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2008.11.03
高根先生と再会、歯の治療
今日は歯の治療の日。南米旅行の途中でわざわざメキシコ・シティにやってきたのは夫の歯の治療のためだった。ヨーロッパでのドライブ中、眠くならないようにチューインガムを噛みすぎたせいか過去に治療した虫歯の詰め物が取れてしまったのだった。
3年前に同じく虫歯の詰め物が取れた時にお世話になったメキシコ・シティの高根先生。今回もお世話になろうとエクアドルから電話で予約を入れて飛行機を手配してやってきたのだった。高根先生のオフィスは新しい場所「ワールドトレードセンター」に移っていて、エクアドルから電話で新しい場所を聞きだすのにスペイン語のできない私達は何度も電話して苦労した。しかもスペイン語圏では「ワールドトレードセンター」はローマ字読みで「ウォルトロイセンター」という発音になるからややこしい。ただ、この発音を知っていたお陰でメキシコ・シティの宿のメキシコ人の奥さんにはすぐに話が通じたのだった。で、事前にビルを訪ねて初めて「ワールドトレードセンター」だったのかと知ったのだった。やれやれ。
ワールドトレードセンターはメトロブスと呼ばれるバスのPolyfrumという駅の目の前。1階にSearsというデパートのある巨大ビジネスセンターだった。メトロブスに乗るには専用のプリペイドカードを購入する必要があるのだが宿の奥さんが貸してくれたので、私達は各駅にある料金チャージスタンドで必要な金額をプリペイドカードに入れるだけでよかった。メトロブスは一回乗車料金4.5ペソ(US$0.35)。安いと思うが通常の地下鉄が2ペソなので現地にいると高いと感じる。
ワールドトレードセンターの先生を訪ねるには身分証明書(パスポートなど顔写真付)を提示して入り口でビジターカードをもらって、セキュリティーのいる改札のような入り口を通ってエレベーターホールに入るというセキュリティーの高さ。先生の新しいオフィスは眼下にメキシコ・シティの町並みが広がる素敵な場所にあった。
前回のオフィスには泥棒が入ってこちらに移動してきたという先生は、セキュリティーを重視してここに入ったのだそうだ。引越しを機に以前使っていた治療台はボランティア治療を行っている場所に寄付して新しい物を購入。3年前と比べると最後に照射する機械もスマートになっていた。前回に比べると虫歯の根が浅かったせいか治療は30分で終了。
私達には1時間を割いていてくれたらしい先生は、残りの時間を使って新しい歯科治療について語ってくれた。素人にとって最も面白かったのは従来のレントゲンではなく頭蓋骨から丸ごと3Dで撮影してコンピュータにデータとして取り込む装置。これを使うとインプラントの支柱埋め込み位置や深さなど今まで医者の経験と勘に頼っていた部分がデータとして明らかになってから治療できるのだそうだ。他の歯医者で間違った位置にインプラントを何本も埋められてしまった患者さんの3Dデータを見せてもらった。なるほど、これでは顎の骨に近すぎて素人目にも失敗だとよくわかるのだった。
また、歯が抜けてから何年も経過したお年寄りに治療を施す場合に顎の骨が痩せてしまって歯だけ入れてもバランスが取れない場合がある。そんな患者さんに対して骨の素のようなセラミックを埋め込んで、その周囲に人工の骨を生成して顎を元の形にしてから歯科治療を行うという話も聞いた。
どうして素人の私達にもこんなに丁寧に解説してくださるのかと聞くと、先生は興味のある人にはどんどん説明したいし、自分が研究している事を人に話すのが楽しくてそれが次の研究へのモーチベーションにもなると仰るのだ。3年前にもブラッシュアップのためにヨーロッパへ数年間勉強をし直しに行っていたが、勉強にはますます熱が入っているようだ。今ではメキシコの各地の大学で新しい治療についての講義を行って、メキシコの歯科治療の底上げにも尽力されているのだそうだ。
3Dの画面 |
3Dの画面。正しい支柱の位置がミリ単位で表示される。 |
骨の素になるセラミック |
セラミックの周囲に注入して骨を生成する |
まぁ、聞けば聞くほど頭の下がる先生だ。メキシコは相変わらず治療材料に関税がかからないので治療費も安くすむ。再び何かあった時、またこの先生に戻ってきたいものだ。
高根先生のオフィス住所
Worldtrade centre 38F 7番
電話番号:+52-55-90005314
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