禁止されていて壁も丁寧に塗りかえられている。スペインの白い村と呼ばれる地域を訪れた時も、住民がせっせと壁を白く塗っていたことを思い出した。メリダの街もこれと似たような高さの家が並び、同じような色合いの壁なのだが、ちゃんと塗り直された町並みはこんなに違って見えるのかと驚いた。
旧市街の南にある市場は大盛況だった。ここで夕食のお好み焼き用にイカと海老と卵と小麦粉を調達し、ブラブラと宿に戻りがてら旧市街の中のかつての邸宅を今はカフェに改造した場所でコーヒーブレイク。こんな素敵な中庭のカフェ、しかも歴史を経ていい感じに古びたカフェがあるのがカンペチェはいい。
しかも入っているカフェはItalian Cofee Companyというメキシコ版スターバックスのようなチェーン店でなかなかおいしいコーヒーを出す。昔ながらのハードを使いながら最新の上質なソフトがあるというのは、なかなか上手い街の使い方だ。
さて、夕方になると目の前のソカロに舞台が設置されてなにやらショーが始まるようだ。夜7時に司会の女性が出てきて話し始めるのが宿のロビーから見えたので、ショーを見に階下に降りて行った。メリダではユカタン州の伝統舞踊やメキシコ各地の合唱を無料で見せてもらった。さーて、カンペチェでは何を見せてくれるのだろうか?楽しみにして行くと、今日はカンペチェ市内にあるダンス教室のプロモーションも兼ねた発表会のようだった。
何でメキシコでハワイアンを見ているのか?という疑問はさておき、オールメキシカン出演による世界ダンス発表会は出演者がみんな学生のように若いということもあって、なかなか面白かった。
この司会者、実は歌手でダンス大会の後は彼女が歌っていた。 |
ちびっこハワイアン |
なかなか上手なお姉さんハワイアン |
ベリーダンス向きのベリーを持ったメキシコ人女性は多い |
カンペチェでインド舞踊 |
モダンバレエの中央ダンサーは本気で踊りが上手かった |
ダンス発表会の後は売り出し中からベテランによる歌謡ショーになった。夜も更けてきたので私達は宿に退散。
宿のロビーでは丁度アカデミー賞の発表生中継がテレビで放映されていた。みんなで見ているとドキュメンタリー部門で日本の和歌山で行われているイルカ漁を残虐だと非難した作品が賞を受賞。前で見ていたカナダ人の女性が拍手して私達を振り返り「この作品、知ってる?」と挑戦的に聞いてきた。本当に知らなかったので「知りませんねぇ」というと肩をすくめて呆れたように前をむきなおした。彼女は、これに先立って黒人女性が賞を受賞すると「アカデミー賞って必ず黒人を入賞させるのよねぇ。これってかなり政治的な力が働いていて実力じゃないと思うわ」などと大きな声で独り言を言っていた。黒人女性の受賞が政治的で、伝統イルカ漁の非難ドキュメンタリーがどうして正当評価だと判断したのか聞きたいと言いたかったが、他にも色々彼女の言動には不審な点があって話がややこしくなりそうだったので、やめておいた。
旅行者にも色々な人がいる。どうやって距離感を保つか、一般的な問題に対してどういうスタンスを取るつもりなのかは日頃からちょっと考えておかないとなぁと考えさせられる出来事でもあった。しかし、こういう事も日本人宿ばかりにいると経験できないからいいではないか。とポジティブに考えて今宵も就寝。
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