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2008.10.15 Vol.2
魚市場付近〜サンタクルス島
エクアドール:サンタクルス島

 サンタクルス島で侮れない動物観察スポット、それは魚市場付近だ。町中にある魚市場は市場というにはあまりに小さな規模の場所だ。漁師さんが船を停泊させる小さな入り江に面してL字型の石のテーブルがあるだけの市場なのだが、ここに魚があがってくるのを首を長くして待つペリカンやアシカの姿が見られる。

○10月15日 朝9時半過ぎ
 鮮やかな水色の漁船が停泊している入り江には、すでにオコボレを待つペリカンが水に浮かんでいた。近づいていくと周辺の木々の枝にもとまっている。市場に到着するとすでに立派なマグロが頭をおとされて台の上にあがっていて、お客さんの注文に応じて尻尾や骨が切り落とされるのを今か今かと待っている大量のペリカンの姿を目撃した。

 漁師さんがまぐろを手にするや、ペリカン全員の視線がまぐろに集中。漁師さんの手の動きに応じて一斉にペリカンが同じ方向を向くから面白い。

 ここでは何度もまぐろの水揚げを目撃して、私たちは数日後にとうとう買ってみることにした。小さめの1本の4分の1身を部分買い。骨や尻尾も含めて1kgでUS$4だった。醤油は港の船着場に近いスーパーでキッコーマンUS$2.5で購入し、普段は解放されていない宿のキッチンをオーナーに頼んで貸してもらって刺身にしたのだった。身は薄いピンク色で脂分が少なくてとても淡白な味わいだが、冷凍されていない旨さが満喫できた。

○10月15日 正午過ぎ
 ダーウィン研究所の帰りに再び魚市場を通りかかると、まだペリカンがねばっていた。たまらなくなった一羽が売り物の魚本体に首を伸ばして漁師のおっさんにこっぴどく叱られた。現地のお客さんの隣でアラ待ちしているのはアシカ。他の動物よりも体が大きいから有利。首をぐぐーっと伸ばして「お願いしますよー」と懇願する姿は私たち観光客には可愛らしく映っても、漁師さんには気を許せない敵だ。たまりかねて魚をさばいている漁師さんの手元にぐーっと頭を寄せると、包丁をガーンと石のテーブルに打ち付けて「来るなー!」と叱られていた。テーブルには他にも立派なロブスターがあがっている。ああ、キッチンがあったら楽しいのになぁ。

○10月17日 午後1時頃
 魚もはけて市場が閑散としている時間帯には動物もあまりいなかった。ただしペリカンはここに常駐しているようで日向ぼっこを楽しんでいる。あんなに大きなペリカンが首と頭を本体に収納すると抱えられるくらいに小さくまとまっている姿が面白い。今日はひざしが強い。海の中では船の陰にアシカが居眠りしながら漂っている。波で船がふいーっと動くと影が移動してとたんに日が当たる。すると慌てて再び船影に移動するのだ。「あー、退屈だぁ」と言わんばかりに向きを変えてゴロゴロと寛いでいた。

○10月24日 午後1時40分
 この日はこの時間にもかかわらず魚の水揚げがあったようで、石のテーブルの上には様々な魚がのっかっていた。今日これを狙っているメンバーはいつものペリカンに加えてグンカンドリ。オスの喉元が赤い袋状になっていてメスを招くためにこの袋を赤い風船のように膨らませることで有名な鳥だ。私たちは膨らませた姿は見られなかったが、ここで多数のオスグンカンドリが餌をペリカンと取り合う姿を見ることができた。間近で見るグンカンドリはペリカンにも負けないサイズの大きな鳥で地上に降りることなく空から餌を狙う彼らと、地上ベースのペリカンの戦いは迫力があった。

 その側でヒッソリとおとなしく餌を狙う中型の鳥。見ればアオアシカツオドリじゃないか。3種の中では一番表情が可愛らしく好感が持てる奴だ。水色のペンキを塗ったような人工的な足がとても印象的だった。

 通る度に様々な動物を見せてくれた魚市場は通うに値するスポットだ。


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