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2008.10.25
イザベラ島からサンタクスル島、そしてサンクリストバル島へ移動
エクアドール:サンクリストバル島

 イザベラ島からガラパゴス諸島3つめの島となるサンクリストバル島へ移動したいのだが、それには一度、2島の間にあるサンタクルス島に行かなくてはならない。地理的に西からイザベラ、サンタクスル、サンクリストバルと3島が東に向かって並んでいて、スピードボートはそれぞれイザベラとサンタクスル、サンタクスルとサンクリストバルの間でしか運行されていないからだ。

 朝6時にイザベラ島を出るスピードボートに乗れば、午後2時発のサンクリストバル島行きのスピードボートに乗り継ぐこともでき、実際そうやって1日でサンクリストバルまで移動する旅行者も少なくない。しかーし。しかしだ。あんな激しい揺れのスピードボートを乗り継ぐ勇気と気力が私たちにあるのだろうか。答えは「ない」。「全くない」。ということで、私たちは25日はサンタクスル島で一泊して翌日の午後にサンクリストバル島に向かう事にしたのだった。

 イザベラ島からサンタクスル島へのスピードボートは港を朝6時に出る。来るときには港から徒歩で来たが夜明け前に15分港に徒歩で向かうのも面倒くさかったのでタクシーで港まで行くことにした。タクシーは宿のご主人に依頼。5時半にタクシーを依頼したのだがなかなか来ない。宿の主人も心配になって夜明け前なのに起き出して様子を見てくれたりした。タクシーといってもピックアップトラックの座席に他の島の住人と乗り合いで港に向かった。料金は一人US$1だった。

宿のご主人と。最後まで面倒みのよい優しい人。

タクシーといってもピックアップトラック。

 明けてきた港ではあざらしがお見送り。可愛いねぇなんていっていたが人間は可愛くない。イザベラ島を出るに当たって島の使用料金一人US$5を支払えというのだ。ガラパゴス諸島に入った時に一人US$100支払ったのに更にここで料金を支払わされるという事に対してどの旅行者も半ば呆れ顔になるのだった。来るときに利用したボートは屋根から後部にビニールシートがかかって係員のサービスもすこぶる良かった。あのボートがいいなぁと思っていたのだが、今回のボートはビニールカバーはないわ、途中で後部座席の椅子が崩れ落ちるわでさんざんだった。しかも波目が逆向きのせいかやたらに波にぶつかって跳ね上がる。とうとう一人のエクアドル人女性が具合悪くなってしまった。私は強烈なエクアドルの酔い止め薬のお陰でちっとも酔わなかったが、横向きのベンチの隣にある物入れにガツガツと腕があたり2時間半の航海で腕に青あざができてしまった。

あざらし君のお見送り。

こんなにたくさんの人を使っているから金がかかるのでは?

ビニールもかけようのないボート。見るなり乗客一同から
ため息が漏れた。

壊れた椅子からはがしたクッションであらたに作った椅子に
座りひたすら揺れに耐える乗客。手前に見えている白い入れ物が
私の腕にあざを作ったプラスチック容器。

 そうそう、今これを書いているのはアルゼンチンのエル・カラファテという町の宿でなのだが、この写真の真ん中に写っている村田さんが今目の前にいる。気分の悪くなったエクアドル人女性に後部座席を譲ったりして、一生懸命に気を使ってくれた人だ。

 「いやー、あのボートは最悪でしたねぇ」と思い出話が盛り上がる。ひどい体験はいつでもネタになるという旅の鉄則はここでも生きていると思えば、このボート体験も悪くない。

 来るときが2時間15分で今回は2時間半なので時間的には悪くない航海だった。後から別のボートに乗ったイタリア人に聞いたら4時間もかかったということだ。バッタンバッタンと波を乗り越えながら私たちのボートはスピードにかけていたようだった。

 そして翌25日の午後2時。今回のボートは今までの中では一番ゴージャスだった。優雅な船内だし乗客の数もそんなに多くない。しかしボートは素敵だったのだが時間がやたらかかった。午後2時に出てサンクリストバル島に到着したのは午後5時50分。約4時間もかかった。今回の乗客には年配のイスラエル人や仕事で移動しているエクアドル人ビジネスマンもいて、「もっと急げ」「こんなに時間がかかるなんておかしい」と乗務員に散々クレームをつけていたのだが、乗務員としてはいつもこんなものだというように受け流していた。こんな大人たちがクレームしてもどうにもならないのだがらどうしようもないようだ。
 あともう少しでサンクリストバル島に到着するという時になって、私はどうしてもトイレに行きたくなったので乗務員に言ってみた。以前ボリビアのラ・パスで市内観光ツアーに参加した時は「我慢しろ」の一点張りで気が遠くなる思いをした。今回も無理かもしれないと暗澹たる気持ちで申し出たのだが、何と乗務員はサンクリストバルに無線で連絡を取って船のエンジンを止め、船内のトイレを使わせてくれたのだった。島では船の動向に注目しているようで連絡なしにエンジンを止めると事故とみなされるようなシステムになっていることもわかり、エクアドルは少なくともボリビアよりはずっとましだなぁと思う。

 さて、3回の航海の料金は全て同じ一人US$30。イザベラ島とサンタクルス島の間は帰りのボートが暴走ボートだったので時間比較の参考にならないが、概して西から東に向かうよりも東から西に向かう方が穏やかに短時間で移動できるのではないかと思う。だから最初にエクアドル本土からサンクリストバル島に飛行機で入り、その後サンタクルス、イザベラに移動して最後にサンタクスルから本土に戻る飛行機に乗るというのが良い動き方なのではないだろうか。

 いずれにせよ、どの会社を選ぼうとボートは「運」だという結論。皆さんの幸運を祈ります。


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