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2010.03.21
ソカロ周辺、ディエゴ・リベラの壁画、ウォルマート
1年半ぶりのメキシコ・シティー。今回も目的は歯の治療だが、見どころの多いメキシコ・シティーだからそれだけに時間を費やすのはもったいない。ということで、今回の観光テーマを「壁画」として、初日の今日は宿から徒歩で行ける「ディエゴ・リベラ壁画館」を訪れることにした。
といっても壁画館のある地下鉄イダルゴ駅付近へは宿から徒歩10分とかからない。それではあまりに面白くないので、地下鉄でソカロまで移動してそこから徒歩でゆるゆると壁画館に戻るという散策コースにした。今日は日曜日ということもあり、ソカロに面したテンプロ・マイヨール(アステカの神殿跡)が入場無料という噂があって、もともと入場無料の国立宮殿と併せて観光する予定にした。
地下鉄のチケットは前線共通の一人3ペソ(21円)という安さ。窓口でチケットを買って改札でチケットを機械に入れるとバーが周って構内に入れるというしくみだが、中には無料で潜り抜ける人も少なくないようだ。ということで、地下鉄には手癖の悪い輩がうようよしている。5年前に初めてメキシコ・シティーに来た時に地下鉄で財布をすられているのでメキシコ・シティーの地下鉄に乗る時は異常にテンションがあがる。必要な小銭以外は何も身につけず、小銭の入ったポケットには手を入れて、車両の壁際に背をつけて立ち周囲を睨みつける作戦。全て敵といわんばかりの夫の形相はかなり笑えるのだが、これくらいで丁度いいのかもしれない。
無事にソカロに到着して地上にあがり、まず宮殿に向かおうとすると警察官のバリケードが出ていて近づけない。聞くと、今日は宮殿での公式行事があって一般観光客は入れないのだそうだ。「でもテンプロ・マイヨールなら入れる。しかも今日は無料だしね!」と警官も言ってくれて、そうだテンプロ・マイヨールに行こうと向かった。途中のカテドラルもちょっと見学。とっても親切な神父様が「隣のテンプロ・マイヨールに行くといいですよ、今日は無料ですしね!」と勧めてくれた。そうそう、私達はテンプロ・マイヨールに行くのだ。
ところが・・・・。
いざ到着してみると誰もが窓口でお金を支払っているようなのだ。いやいやいや、そんなはずはないと無料で通り過ぎようとしたら、案の定係員に「はいはい、先にチケットを買ってください」と止められた。「今日は無料なのでは?」と聞くのもはばかられる勢いだったので、結局そこで挫折。外側から見るだけで終了とした。
そこから民族舞踊ショーなどが行われるベジャス・アルテス宮殿まで歩き、ラテンアメリカ・タワーを横目にアラメダ公園を突っ切れば、ディエゴ・リベラ壁画館までは30分くらいの道のり。日曜日とあって、歩行者天国になった道路には散策する家族や何かのちょっとしたデモが出てかなりのにぎわいだった。
ソカロに面したメトロポリタン・カテドラル |
カテドラル前には様々な民芸品露天が立っていた |
外側から見たテンプロ・マイヨール、何のこっちゃわからん |
ベジャス・アルテス宮殿 |
噴水の多いアラメダ公園には屋台も多い |
絵画館手前の土産物屋の前のディスプレー。相変わらずキッチュだ |
さてテンプロ・マイヨールの無料入場で挫折した私達だが、何と今日は絵画館が入場無料だった。といってももともと100円くらいの入場料金だからそんなにお得なわけでもない。
入場料金が安いのは手前にちょっとした新鋭アーティストの展示があって奥に壁画が1枚だけという作品数の少なさ故だろうが、質の高いアート作品はなかなか面白く露天で出ているものとはレベルが違うことが明白だった。色遣いや形状などスペインの影響を感じる大胆で面白い作品がメキシコにはよく見られる。露天でもアーティスティックな作品が多く出ていて、すそ野が広いからこそ高い頂上も生まれてこようという感じがメキシコでは感じられる。
奥の広間には巨大な壁画が鎮座ましましている。メキシコの歴史上の有名人物を描いたこの壁画の前には、人物の名前を書いた注釈図が置いてあるのでガイドブックの歴史の項目と見比べるととても面白かった。
ということで、本日の観光は終了。一旦、宿に戻って近所のタコス屋でお昼ご飯済ませ、午後からは食料品などの買いだしにウォールマートまで歩いて行った。
カンクンを出てから今まで大型スーパーから遠のいていたので、メキシコ・シティーがやたらに都会に思える。ここのウォルマートでは肉加工メーカーが鶏の着ぐるみパフォーマーを出していたり、洗剤のスーパーガールがいてテーマパークかっちゅう具合になっていた。コスプレのプロモーターが多いメキシコだが、壁画館でアートしてきた目で見ると、こういう風潮もまた、新しいメキシカンアートを作り出しているのかもしれないと、神妙に考えてみたりもするのだった。
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