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2008.10.15 Vol.1
ダーウィン研究所〜サンタクルス島
サンタクルス島で一番の見所といったらダーウィン研究所。ここにはバックパッカーから高級クルーズツアーのお客さんまで誰もが行くことになっている。
ということで私たちも観光の第一番目にダーウィン研究所を持ってきた。道中の魚市場周辺の様子は別のスケッチでまとめるとして、ダーウィン研究所に到着してからの写真スナップで紹介したい。
島の中心地をはずれると道は未舗装となり研究所へと向かう。研究所への入場は無料。管理小屋を通り過ぎて敷地内入ると中は車も通れない赤土がむき出しになった通路の脇に、大きなサボテンがそびえるような道になる。道はいくつかに分岐しながら一番奥のゾウガメのコーナーへと私たちを誘うようになっていた。案外広い敷地で、途中にガラパゴス諸島についてパネルで説明した小さな博物館があったり、飲み物やスナックが買える売店があったりする。
売店でコーラを買って喉を潤そうとベンチに腰掛けていると、足元に顔だけが真っ赤なとかげや、色鮮やかなバッタが歩いている。ふと見るとダーウィンがそのクチバシの多様性から進化論のヒントを得たとされる(真偽はわからないが)フィンチという鳥が可愛らしく小首をかしげていた。
フィンチが可愛らしく振舞っているのはもちろん私たちから餌をもらいたいからであって、無駄に愛嬌を振りまいているわけではなかった。何もあげない私たちに愛想を尽かしたフィンチはやがて去っていってしまった。
ここから数分歩くといよいよゾウガメのエリアだ。とにかく大きい。大人がまたがって竜宮城に行けそうな大きさだった。ここのエリアには誰でも入っていけてしまうのも他ではなかなかあり得ないことじゃないだろうか。
通常の動物園などでは、柵囲いの中に人が入れることはないだろうが、ここでは本当に目の前まで近づくことができる。カメ達は意外にも活発で石に甲羅をすりつけながら、ゴリゴリ、ゴリゴリと音をさせて盛んに動き回っていた。とはいえ動きは遅い。しかも勢い込んで歩いた石の山から足を踏み外して転びそうになったりして、かなりトロくさい感じなのだ。こんな動物が人間よりも長い寿命を生き延びているということが、私にとっては不思議な気がした。
朝10時半のこのエリアに来ているのは自由旅行の人ばかりのようで、時間の制約がなくじーっと長くカメを観察している人が多かった。本当に近くで顔まで観察できるのでなかなか見飽きることがない。
私たちはサンタクルス島の後にイザベラ島にスピードボートで渡って数日間滞在し、再びサンタクルス島に戻ってきた。10月24日にダーウィン研究所を訪れたのは昼の12時半頃だったのだが、その時間はゾウガメのお食事時間になっていて、旺盛な食欲の彼らを見ることができた。
ひとしきりムシャムシャと食べると顔をあげて辺りを見回すのだが、顔が怖い。表情ってものが感じられない。でも、たぶん満足しているんだろうなぁ。
このエリアとは別に柵で囲われて人が入れないエリアに有名なロンサム・ジョージという名前のカメがいる。Wikipediaによると「ロンサム・ジョージ(英Lonesome George)はガラパゴス諸島、ピンタ島に生息するガラパゴスゾウガメの亜種(独立種とする説もあり)ピンタゾウガメ(Geochelone nigra abingdoni)の最後の生き残りの1頭の愛称。」と解説されている。ペアリングを試みられているが、高齢のためかあまり興味を示さずに最後の1頭になるかもしれないと言われているゾウガメなのだそうだ。
私たちが訪れた時は森林の向こうにいて近くで見ることができなかったが、他のメス2頭と一緒に居る大きなカメが彼だと思われた。
各島のリクガメの飼育場では3年くらいのカメたちが盛んに餌の草を食べている。手のひらに乗りそうな大きさなのだが、やがて先ほどのような人間が乗れるくらいの大きさにまで成長するという事を知るのは驚きだ。確かにかつてコスタリカのトルトゥゲーロで見た海ガメの産卵でも卵はゴルフボールくらいの大きさだったから、カメというのは物凄い勢いで大きくなる生物らしい。
お次は陸イグアナのコーナー。海イグアナはサンタクルス島の町の中心部沿い沿岸でもすぐに見ることができたが、私たちのように自由行動のみでガラパゴスを訪れる観光客にとって陸イグアナは唯一ここでしか出会えない。クルーズに参加する人は自然に生息する陸イグアナを見に行くツアーも含まれているらしい。ボテッと地面に腹ばいになっているイグアナは、恐竜のような獰猛な顔立ちをしているが手足がだぶついた着ぐるみのようで可愛いといえなくもない。私の知人に爬虫類好きがいて、今までは全く理解できなかったが陸イグアナを見て少し彼女の気持ちがわかったような気がした。
ここには2種類の陸イグアナが別々に囲われている。頭の上のボツボツの感じが違うようなのだが、違いを見分けるのはちょっと難しい。2度目に訪れた時(10月24日)は別々にされている2種のイグアナは互いを隔てる金網越しに近づいて威嚇しあっていた。といっても、説明を読むまではそれが威嚇とはわからなかった。彼らの威嚇方法はにらみ合って無言ですばやく「うなずき」を繰り返すという方法だからだ。うなずきあってお互いに理解を深めているのかと思っていたら喧嘩しているらしい。
ダーウィン研究所で見られる面々はこんな感じ。帰りは沿岸沿いの道を通って町まで戻ると途中にLa
Estacionという小さな白い砂浜のビーチがある。
溶岩が固まった黒い岩の塊が他の南国の海とは一味違うガラパゴスらしさを出していた。黒い岩があると風景がピリッと引き締まってかっこいい。この2日後(10/17)にシュノーケリングのマスクとチューブを借りて、少しシュノーケリングしてみると小さな魚が数種類見られた。水は南から流れてくるフンボルト海流のお陰で赤道直下にもかかわらず恐ろしく冷たい。天気がいい日とはいえ30分も海の中に入っていると、体が芯から冷えてくるのだった。
因みにサンタクルス島で借りたシュノーケリングのマスクとチューブは宿Hotel
Darwinの入り口右手にある商店で1日US$3だった。あんな商店といったら失礼だが、ちょっとしたコーラなどの飲み物や歯磨き粉くらいだけ置いている店にしては、新しくて性能のいいシュノーケリングギアだった。おっさんはポイントを押さえている。
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