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2010.08.02
パレルモ郊外のイソラ・デッレ・フェミーネのキャンプ場生活
シチリアの州都パレルモを観光する拠点として選んだのがイソラ・デッレ・フェミーネだった。南イタリアのナポリもそうだったっが、パレルモもすっぽりと抜けたようにかなり離れた場所にしかキャンプ場ない。この2つの町の犯罪率が群を抜いて高い事を考えると当たり前の事だ。
ということで、ここイソラ・デッレ・フェミーネもパレルモの西端までバスで40分、そこから観光の中心地まで更に別のバスで20分という場所にある。ここはパレルモ市民やの郊に住む人にとっての海水浴場の町だ。小さいながら町らしいまとまりがあり、そこから徒歩15分くらい離れた場所にキャンプ場はあるのだが、キャンプ場のある辺りからビーチが延々と2kmくらい続く。
ここにびーっちりと海の家が並んでいる。イタリアの海の家は全国津々浦々同じ形だ。レストランのある建物があって、キャビン、トイレ・シャワー、ビーチ目前にビーチベッドとパラソルが並んでいる。場所によってはプライベートビーチ化して海の家の前のビーチに入らせない所も見た事があるが、ここはビーチベッドの人の足元から波打ち際まではフリーゾーンだと言わんばかりにタオルを敷いて寝転ぶ、まぁいわば無料利用の人たちがなし崩し的に存在していた。その数は全体の半数くらいにも及ぶ。こうなってくると市民権を得ている感がある。当然、私達もこの無料チームに混じって楽しんだのだった。
イタリアのこういう場面に遭遇すると思うのは、イタリア人はどちらの階層に属していようと楽しむことを知っているという事だ。お金を支払ってビーチベッドを利用している人は優越感があるのでタオル組の存在に対して寛容だし、タオル組は余計な金を使わずに海を楽しめるからビーチベッド組に対してうらやましいとは思っていないように見えるのだ。そして、時にはビーチ組もタオル組になるし、その逆もあるから別にお互いに何とも思っていないという気楽な空気を感じた。メキシコのカンクンくらいだだっ広い場所ならともかく、こんなに密集しているのにこの雰囲気を出せるイタリア人は肩の力が抜けている。
大きな湾になっているので波があまりなくて海水浴にぴったり |
ビーチのすぐ後ろから岩山が立ちあがって乾いた感じがちょっとメキシコの西側バハ・アルフォルニアを思い出させる |
海の家はもう隙間なくびっしり並んでいる。この小屋はキャビンといって着替えや物置として一家に1つ借りたりしている。 |
水は驚くほどではないが充分にきれい。 |
ここでの食料調達は、街中にある小さなスーパーと八百屋と肉屋と朝の魚市場を利用することになる。スーパーは今まで大型スーパーばかり利用してきた目には同じ国とは思えないほど貧弱に見えたが、その分八百屋の店先で夕方から売り出されるお惣菜や朝の魚市場は魅力的だった。
夕方になると自転車修理やに小学生が集まって修理を見ていた。
なんだか懐かしいような風景だ。 |
この八百屋の店頭に夕方から出されるお惣菜が本物イタリアンで良かった。炭火焼のパプリカ、玉ねぎ、ナスはオリーブオイルと塩・コショウで贅沢な前菜になるし、茹で野菜やカポナータも出る。 |
朝の魚市場の風景 |
「新鮮だよ、どーんと買っちゃおうよ!」と説得力のある販売 |
いたずらっ子みたいな笑顔のおっちゃんが可愛い |
ちゃんと内臓や危ないヒレなどは処理してくれる。
このカサゴみたいな魚、炭火焼にしたけどメチャ旨かった。 |
パレルモ行きのバスは始発なので必ず座れるが結構混んでくる。乗っているのはほとんどが地元民のせいか、スリらしい人の姿はこの路線では目撃しなかった。
この後のシチリアのキャンプ場は町から離れていて、キャンプ場ばかりが集まっているような場所だったりしてなかなかこういうしみじみした場所には巡り合えなかった。
パレルモまでちょっと遠いのだが、町が徒歩圏内にあるのでシチリアの海辺の田舎町の生活を体験できたのは楽しかった。
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