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2010.03.28
ひょんな事からアニメフェスに潜入
メキシコ:メキシコ・シティ

 メキシコ・シティーに「メイドカフェ」があるのを知ったのはカンクンでだった。持ち金ゼロで路上で自作の歌のパフォーマンスで稼いで旅をする下田武志君が縁あってメキシコ・シティーのメイドカフェでライブしている模様をU-Tubeで見せてもらったのだった。

 それからすっかりメイドカフェの事は忘れていたのだが、メキシコ・シティーで「オタク」の殿堂として知られるラテンアメリカタワーの2階に日本ドラマのDVDを探しに行った時、数年前と比べて日本ドラマが下火で韓国ドラマとアニメだらけになっていた。せっかくここまで来たのだから何か今日の成果を!と思った時に思い出したのがメイドカフェだった。

 ここの人に聞けばメイドカフェの場所がわかるかもしれない。新たな目標をひっさげて各店舗に聞いて周ると、親切な女性店員さんが「あの人なら知っているかも」と別の店に引っ張って行ってくれた。その店の男性は私達が何を言っているのか理解できていなかったのだが、そこを通りかかったお客さんが「彼らはロリータファッションのウェイトレスのカフェを探しているのでは?」とヒントをくれて、メキシコではメイド姿はロリータの通称であることがわかった。で、ネットで調べてくれて場所を確認することができたのだった。オタクは全世界的にとても親切な人が多い。で、場所を確認してくれたついでに店員の男性が言うには、メイドカフェよりも今度行われるアニメフェスの方が面白いんじゃないかという情報をくれたのだった。

 もとよりメイドカフェに行きたがっていたのは夫だけなわけだし、アニメフェスの方が断然、面白そうだ。ということで28日、アニメフェス3日目にして最終日の今日、会場に行ってみることにした。

 会場に向かう途中から長蛇の列が見えた。まだまだ会場は先のはずなのだがもしや?夫に列に並んでもらって列を前に前にと探っていくと、はたして角を曲がって半ブロックほど進んだ先に会場があった。並んでいる人から既にコスプレーヤーがいて、沿道ではポッキーやおにぎりやグミを売る屋台、浴衣を着てちらしを配るお饅頭屋さんの店員、果てはスパイダーマンまで登場していた。噂には聞いたことがあるが、外国での日本のアニメの人気ぶりを目にするのは初めてなのでワクワクしてきた。スパイダーマンは日本じゃないが・・・。

 だいたいアニメ好きでもない私達はアニメフェスの実態というか、それが何なのかも知らないで来ていたわけだが、中に入ってやっとどういう物かがわかった。建物の1階と2階ではキャラクターグッズを販売する店やインディーズの漫画雑誌がブースを出していたりする。こういう物を物色しに来る人の中には、自らキャラクターの衣装を模した格好をする人もいるのだ。中にはもの凄く手の込んだ衣装の人もいて、この時点で今日の目標は「コスプレーヤーの写真を撮りまくる!」ということに決定。

   
   
  

 3階は前方にステージが用意されてチアガール姿の女性が踊ったり、日本語で何かを歌うグループがでてきたり、とにかく大音響で一番熱気があるフロアーだった。
 

 ここには日本の女子高生の格好をした女性やゴスロリ風の女性がいて、プロ・アマの写真家に取り囲まれて様々なポーズを取っているグループもある。こういう女性たちは会場側に雇われているようで、ポーズも堂にいっているし、可愛い人も多い。あれ?夫は?と思ったらオタク写真家の最前線で女子高生を撮影中。やれやれ。
  
 

 3階に来ているコスプレーヤーは更に気合いが入っていた。包帯ぐるぐる巻きの女性と車椅子に点滴の男性は意外にも人気がある。皆、考え抜かれたポーズで撮影に応じてくれるのでこちらも楽しくて仕方ない。なぜか私達も日本人ということで撮影を依頼されたりした。家族ぐるみで来て娘たちにコスプレさせ、お母さんも他のコスプレーヤーと写真撮りまくりという家族もいて、特殊な世界というよりもファミリー仮装大会という趣で、とても明るい。
   
   
 
   
 
   
   
   
   

 午後4時になっても人は増えるばかり。さすがに疲れてきて、帰ることにしたのだが、最後に1階の食堂をのぞいてみると、寿司、焼きそば、中華まんじゅう、たこ焼きなどが出ていて、こちらも徹底して日本文化満載だ。マンガの中に出てくる食べ物を体験できるのだから、人気があるんだろうなぁ。

 日本のマンガの力は侮れない所まで来ている。メキシコだけではなく、ヨーロッパでもアジアでも大きな町ではアニメのDVDが買える店が必ずみつかるようになっている。描かれる人物が西洋人的な顔立ちをモデルにしているので、ピンクや紫のカツラをつけてコスプレすると、あら、びっくり。自分が主人公そっくりになれるというのが西洋で受けている理由かもしれないし、ニュージーランドで出会ったニューカレドニア人の女の子は純文学にはない自分の生活に近い日常の心の動きに惹かれると言い、ポルトガルのリスボンの路面電車の中で話しかけてきた少女は、とにかく日本文化の可愛い部分が大好きだと言っていた。親たちはマンガばかり読んでいると、文章を読むときにつく想像力が養われないで困ると言う私達の親と同じような悩みを相談されたこともあり、マンガの魅力と弊害はユニバーサルのようだが、サブカルチャーの力は誰にも止めることはできない。今日は、そのパワーを十分に見せてもらって面白い一日となった。


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