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2008.10.30
旧市街観光は晴れを狙って行くべし!
ガラパゴス諸島から帰って来た日の空港は曇り空。あー、やっぱり雨季なのね。と心も一気に暗くなる思いがしていたのに、明けて30日は素敵に晴れ上がった。前回のキト滞在で旧市街を在住の日本人女性に案内してもらった時は途中から雨が降る天候。今日、リベンジということで再度旧市街を訪れることにした。私達が滞在している新市街からは路面バスにのって大統領府近くのバス停で降りる所から観光を始めるのが便利だと、前回知り合いの女性から教えてもらったので、今回もそこから始める。
全く天気がいいとまるで違う町に見えるから不思議だ。いわゆるコロニアル調の白い壁の建物が2800mを越える高地の青空に映えて美しいこと。前回は陰惨な曇り空の下でただ貧乏くさい南米の町の1つにしか見えなかったというのに、何という変わりようだろう。
天気は良くなかったが前回は在住日本人という強力な案内人がいたので、ガイドブックには紹介されていない隠れた観光スポット「大統領府の見学」をすることができた。午前11時くらいから始まる大統領府の見学は無料だが人数制限がある。朝10時半に大統領府向かって左側の壁際に行くと、既に列が出来始めていた。待つこと15分。係員が人数を数え始めて11時からの見学に入れる人を確定。私達も何とか11時の部に入ることができた。次の係員が全員の身分証明書を集め始めた。
ここで事件発生。
身内2人ばかりを残してアイスクリームを食べに行っていたエクアドル人家族が列に5人くらいどどどーっと戻ってきたのだ。係員は既に人数を数えてしまったので、彼らが入ると最後尾の5人が削られることになる。これに対して最後尾の人々からブーイングがあがり、並んでいない者は入る権利がないとか、今回は5人増加して入れろとか係員にくってかかっているようなのだ。幸いにも私達は5人増えても大丈夫な位置にいたので高見の見物だったが最後尾の人の気持ちはよくわかる。それでもって処理が曖昧なまま7人、8人のこの家族に身分証明書の提示を求めた所3名が不所持だということがわかった。今度は不所持の3名がごねる、ごねる。外国からの観光客も見守る中、不所持の3名は入れず、最後尾の5人を入れるということで決着がついたのだった。
最初の関門を突破した11時からの見学組は衛兵の立つ建物の中に入る。すぐにパスポートと本人確認を行ってパスポートの返却、及び回り扉からやっと入場ということになる。何といっても大統領府なんだから警備は大切だよね。ところが、今度は別のエクアドル人家族の身分証明書偽造が発覚。偽造といってもお父さんの複数の身分証明書で家族全員が入ろうとしたのがバレたのだった。やれやれ。どうしてそーゆーことするのかねぇ。この家族もこの時点で排除された。さすが大統領府。こうしてようやく中に入ることになったのだった。
この話にはおまけがあって、大統領府を見学して回っていたら不所持の3人及び偽造の家族がちゃっかり中に入っているのを発見。結局、外国人もいる手前、規則に反した国民を排斥する振りをして後でこっそり入れているのだった。裏金が働いているとも思えない。大統領府なのにそんな甘いことでいいのか?とも思ったがエクアドルがそれだけのんびりして平和という裏返しなのかもしれない。それにしても一事が万事この調子だと、この国でビジネスを行う外国人はかなり苦労しているんだろうなぁとも思われた。
さて官邸中庭に入ると、まずは官邸をバックにポラロイド撮影をしてくれる。「ようこそ官邸へ」と記念のお土産に一組ずつ一枚記念写真をくれるのだそうだ。その後グループに一人の広報係がついてガイドしながら館内を案内してくれるのだ。私達についた女性は聡明そうな英語もペラペラの若い人で、まずはエクアドルの国民的画家グアヤサミンによる壁画の説明から各会議室、そして各国から官邸に贈られた宝物の説明を行ってくれた。私達にとっては単なる会議室でも、エクアドル国民には日々のニュースで報道される超有名な会議室もあり、「この会議室はテレビでよく放映されているあの会議室ですか?」という質問に広報係がそうだと答えると「ほーっ」と感嘆の声があがっていた。
この会議室の天井近くの壁には歴代の大統領の肖像がが飾られている。近年、大汚職問題で更迭された大統領の肖像画はあるのか?という質問に対して、その人の肖像画は取り外されたという回答があり、エクアドル人ツアー参加者は一同「そうだろう、そうだろう」と大きくうなずいた。彼らにとってはメディアでしか知ることのなかった政治の世界を実際に見ているという興奮が生まれているようだった。
各国からの贈り物は国ごとにショーケースがあって私達レベルにも見せてもいいようなお土産物が飾られている。私が気に入ったのは中南米のどこの国か忘れちゃったけど美しい鳥の羽でできた王冠。これが気に入った。
他にもロシアからマトリョーシカ、アラブ首長国連邦からはアラブの時間がメインの時計、中国からは北京オリンピックの体育館をキンキラキン(金メッキか?)に作ったレプリカなどお国柄あふれる贈り物という観点で見るとなかなか面白かった。
見学は全部で40分くらいで終了。最初に撮影したポラロイド写真を受け取って終了だ。
というわけで前回の旧市街訪問はこれがメインイベントだった。今回は大統領官邸訪問はせずに先に進む。官邸の右手の道を入って行くと、内部が全て金箔で覆われていることで有名な教会を右手に見てから、南米最古とされるサン・フランシスコ修道院のある美しい広場へと歩く。旧市街のハイライトはこの辺りとされているようだ。
私達の旧市街への散策目的は観光だけではなかった。カップの中の水を沸騰させるための電熱コイルが壊れてしまって、新しいものを探すという目的もあった。修道院広場に面した角にあるスクレという日本人バックパッカー御用達の宿から右の坂を上がっていく途中左手の店にあったという目撃情報をもらっていて、その通りに歩いていくと一軒の間口2mにも満たない店で見つかったのだった。エクアドルの電圧は100V。他の中南米やヨーロッパは220〜240Vなのでせっかく見つかっても使えないのだが、少なくともエクアドル、日本でも使えるので買っておくことにした。
旦那としては今日一番嬉しかったのはこのコイルに違いない。何しろずーーーっと探していたのだから。これでエクアドルでも手持ちのコーヒーが飲めると大喜びだった。
前回知り合いに連れて行ってもらった町外れの小高い丘の上にある教会からのながめは、観光で有名なパネシージョの丘からの眺めよりも風情があるそうだ。前回は天気が悪くてながめどころではなかったが、今日はよく見られそう。と思って向かっていたら丁度昼時。坂の途中にある前回も訪れたシーフードレストランに入ってがっつりとシーフードミックスライスを食べたら、もう満足して教会行きはとりやめにする気分になってしまった。ま、いつもそんなものです。
ってなわけでユネスコの世界遺産にも登録されているキトの旧市街。晴れを狙って行くべしという教訓でした。
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