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2008.10.17 Vol.2
ラス・グリエタス Las Grietas〜サンタクルス島
今日はサンタクルスで遊べる最終日。他の旅行者から聞いた見所で残す最後の一箇所、ラス・グリエタスに行ってみよう。岩と岩の壁に挟まれた入り江でシュノーケリングが楽しめる場所だという情報だった。シュノーケリングなんだけど道中が歩きにくいので行くまではスニーカーで行った方がいいというアドヴァイスだった。
ラス・グリエタスへは町の中心部の港からボートタクシーで右側対岸に渡る。事前の情報ではボートタクシー代金は他の人と相乗りで一人US$1と聞いていたが、実際には一人US$0.6とボート内に書かれていてその通りだった。
ボートタクシー乗り場なんてものはない。ツアー客が集まっている港の右端に行って「ラス・グリエタスに行きたいんだけどなぁ」と声に出して周囲に言ってみると、誰かしらがボートタクシーを呼んでくれるというシステム(?)らしい。ボートタクシーはちょっと離れた海の上や対岸に漂っていて、地元の人が大声で呼ぶと寄ってきてくれるのだった。
タクシーに乗り込んで「ラス・グリエタスに行きたい」というと対岸に行って降ろしてくれる。乗り合いタクシーなので船は他の客を乗せて更にどこかへと走り去っていった。
降ろされた場所からすぐの所にラス・グレイタスへのトレイルの説明地図があった。ええっとーぉー、こんな地図で行けるのだろうか?という疑問がすぐに頭に浮かぶのだが、行ける。
というのも行く先々に「ラス・グレイタス」と書かれた矢印がそこはかとなく野原の中に、民家の隅に立っているからだ。途中「アレマン・ビーチ」つまり「ドイツ人ビーチ」という名前のビーチを通ることになっていたので期待していたのだが、超引き潮になっていたビーチにはハエのたかったワカメが散在するばかりで思い描いていたような気持ちのいいビーチではなかったのが残念。
ビーチを過ぎると左右に道がわかれてちょっとわかりにくいのだが、地元の人が右手に行けと教えてくれてそこからは一本道だった。
道中には鮮やかで形の変わった花をつけたマメ科のような植物や樹木にまで発達した巨大なサボテンありで、「生」なガラパゴスを楽しめる。傍らに「塩湖」と解説された赤茶色い沼を通り過ぎる辺りから溶岩がゴロゴロする歩きにくい道になる。
こうしてボートを降りてから20分ほど歩いているとラス・グリエタスという看板にぶつかる。最後は岩石をすこしよじ登って到着だ。
ラス・グリエタスに到着する相当前から岩壁に反響する子供たちの声、それに引き続いて「ドッブーン!」と飛び込む水音がよく聞こえていたので看板を見るより先に私たちはその存在が近いことがわかっていた。
岩をよじ登ると両脇に岩壁、眼下にエメラルドグリーンの美しい細い入り江が続く景色が開けた。今日は天気もいい。学校の課外授業が行われているようで、勇気のある男の子は岩の上から海に飛び込んだり、シュノーケリングが始めての女の子は先生にマスクとチューブの指導を受けて先生に手を引いてもらって恐る恐る水中に泳ぎだしたりしている。ガラパゴスというとどの子も河童のようにスイスイと泳げるのかと思っていたので意外な光景が面白く、そんなのを見物しているだけで時間がどんどん過ぎていくのだった。
今日は日差しも出ていて暑い。私たちも水に入ってみよう!
光の具合で午前中は日があまりささないので暗く見えたのだが、水面に近づくとその水の色の美しさにあっと驚いた。足をつけてみるととても冷たいが一度水に入ってしまえば、そうそう気にならない。持ってきたシュノーケリングマスクをつけてまっすぐに泳いで見ると、水に入った岩からすぐ下がぐーっと低くなって10mくらいはあるだろうか。エメラルドグリーンの水の堆積の下に海底が見えていた。今日は人が多いし、特に子供たちが飛び込みを盛んに行っているせいか水中は細かいチリが舞っていて透明度がいいとはいえないが、先に行くに従って岩陰に小さな魚もちらちらと見られた。
ここは細長いプールのようになっていて、プールの反対側の端は岩が積み重なっている。とはいえ、海水は積み重なった岩の下から入り込んでいるのでマスク越しに水中下を見ると海中で岩をくぐればもっと先に行けそうな感じだった。素もぐりできないし、そんなアドベンチャーも求めていない私たちはもちろん行かないが、子供だったらいつかは行ってみたいと冒険心をくすぐられる場所だ。
一度休憩して2度ほど入っているうちに、午前11時に子供たちが水から上がって持参のお弁当タイム。加えて屈強な白人大人軍団が大挙してきて狭いラス・グリエタスはたちまち人でいっぱいになってしまった。ということで、これを潮時に私たちは退散。もしかして午後になった方が日の光が入って美しい景色になるかもしれないが、今日は曇ってきているしそれも望めないようだったので、もう未練はなかった。
同じ道を通って帰る。溶岩が固まった瓦礫の道でサボテンも生えているのに両脇は沼のような湿地。乾いているような湿っているような不思議な光景の道を歩いて塩の沼前のカフェで一息。やたらに陽気なエクアドル人団体ツアー客が通り過ぎて、一人ひとりが挨拶してくれる。最初は良かったがあまりに人数が多いので、途中で通りかかったガイドさんらしき人に「一体何人の団体ですか?」と尋ねると45人とか言っていた。エクアドル人ツアーは外国人のクルーズツアーではなく、どちらかというと私たちが行っている観光に近い事を行っているようだ。
水がなかったアレマンビーチは、あいかわらずマングローブがニョキニョキと根っこを見せていたが朝よりは水辺が近づいてきていた。ここはやっぱり午後から来たらもう少し違った風景が見られて面白かったかもしれないなぁ。
それにしてもラス・グリエタスはなかなか魅力的。行っておいてよかった場所の一つになった。
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