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2010.07.28
カプリ島観光
イタリア:ソレント

 今日はソレントからカプリ島に日帰り旅行してきた。カプリ島へは高速船で約30分。1日に数社から4便くらい出ているので、かなり気軽に行ける場所だ。

 Caremarという会社から出ている高速船が片道9.8ユーロ、その他の会社から出ているのが片道14ユーロだった。いずれの会社も往復買っても安くはならない。Caremarの時刻表はソレント発7:45、9:25、14:30、19:00、カプリ発7:00、8:40、13:40、18:15だったので、朝は9時25分発を使うとして、帰りは5時半くらいには乗りたかったので別の会社を使うことになった。

 費用のことを先に言ってしまうと、青の洞窟へは2つの行き方がある。到着した港からボートで青の洞窟を見て島周遊するツアーが14ユーロに申し込むか、港からバスでアナカプリ地区(直通があるのかカプリ地区で乗り換えなきゃならないかはわからないが)に行く。バスは1.4ユーロだから乗り換えて倍かかったとしても片道2.8ユーロとツアーで行くよりも大分安いが時間がかかるだろう。ツアーの場合はボートから小舟に乗り換えて洞窟に入るし、アナカプリから行く人は陸から小舟に乗る。いずれにしても洞窟への入場料金が4ユーロ、小舟代金が7.5ユーロかかる。あと小舟の船頭さんへのチップ(私達は一人1ユーロ払った)も必要だ。

 その他、カプリ島は港に到着してから見所のあるカプリ地区の高台に上がるのにバスあるいはフニコラーレ(ケーブルカー)を使うのが一般的でいずれも片道1.4ユーロ。カプリ地区を拠点に島内はナカプリ地区、島の南側にマリーナ・ピッコラ、北側の港近くにマリーナ・グランデ、その他足をのばせばいくつか見所があり、いずれもバス代金1.4ユーロで行ける。

 私達は朝港に到着したら、青の洞窟ツアーに参加し、その後カプリ地区にフニコラーレで上がって見所を歩きまわりマリーナ・ピッコラまで到達して海水浴、そこからバスでカプリ地区に戻って再び見所見学、カプリ地区から港までフニクラで降りてマリーナ・グランデで海水浴してソレントに戻ってきた。朝9時25分の高速船でソレントを出て、帰りは午後5時20分の別の会社の高速船でソレントに帰ってきた。無理のない時間帯でまずまずの見所を見てこられたので満足。

 では、詳しく写真で記録していきたい。

 朝9時25分発のCaremar社のチケットを買おうと1時間以上前にチケット売り場に到着したものの、販売は8時半からだった。一番のりでチケットを購入して乗り場で待つこと1時間。やってきたのはかなり大きなフェリーだった。乗りこんで30分で真っ青な海から切り立つような岸壁のカプリ島が見えてきた。

 下船したらカプリ島へのツアーの客引きがあちこちからやってきて袖を引っ張るというような光景を想像していたのに、誰もそんな人はいなくて、逆にツアーの申し込み所はどこかとこちらから聞くような感じ。

 ツアーデスクは降りた桟橋をまっすぐ歩いた先の右手にあってそこでツアーを申し込むのだった。ガイドブックには青の洞窟だけ行くツアーと、青の洞窟の後島巡りをするツアーの2種類が紹介されていて、私達は青の洞窟だけでいいと思っていたのだが、Laser Capri社のツアーデスクでは島巡りも込みのツアーしかやっていないようだったので、島巡り付きツアー14ユーロを購入した。

 ツアー用のボートはそんなに大きく見えないのだが実はかなりの人が乗船できる。行列して2台見過ごした後の3台目に乗る事ができた。といっても待っていた時間は10分くらいなのでかなりの頻度で運行している。青の洞窟までは15分くらい。カプリ島の北端を西に向かって進むのだが、どこも断崖絶壁でカプリ島は巨大な岩がニョキッと隆起してできたような島なんだなぁということがわかる。青の洞窟前には私達のようなツアーボート、日本人だけを乗せたチャーターボート、小型ボート、陸からアプローチする人と様々な人たちが待っていて洞窟に入るまでなかなか時間がかかりそうだなぁと思われた。

 しかし、洋上で待つ事10分。私達のボートの脇にも小舟がやってきて洞窟への入場が開始された。小舟には4人ずつ乗る。私達はイタリア人夫婦と一緒になった。旦那さんは2回目だが奥さんは初めてだそうで、旦那さんの指示で洞窟に入る時に頭を下げる練習など皆でしながら和やかに洞窟に向かった。

小さな船に乗り換えると付近の揺れを強く感じる。

まずは受付カウンターボートに立ち寄って入場料4ユーロ+ボート代金7.5ユーロを支払うシステム。

洞窟前は小舟の行列。皆、固唾をのんで自分の番を待つ。

青の洞窟の入り口。本当に狭い。

 そして、これが洞窟に入った瞬間。


 洞窟に入った瞬間はまばゆいような水色に輝く水面だったが、奥に行くに従って濃い水色に変わって行く。そのゆったりしたグラデーションや水の中に半分つかった船の陰影、オールが水をかくたびに変わる水面など、とにかく一秒一秒が見ていて飽きない光景だった。

 縦に細長い洞窟なのだろう。奥までいってUターンして再び洞窟を出るまでの時間は4分間だった。

 後ろに座っているイタリア人夫婦が「チップは一人1ユーロでいいわよね」と会話しているのが聞こえたので、私達も船頭さんに1ユーロずつ支払って洞窟観光終了。今回のイタリア旅行の中でもハイライトの1つだと思っていた青の洞窟は、期待を裏切ることなく素晴らしい光景を見せてくれたのっだった。

 小舟からボートに乗り移る時にボートのスタッフが手を貸してくれるのだが、その時によどみない日本語で「足元に気をつけてくださいね」というのにはビックリした。見れば周囲の洋上には日本人ばかり10名以上のせたチャーターボートが二艘も浮かんでいる。青の洞窟に来ている外国人の中での日本人比率はとても高いのだろう。

 ちょっとここで、時間のまとめ
・マリーナ・グランデでツアーの船に乗船開始 10:12
・青の洞窟に到着 10:30
・全員が洞窟見学して、青の洞窟を出発 11:15

 ガイドブックには「モーターボートは海の上でずいぶん待たされていたようだ」という投稿があったが、私達の時はむしろモーターボートが優先されて、陸から来た人やチャーター船の外国人客(日本人も含む)は後回しにされている。ボートの運転手が洞窟のスタッフと知り合いかどうかなどという不確定要素があるように思えるので、どの方法が一番早いとは言い切れないんじゃないだろうか。

 青の洞窟見学を終えた私達のボートはそこから反時計周りでカプリ島を周遊。ガイドブックには紹介されていない小さなビーチや奇岩など思っていたよりも見る所がある。もしカプリ島に宿泊するのならガイダンスとしてこのツアーに参加して、気に入った場所を後から訪ねることもできる。実際、もう一度じっくり遊びに行きたい洞窟やビーチがいくつかあった。

遠目には切り立った崖でとても寄りつけないように見えるが・・・

実はこんな小さなビーチ、というか海への入り口があって案外賑わっている。

小さな洞窟がたくさん見える中の1つに近寄っていくと・・・

ボートごと入れる開口部がやや大きな洞窟にちょっとした行列ができていた。

私達のボートは大きくて入れないし、入る予定もない。
目の前まで行って見学して終了。

この辺りの水も光の加減によって青の洞窟チックなネオンブルーに見えて魅力的だった。

次のハイライトは海からニョキニョキと巨大岩が突き出す場所。
南側のアウグスト公園の前あたり。

左手は珍しく海岸線までの斜面に民家やホテルが建っている。
その右側に突き出した岬のてっぺん(赤マル)に注目!

ここはかつてのムッソリーニの別荘で、現在の持ち主はアメリカのベビーフード会社の社長だそうた。アメリカ人は「ああ、あの会社の・・・」とその会社を知っていたので有名大手らしい。

そそり立つ岩に近づくと真ん中に岩に穴が開いているのが見える。船上アナウンスでは「さぁ、みなさん、愛のアーチに到着です。岩をくぐりぬける時は愛する人とキスしましょう!」と盛り上げながらこの穴をくぐった。こんなイタリア的な演出に皆大喜びだった。

島の最後の岬を曲がる所ではこんなしかけが・・・

ちっちゃいブロンズ像が座ってこちらに手を振っている。「さぁ、ブロンズが皆さんにアリヴェデルチ、また来てくださいと言っていまーす」とアナウンスが流れ、みんな思わず手を振ってしまうのだった。

 青の洞窟から約45分、12時2分に乗船したマリーナ・グランデに到着してツアーが終了した。島周遊クルーズというのは時として全然面白くなかったりするのだが、このカプリ島の周遊ツアーはそれなりに見所があって飽きないし、また飽きないようにちゃんとプランされてもいたので楽しかった。

 昼食はマリーナ・グランデに並ぶレストランの一軒に入った。ピザ6ユーロとシーフードフライ14ユーロを注文したのだがとにかく量が少ない。先日、ペストゥムという世界遺産のある田舎の遺跡ではピザ8ユーロ、フライ10ユーロで倍くらいの量だった。後でカプリ地区のレストランを見てみたが、こちらの方がまともな量を出しているように見えた。マリーナ・グランデ界隈で食べちゃ駄目だったのかもね。


 午後からはカプリ地区に上がってみようと、フニコラーレ乗り場に行ったのだがチケットはここで販売していない。フェリーチケット売り場でチケットを買ってからフニコラーレ乗り場に行かなくてはならないのだった。チケットの裏面はさっきアーチを通った岩の写真。美しいチケットだった。
 

 フニコラーレに乗って見るとカプリ島は真ん中がへこんだ島だというのがわかる。自分たちのいる側の丘がカプリ地区、向こう側の丘がアナカプリ地区になる。ここからまずアウグスト公園を目指した。カプリ島については青の洞窟のイメージが強く、あとはひなびた土産物屋のあるアマルフィくらいなイメージを持っていたのだが、高級ブランドが並び、瀟洒なプチホテルあり、海を見下ろすロマンチックなレストランありと、都会的なセンスで通りがまとめられているのに驚いた。

フニコラーレを降りてすぐあるウンベルト一世広場

広場奥に続く通りにはVALENTINOなど高級ブランドショップもある。

洒落たレストランやホテルのある道が続く。

お店が途絶えた道をなおも進む。更に高級なレストランとホテルがポツリポツリとある。

19世紀末カプリ在住のドイツ人富豪フリードリッヒ・アウグスト・クルップによって整備され、現在市民公園。

 この公園は多くの団体観光客も訪れるカプリ必見の場所の1つらしい。公園自体はまぁまぁ気持ちのいい緑の場所なのだが、そこから眺めるファラリオーニの岩島群や海岸線が実にすばらしかった。


 展望台から右手は遊歩道がウネウネとつづら折りに下ってからマリーナ・ピッコラまで続いている。眼下の水は青く澄んでいて、日差しは強く乾いて肌を刺す。こんな状況で上から美しい海を見ていると、たまらなくあの水の中に入ってきたくなった。

 よーし、行っちゃえ。マリーナ・ピッコラまで行く予定はなかったのだが、そんな気分に誘われてずんずんどつづら折りの道を下った。

 海面が大分近い高さにまで下ってくると、実は海に浮かんでいる人も見えてくる。海の上からこちらに向かって「おーい、おーい」といって手を振ってきていた。ファラリオーニの岩島群も公園の展望台よりも全容が見えるようになっていた。

つづら折りの遊歩道

目線が近くなってより美しく見える海

途中に、FIATから樹木が生えているオブジェが置いてある

ファラリオーニ岩島群がよりよく見えるポイント

 こうしてブラブラと写真を撮りながら散策して25分、マリーナ・ピッコラに到着した。階段を下って一番奥が無料ビーチになっていた。物陰で素早く着替えて海に飛び込む。ふーーー。気持ちいい。

相変わらず大混雑の無料ビーチ

童心に戻って岩から海に飛び込むと宣言!

 同じ道を歩いて戻るのはかなり苦しいなぁと思っていたら、マリーナ・ピッコロからカプリ地区にバスが出ている。丁度、午後3時のバスが出る所だったので楽にカプリ地区に戻る事ができた。ジェラートで喉をうるおしたら、別の展望ポイントのIl Castiglioneという場所を目指す。

カプリ地区のはずれを歩くコース。

緑の山に白い家、青い海。こんなカプリ島の風景もある。

高級ブティックのある通りとは打って変わって静かな通り。

木陰に岩島群が見えてきたらもうすぐ。

アウグスト公園より高い目線から見下ろす

サン・ジャコモ修道院も上からよく見える。

 人通りの少ない住宅街の路地は中東の街並みを思い起こさせた。カプリ地区の住宅は大抵屋根まで真っ白に塗られている。シーンとした午後の道からまばゆい屋根と緑の森と海と空。今まで見てきた喧騒のカプリ島とは一味違った一面を見せてくれた。展望ポイントからの眺めはアウグスト公園からとさして変わりないが、そこまでの道中が面白い道だった。

 ウンベルト一世広場に戻ると既に午後4時近かった。早目にフニコラーレで港まで降りてフェリーの時間までマリーナ・グランデで海水浴しようと思ったら、考える事は皆同じようでフニコラーレ待ちの行列ができていて1台見送るくらい人が多かった。

 フェリー乗り場に行くと午後5時20分発というソレント行きのフェリーがあったので一人14ユーロで購入しておき、マリーナ・グランデに泳ぎに出かけた。

 マリーナ・グランデはフェリー用の港やヨットハーバーのすぐ脇の割には水はまだ美しい。ここは有料ビーチ、無料ビーチの区別はなくビーチベッドやパラソルを利用する場合に料金を支払う事になっていて入場は全て無料だった。

背景にヴェスーヴィオ火山で喜びのポーズ。

ヨットハーバーの様子

 こうして朝から夕方までたっぷりカプリ島を遊んでソレントに戻った。物価が高いのでハードルが高いのだが、今日ツアーで巡った洞窟やミニビーチも魅力的でまたいつかゆっくりと来たいと思った。


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