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2010.08.28
ヴェネツィア観光(6)
8月最後の日曜日、ヴェネツィアの南東にある高級リゾート地のリド島に行ってきた。
バスターミナルのあるローマ広場からいつも2番のヴァポレットに乗っていたのだがリドが終点だったとは今日まで気付かなかった。今日も快晴。日曜日のせいか普段見ないような人も大運河に繰り出していて相変わらず朝からにぎやかなグラン・カナルだった。
何だろう、競技会の練習?趣味? |
ゴンドラのこんな近くを通るのも珍しい |
今日はサン・マルコ広場を背に、更に進む |
リド島のビーチに向かうメインストリート |
ヴァポレットのリド駅からまっすぐに島を横切る並木道を抜けて対岸に行くと、そこはパブリックビーチになっていた。並木道は車も走る全く普通の道路で久しぶりに「島」ではなく「陸(おか)」を観光している気分になった。並んでいる店も洒落た作りがちらほらと見られ、既に高級な町というイメージも出し始めている。パブリックビーチは入場無料で、有料でパラソルとビーチベッドが借りられるが自前の物を使っている人が多かった。リド島のビーチで自前のパラソルを使うというのは、ここに住んでいるとか長期滞在で車で来ているということだろか。いずれにせよ数日でバタバタと観光して国に帰る観光客が多い本島とは違った空気が流れていた。
ショップのウィンドーを飾っていた可愛い写真。 |
ヴェネツィアと共に生きてきたって感じの老婦人2人 |
洒落たお店も時々見えるメインストリート |
パブリックビーチの入り口。 |
リドの島は幅1kmくらいしかないのに12kmと細長い。私達がたどりついたパブリックビーチは北から2kmくらいの位置にある。左右にとにかくただただビーチが広がっているという風景だった。海は想像通り美しくはないが日本の東京近海くらいなので入っている人はたくさんいた。島の北端に向かって歩いて行く人がたくさんいたので、何かあるのかもしれないと2kmくらい歩いて見ると、島の北端から細長い堤防が更に3kmくらい突き出ていて先に灯台が見える。ああああ、あれか。はぁぁぁ。皆単なる散歩っだったのだ。まぁ、ヨーロッパではよくあることで、浜辺を延々とおしゃべりしながら歩いている人が非常に多いのだ。その先に何があるわけでもなく純粋に浜辺を散歩している。ここもそうだったのだ。
灯台まで歩くのはやめにして、灯台に続く防波堤のような場所でサンドイッチランチ。目の前を通り過ぎるイタリア人は一様に日焼けして黒い。
「バカンス時期明けに色白なんて、どこにも行かなかったと思われるじゃない」
とでも言うように老いも若きも真黒に焼いているのがアジアの女性とは事情が異なっていて面白かった。
リド島はヴィスコンティの映画「ヴェニスに死す」の舞台にもなった場所だ。今歩いてきた北方面ではなく、南方面に行くと高級リゾートホテルのプライベートビーチが立ち並んでいて、恐らくそういう場所が舞台になっているのだろう。そこには立ち入れないとしても、水際からだいぶ奥に入った場所に日よけのついたビーチチェアーが置いてあるパブリックビーチも映画を彷彿とさせる光景で、あらためて映画をもう一度見たくなった。
リド島はこのくらいにして、ヴァポレットでサン・マルコ広場まで戻ってアカデミア橋まで散策してみよう。サン・マルコ広場のドゥカーレ宮殿、サン・マルコ寺院の壮麗な姿を見ながら通り過ぎ、有名カフェ、フローリアンが屋外にテーブル席を設けてお客様に向けてクラシック音楽の演奏会を開いているのをちょっと立ち止まって聞き、アカデミア橋に行く小路の途中にあるヴェネツィアを代表するガラスの老舗パウリーのウィンドーを見学。少し歩いているだけで、優雅な気分になる界隈だ。
サン・マルコ広場からアカデミア橋までは小さい橋をいくつも渡る。運河にはゴンドラが数多く見られ、リアルト橋につながるメインストリートは観光客でちょっとした渋滞が起こるほど混雑している。昨日ムラーノ島に行ったせいもあって、今まであまり気にしていなかったヴェネツィアングラスのショーウィンドーも気になり始めた。
歩けば歩くほどに色々な発見があってヴェネツィアが魅力的に見えてくる。最初に来た時は、「もう4回目だから、あまり面白く感じないかもしれない」などと思っていたがとんだ思いあがりだった。一体私はヴェネツィアの何を見ていたのだろうかというくらい、発見と喜びがあった。
7日間定期券を買ったので明日が観光最終日。さて、明日はどこに行こうか?
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