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2010.08.24
ヴェネツィア観光(1)
イタリア:ヴェネツィア

 イタリアハイライトの都市の1つヴェネツィアにやってきた。ヴェネツィアを訪れるのはこれで4度めかぁ。最初に来たのは学生の時の卒業旅行で2月。2度めも確か冬。最後に来たのは10年以上前でその時も1月。夏のヴェネツィアに来たのは今回が初めて。嬉しい!

 キャンプ場からヴェネツィア駅前広場までバス、そこから徒歩あるいはヴァポレットと呼ばれる水上バスで各見所を回ることになるのだが、バスもヴァポレットも1回券が2ユーロとちょっと高い。私達の場合は行きと帰りにバスとヴァポレットを使うとそれだけで8ユーロ、もっと乗るとそれだけ費用がかかるということになるので、7日間券50ユーロがお得だろうとキャンプ場の受付で買い求めた。

 キャンプ場からバスは橋を渡ってヴェネツィア駅裏手のバスターミナルまで約20分で到着した。もっと離れているかと思ったら意外に近い。

 初日の今日はメインのサン・マルコ寺院周辺から始めて、できるかぎり観光しようという計画なので、まずは早速ヴァポレットを使ってサン・マルコ広場まで行くことにした。バスターミナルから一番近い駅は鉄道駅に近い乗り場の1つ手前のローマ広場駅になる。ヴァポレットは右回りと左回り、サン・マルコ広場まで行くには急行と各駅があるのでちょっと注意が必要だった。

 クネクネトS字を描いて進むヴァポレットからは朝日を浴びて右に左に素敵なパラッツォがいくつも見られた。手元のガイドブックには名前が掲載されていないパラッツォでも可愛らしいものが多い。

鉄道ヴェネツィア駅前のサンタ・ルチア駅

現在はカジノになっている

カ・ドーロ(現在はフランケッティ美術館)

朝日を浴びるゴンドラ

パパポードリ宮

サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会

 急行に乗ってもサン・マルコ広場までは35分かかった。キャンプ場からヴェネツィアに到着するよりも時間がかかっている。ヴァポレット自体が遊覧観光の意味合いがあるからゆったりとクルーズを楽しみながら行くのが目的でもあるのだが、私には1つ問題があった。

 そう、トイレに行きたくなったのだ。夏とはいえ9月近い北イタリアの朝の気温は既に夏とは言えない温度になっていた。しかも、久しぶりのヴェネツィアに興奮して風のあたる場所で次々と写真を撮影していたものだから、知らないうちに体が冷え切ってしまっていたのだった。

 サン・マルコ広場に到着して、トイレ、トイレと探すと有料トイレが見つかったのだが何と1回の使用料金が1.5ユーロ。がびーん。トイレにこんな高額を支払ったのは生れて初めてだった。ヴェネツィアは観光地値段で何でも高いが、公衆トイレ、お前もか・・・。トイレの近い私としてはこの先の観光がどうなるのだろうかとお先真っ暗な気分になったのだが、実際にはお金を払って美術館に入ればトイレはあるし、バールにお願いすると飲み物を買わなくても使わせてくれるポイントをいくつか見つけることができて、有料公衆トイレを利用したのはこの7日間後にも先にもこの初日の朝だけとなった(もちろんお客以外お断りというバールもあった)。

 サン・マルコ広場には朝というのに驚くほどの観光客がいた。特にサン・マルコ寺院への入場のための行列は長くドゥカーレ宮殿の方にまで伸びている。ドゥカーレ宮殿のシークレットツアーに参加したいとチケット販売の列に並んでカウンターで聞くと2日後の26日の朝9:55からなら空きがあるという。シークレットツアーは通常の観光客が入れない場所まで行けるというので絶対に行きたいと思っていたので、即チケットを購入した。一人18ユーロ。しかもシークレットツアーと宮殿内見学は同日でなければならないというので、今日は宮殿の見学ができなくて後日回しとなった。

サン・マルコ広場

ドゥカーレ宮殿

 それじゃぁと、まだ行列の長いサン・マルコ寺院はやめてコッレール博物館へと向かった。コッレール博物館への入場チケットは、ドゥカーレ宮殿、国立考古学博物館、国立マルチャーナ博物館への入場も含めた共通チケットで13ユーロになりますと言われた。「えええ?さっきドゥカーレ宮殿への入場を含めたシークレットツアー代金18ユーロを払ったじゃないですか?どうしてまた、ドゥカーレ宮殿への入場料金が含まれたチケットを買わなくっちゃいけないんでしょうか?もっと安いチケットはないのですか?」という私の質問に係員は「ありません」とにべもなく断ってきた。

 朝から高価な有料トイレ、宮殿への入場料の二重取りシステムと立て続けに2つもヴェネツィアの商売上手な手口を見せられ、「往時のヴェネツィア共和国末裔のパワー健在なり!」を実感させられた。

 私たちはコッレール博物館のカルパッチョの作品が見たかったので 仕方ない、13ユーロを支払って博物館に入った。

共通券チケットは美術品がプリントされた美しいものだった。

博物館からはサンマルコ広場が見渡せる。

博物館内部

博物館内部

博物館内部

博物館内部

博物館内部

博物館内部、これが舞踏の間か?

ジョヴァンニ・ベッリーニ「聖母子」。ジョヴァンニ・ベッリーニはルネッサンス期のヴェネツィア派第一世代で父ヤコポ・ベッリーニ、兄ジェンティーレ・ベッリーニも有名。代表作はミラノのブレラ絵画館のピエタ。

ロレンツォ・ロット「聖母子」

カルパッチョ「ヴェネツィアの2人の婦人」


図書館(上)と変わった高下駄の展示(下)。こんなの履いたらコケルなぁ。

 カルパッチョは、あの料理「カルパッチョ」の由来となった画家である。牛肉の赤、パルミジャーノ・レッジャーノの白、イタリアンパセリのグリーンという多彩な色使いがまるでカルパッチョの作品を思わせるので命名されたという事を知って、そのもとになったカルパッチョの作品を楽しみにしていたのだが、ここに展示されていた絵画はそんなに多彩な色使いという感じではなく、ちょっと期待外れだった。食べ物のカルパッチョからの連想で作品を見たら画家に失礼なのかもしれないが、入口がどうであれ芸術に親しみを持ちたい気持ちをご理解いただきたい。見学時間は1時間半くらいかかった。共通券で見られる国立マルチャーナ図書館と国立考古学博物館ってどこにあるんだろうねぇ。なんて言っていたら、既にもう見学していた。そう、コッレール博物館から順路を伝っていくと3つの博物館を一度に見学することになっていたのだ。

 さて、昼食後はサン・マルコ寺院見学。ロマネスク・ビザンチン建築というのだそうだ。エジプトのアレキサンドリアから二人のヴェネツィア商人運んできた聖人マルコの遺体を祀るために9世紀に建てられたが、11世紀、17世紀と大幅改修によってオリエンタルな雰囲気を帯びてきているのだそうだ。

 そのはっきりと西とも東ともつかぬ雰囲気が何とも独特で、かつ美しい姿になっている寺院だった。

 朝のような長蛇の列はもうなくなっていて、15人くらい待ちだったが待っている間も外側の扉の装飾を眺めたり、寺院正面の上部の装飾を眺めたり飽きる事がない。サン・マルコ寺院は通常内部は入場料無料で特別な数か所は数ユーロで見学することができた。

正面入り口上部

正面上部、聖マルコの像と金色の翼のある獅子像

美しい13世紀のモザイク

いくつかの扉があって時間帯によって入場できる入口を変えているようだった。

寺院内部

聖像壁と呼ばれる場所

2ユーロ支払って入るパラ・ドーロ(祭壇画)は高さ1.4m、幅3.48m

パラ・ドーロは金銀、ガーネット、サファイア、ルビー、アメジストなどが埋め込まれている。

寺院内部、床の装飾も素晴らしい

2階の宝物庫は狭い階段を上りきった場所で4ユーロ支払う。

まず目を引くのが寺院内部が見渡せるテラスからの眺め

昇天のクーポラが近くに見える

寺院正面を飾る4頭の馬像のオリジナル。近くで見るととても大きい

2階の外のテラスからはサン・マルコ広場の全景が見渡せる

時計台もばっちり見える。

下から見上げると遠くて小さい寺院の上の方にあるモザイク画もこの通りに近くで見えた。

 ここからはサン・モイゼ教会→フェニーチェ劇場→サント・ステファーノ教会→アカデミア橋→サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会と見て周って本日の散策を終了した。

ドゥカーレ宮殿から隣接した牢獄に渡された「溜息の橋」は、
コカコーラの派手な看板に囲われて修復中。すごい違和感。

ゴンドラ発着所の1つ。

オルセオロ運河。有名なゴンドラツアー発着所。見ていたら中国人のお客さんが多かった。時代を映しているなぁ。

間近で見るゴンドラは本当に優雅で素敵だった。

サン・モイゼ教会。ヴェネツィアン・バロック様式。

フェニーチェ劇場。純バロック様式だったが1837年火災で焼失、再建、1996年火災で焼失、2003年再々建された。現在も期間中はオペラ、夏の時期はコンサートが行われている。

ゴンドリエが身をかがめないと通れない低い橋

サント・ステファーノ教会。内部天井が船底構造というのが面白い。

アカデミア橋から見た風景。

アカデミア橋から見た風景、その2

アカデミア美術館近くのヴェネツィアンガラスの店はさすがにアーティスティックな作品が置いてある。

サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会。

教会内の大作、ティントレットの「カナの結婚」

サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会前から対岸をのぞむ。ここは観光客にとって丁度いい休憩場所になっている。

 初日の今日はそんなに詰め込まないで歩いたのだが、それでも絵になる場所がたくさんある。明日はヴェネツィアのどんな顔に会えるかな。


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