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2010.08.09
カターニア観光のはずが・・・食い気に走る
イタリア:カターニア

 パレルモ州でシチリアに次いで2番目に人口が多いというカターニアにやってきた。といっても見所はそこそこなので今日1日でカターニア観光はできそうだ。

 キャンプ場からカターニアの街中までバスで約20分。メインストリートのエトネア通りで下車して観光の中心地となりそうなドゥオーモ広場をめざしたのが今日の予定変更への始まりだった。エトネア通りにはコレッジアータと呼ばれる教会だろうか美しい建物と向かいに大学がある。ここを通りすぎるとドゥオーモ広場はすぐで、真ん中に象のオベリスクが立ち左手にドゥオーモ、右手に市庁舎が建っていた。

コレッジアータ

大学

ドゥオーモ広場のオベリスクと背後に市庁舎

ドゥオーモ

 普通の建物は外壁の塗装がはがれかけたり退色したりしてぼろっちい物が多いのだが、所々にこういうパリッと美しい建物があるために、全体としてはシックな雰囲気を出している町だった。

 まずは大聖堂にでも入って見ようかと近づいた時だった。ドゥオーモの右手が騒がしい。見ると広場から階段を5段くらい下った場所にものすごく人がたくさん集まっている。なんだ、なんだと近寄ってみたら、魚市場を開催しているのだった。なんて魅力的なんでしょう!ドゥオーモとか見ている場合じゃない。とにかくこの魚市場を探検しなくては。

 そして、二人で「おおおーーー!」と声をあげたのは白魚を置いている店だった。ナポリでちらっと見かけて買いそびれて以来、ずっと見る事のなかった「生の白魚」をついに発見した。観光をしていたら市場が閉まってしまうし、買って観光をしていたら鮮度が落ちてしまう。

 観光か、白魚か・・・。

 ということで、これで完全に今日の予定が「町観光」から「グルメ堪能」に変更となった。

ご覧の通りのおおにぎわい。売るのも買うのも男たちがカターニアの流儀らしい。

テーブルには新鮮な魚が並んでいる。

海から獲れたて、新鮮そのものの色と形だ

ついに発見!生の白魚だ。

 広場の魚市場を見ながら奥に行くと店舗を構えた店もあり、魚だけではなく野菜のセクションも見つかった。材料を見ながらあれこれとメニューを練るのは楽しい。とはいえ、まだ朝なので少しくらいは観光して昼前にここで買ってキャンプ場に戻ることにした。

 でもねぇ。白魚。これが売り切れちゃったら悲しすぎる。だから白魚だけは今のうちに買っておきたい。白魚屋のおっちゃんに手ぶり身ぶりと片言のイタリア語で「白魚を買いたいのだが、今観光に行かなくてはならないから、買った白魚をこの氷の上で保存しておいてくれるか」というつもりで言ってみたら、「おお、観光したいのね、オーケーオーケー、氷を袋に入れてあげましょう」ってな事に解釈された。ま、それでもいっか。生の白魚300gは10ユーロ。たっぷり氷を詰めてもらってビニール袋も3重にしてくれた。

 この生白魚を持って観光に向かったのは、カターニア生まれの作曲家ヴィンチェンツォ・ベッリーニの生家で現在ベッリーニ博物館になっている場所だ。カターニアに来て初めてこの作曲家の名前を聞いたのだが、Wikipediaじゃ天才だと紹介されている。幼少期の肖像画や青年時代の写真、家族の写真、彼のオペラで演じたオペラ歌手たちの写真、手書きの楽譜などが展示されていた。入場料は無料で、一人いる係員の男性はずーっと私たちを後ろから見守りながらついてきた。残念ながら質問できる程こちらに知識がないので、さほど質問もできなかったのだが少しでも質問すると立て板に水でサラサラと説明してくれるのだった。

ベッリーニ博物館のある場所は現在改装中

マエストロからの贈り物と題された本人の肖像画、か、可愛い。

若いころの写真

手書きの楽譜

 ベッリーニの生家の近くにはバロック建築物が並んでいる通りがある。クロチーフェリ通りだ。バロック様式の教会が3つくらいある通りで、それだけでかなり華やかな雰囲気になっていた。

 とまぁ、今日の観光はこれくらい。魚市場に再び戻って朝、目をつけていたマグロ屋に直行だ。イタリアでこうした赤味のマグロを見たのはフィレンツェ以来。南イタリアではスパーダというメカジキ(カジキマグロ)ばかりで本当のマグロはさっぱり見かけなかった。ここで見たからには食べておかなくては!適当に切り身を2枚選んぶと勝手に1枚追加されて10ユーロだよ!と言われた。あーあ、他にもウニ、ロブスターなど魅力的な食材がたくさんあるんだけど、これでもう20ユーロも使っちゃったから今日は高級食材はもう打ち止め。本当に素敵な魚市場だ。

テーブル右側がマグロ、左側の白っぽいのがカジキ。どちらも高級魚だが、日本人としてはマグロに反応してしまう。

ウニもあるが、身が貧弱で今一つに見えた。

活きロブスターもいる。

様々な貝専門店。

 新鮮な白魚とマグロは昼の丼にするとして、夜は安い素材であさりとムール貝のパスタにしよう。色どりにパセリとピーマン、それからレモンも買って帰ることにした。

 帰りの道すがらベッリーニ劇場のある広場も通りかかった。こちらも立派な建物だ。

 今でもオペラなどが上演されているという劇場だが上演時以外は閉館しているようで、入口は閉ざされていた。

 バスに乗ってキャンプ場に戻ってきたのが12時10分。ううん、いい時間だね。。


 マグロを切って漬けにして、ご飯を炊いて熱々のご飯に白魚とマグロを乗せて食べる。ああああ。この写真を見ただけであの旨さがよみがえってきた。

 柔らかくとろけそうな白魚は甘味のある味で、多少の苦味がアクセントになっていくらでも食べられそうだった。そしてマグロも冷凍していないと思われる味で旨い。

 結局カターニアのメインイベントが魚市場になってしまったが全く悔いはない。それどころか最高の思い出になった。


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