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2008.11.07
テピート地区潜入!
メキシコシティ市内にあるテピートTepito地区はガイドブックに犯罪率が高いので行かないようにしましょうと「逆推薦」されるような場所で、海外青年協力隊のメキシコ隊員は外務省から行くことを禁止されている地区で、日本人男性が拳銃やナイフで脅され、金品を奪われるケースが多発している場所だってことはテピートから帰ってきて知ったことである。
おー、怖っ!
でも行っちゃった。しかも3回も。というのも、バックパッカーの間ではテピートはDVDやCDを格安に買える場所として超有名だからだ。確かに「ゴミゴミしているのでスリに相当気をつけて!」というバックパッカー諸先輩からの忠告はあったが、そんなに怖い場所だってのは知らなかった。
地下鉄駅から降りて地上に上がってすぐ目の前からDVDをビラビラと店の前に展示している店が続いている。大きな道路沿いにずーっとそういうお店が続いているし左右に入る道もびっしりとそういう店が並んでいる。そんなに大規模に売っているのだとは思ってもいなかった私達は、あまりに開けっぴろげに堂々と販売されているのを見てびっくりしてしまった。アメリカ合衆国のすぐ隣の国だというのに・・・。ハリウッド映画でスペイン語字幕のついたDVD映画が一枚10ペソ(US$0.78)、メキシコ映画などスペイン語圏の映画などは5ペソで販売されている。圧倒的な数を占めているのはハリウッド映画だが、日本のアニメやディズニーアニメ、BBC放送の特別ドキュメンタリーやナショナルジオグラフィックなどもあってバラエティーに富んでいる。私達は宿に宿泊していた二人の旅行者から「クレヨンしんちゃん、大人帝国の逆襲」が泣けるとご推薦を頂いて探した。
「ティエネ・しんちゃん?」(しんちゃん、ある?)
こんなスペイン語が通じるのはテピートならではだろう。私が店の人にこう尋ねる度に夫は後ろで大うけしていた。残念ながら「しんちゃん」の時代はもう終わりつつあるようでテレビアニメのDVDがわずかにある程度。日本のアニメで人気なのはワンピース、ドラゴンボールらしい。お陰でメキシコシティにおける日本アニメの人気度を図らずもマーケティングしてしまうことになった。
こんな風にお気に入りのディスクを探しながら隣の地下鉄駅まで歩いていくと、途中から家電製品屋が多くなってくる。ここではDVDプレーヤーなんか販売している。テピートに来たらソフトもハードも手に入ってしまうから便利だ。オーストラリアで購入したDVDプレーヤーのリモコンがどこかにいってしまって探しにいった人がいた。で、見つかるんですねぇ、ここで。どんなプレーヤーにも対応しているらしく様々なボタンで何百種類も組み合わせが可能ってやつ。彼はうんざりしながら店の女の子と1つずつ試して100種類目くらいにプレーヤーが稼動する組み合わせを発見。抱き合って喜んだというほほえましいエピソードを話してくれた。
途中でアイスキャンディーなんか食べながら1時間くらいのテピート散策終了。映像DVDのみならずクラシック音楽CDも見つかった。マーラーの交響曲全部入りとかショパンのエチュード全部入りとかもの凄い数が一枚のCDに入って7ペソ。ふー、すごい。
因みにアイスキャンディーは私達のお気に入りのミチョアカンというチェーン店のもの。ミチョアカン州出身の店だからかどうかは知らないがメキシコの一つの州の名前の付いた店でやたらにお店がたくさんある。ここのアイスは果汁を絞ってそのまま固めた素朴さとジューシーさでとてもおいしいのだ。テピートに来る度にここでアイスを食べるのが慣わしのようになっていった。
ということで今回のテピート潜入は無事に終了。何事もなくって本当に良かった。でもなぁ、そんなに凶悪な場所には思えなかったんだけど。
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