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2010.07.15
大奔走!日本からの郵便受け取りに丸一日
昨日の朝ローマの中央郵便局にまだ郵便物が届いていないと知り、宿に戻ってからさっそくインターネットで事情を調べてみると、イタリアの郵便事情に関して「問題だらけだ」という発言が続出していた。日本語だけでなく英語でも調べてみると、英語圏の情報も問題を指摘している。郵便に個別番号がふられて配達の進捗状況を把握できるはずのEMSも途中で滞って理由もわからず1ヵ月、2ヵ月、ひどい場合は日本に送り返されてしまったという人の発言もあり、ゾゾゾーッと背筋が凍ってきてしまった
一番詳しく顛末を書いてくれている人の話がとても私達の例に近くて参考になった。ローマで郵便が滞っているのは通関に関しての書類不備だという場合が多いというのだ。日本からイタリアに物を送る時に内容物の記載欄に「イタリア語」で書かないと、内容物不明として通関手前で止められてしまう。ここから先に行くには受取人本人からの内容物確認の証明書が必要になるらしいのだ。私達の郵便物の内容は英語で記載されている。
また、色々な人の発言からイタリア郵便局はEMSの通関業務と配送業務をSDAという会社に一任しているということもわかった。
これだけ調べてから、今朝、再び中央郵便局に向かった。局留め受取のカウンターにはイタリア語しか話せないおばちゃんがいて、かなり引け越し。EMSの番号をコンピュータに打ち込んで事情を教えてくれと言っても「あたしゃ、英語がわからないからできない、コンピュータもようわからん」とかいって奥に引っ込もうとする。そこで、アンドレア氏を呼んできてくれというとホッとしたように彼を連れてきてくれたのだった。アンドレア氏は先日このカウンターに座っていた英語の話せる調子のいい兄ちゃんだ。「アンドレアって日本語で書いてみてくれ」と言われてひらがな、カタカナ、漢字と3種類書いてあげたら喜んでいた。3回も名前を書いたのでこちらも覚えていたのだ。くだらない会話もしておくものだ。
今日はアンドレア氏は他のカウンターの係らしいのだが相変わらず調子よく相手をしてくれた。コンピュータにEMSの追跡番号を打ち込むと「むむむ」という表情になった。いわく「何か書類が足らないので電話してくれ」というメッセージと電話番号が書いてあるというのだ。因みに彼が見ているEMSの画面はイタリア側からの追跡画面でもちろんイタリア語で表示されている。日本の郵政省の追跡画面では日本語で「通関業務待ち」としか出ないのに、イタリア語ではちゃんと連絡しろというメッセージが出てくる。「連絡しろ」というメッセージは8日から出ていたようで、もう1週間にもなるではないか。
アンドレア氏は親切にも書かれていた電話番号に電話してくれたのだが、これが一向に誰も応答しない。ははーん、たぶんこれがSDAにつながっているのだろう。「これは一体どこに電話しているのか、そこに自分たちで行ったら受け取れるのか」とアンドレア氏に訪ねると、ローマ郊外の東側にあって大変に行きづらい場所で、自分も詳しく場所はわからないということだった。アンドレア氏も自分の仕事に戻らなくてはならないので、連絡すべき先の電話番号だけもらって郵便局を出ることになった。
さーて、どうするか。
インターネットカフェに行って、自分たちで電話しても一向に誰も出ない。引き続きネットでSDAの場所を見てみるとローマの東側にあって、もらった電話番号と一致している。ビンゴ!ここだ。ここに行くしかない。ということで、ネットカフェでSDAの場所の地図をプリントアウトし、キャンプ場に戻って昼食を摂ってから早速事務所に車で向かった。
午後1時半。素晴らしいグーグルマップのお陰で無事にSDAに到着したものの、シエスタで午後2時半からしか開かないので待機することになった。事務所の裏はロジスティックになっていて多くの郵便物(EMSばかりかフェデックスもある!)が積んであり、忙しそうにトラックが出入りしている。人はたくさんいても受付がシエスタである限り、何を聞いても無駄だろうと思っておとなしく2時半まで待つことにした。
途中、外から来た背広の男性達が受付の扉から入って行くので夫が近寄っていくと、とてもうるさそうに「ノー、ノー、ドマーニ、ドマーニ(だめだめ、明日、明日)」と嘲笑するように言われたと憤慨していた。しばらしくて女性が一人出てきたので近づくと、物も言わずに「しっしっ」と追い払うように手をひらひらと動かされた。もし受付が開いても同じような態度だったらどうしようか、郵便局でおとなしく待てと言われたらどうしようかと不安は募るばかりだった。
そして午後2時半にやっと受付の扉の錠が開けられた。中には背広の男たちやしっしっと追い払うしぐさをした女性とは違って、とてもにこやかな女性がテキパキと仕事をしている。2人ほど他のお客さんを待って、私達の番。英語も理解する彼女はすぐに私達の要求を理解して、EMSの番号をコンピュータに打ち込んで書類をプリントアウトし、それを持って奥に引っ込むと、今度は男性が現れた
やはり私達の荷物は書類不備で滞っていることが判明。担当者の男性は通関に必要な書類の事項を私達からヒアリングして受取人として夫が書類にサインしてこれで終了。
「明日の午後には中央郵便局に届いていますから」
とにこやかに笑う男性に、私達はなおも食いついて「何とか今日中に通関してここで受け取れないでしょうか?」と持ちかけた。男性は通関に3時間くらいはかかるかもしれないのでとか言っていたが、私達が3時間でも4時間でもオフィスが閉まるまではここで待つと言うと、「ちょっと待っていてくれ」と事務所に引っ込んだ。1時間ほどして「今、通関をしている所なのでもう少し待ってください」と再び担当者の男性が出てきて言う。どうやら緊急で通関させてくれているようだ。
更に待つ事30分。日本からの郵便物を片手に笑顔で担当者が現れた。内容を確認すると期待していた物がちゃんと入っている。いやー、良かった、良かった。事情を察して適切に処置をしてくれたこの担当者に大変感謝して記念撮影。
別れ際に担当者は、私達にどうやってこの場所を知ってどうやって来たのかと尋ねた。インターネットと郵便局担当者からこの場所を聞き出して、場所をグーグルで探して車で来たと答えるとへぇーーーっと驚いていた。SDAまで押しかけてきた日本人はあまりいないのだろう。
EMSが滞ったらSDAに直接行く。これが現状、最短で荷物を受け取る方法のようだ。
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