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2010.07.14
ローマ観光(12)〜まだ見ていなかった4つの教会を訪ねて
イタリア:ローマ

 ローマは奥深い。11日間かけて様々な見所を見てきたが、まだまだ訪れていない教会がある。ローマ滞在日数も残りすくなになってきた今日、用事を済ませつつ中でも見落としたくない教会4つに足を運ぶことにした。

 教会見学の前にまず向かったのは中央郵便局。もういい加減、日本からの郵便物が届いているはずだと見に行くと、まだ届いていないという。おかしい。EMSで送ったのだがインターネットの進捗状況では8日にはローマに来ているはずなのになぜ中央郵便局にないのだろうか。郵便物はいったいどこにあるのだろうか。むくむくと不安が頭をもたげてきたが、とにかく今日は観光する。

 1つめの教会はサンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会。共和国広場から北北西に伸びるOriando通りを進むと教会3つに囲まれたサン・ベルナルド広場がある。ここには大変に大きな「モーゼの噴水」があるのだが、朝行ったら逆光で暗くなるのと修復中で下4分の1がすっかり覆われてしまっていのとで残念ながらまともに見る事ができなかった。

 この広場に面してある3つの教会の1つがめざすサンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会だ。バロックといってもファサードは割合あっさりしているのだが、扉を開いて内部に足を踏み入れると、んもう、上から下までびっしりと隙間なく装飾がついたまさにバロックの世界が広がっている。あまり広くない教会だが非常に迫力があった。この教会で有名なのはコルナーロ礼拝堂の祭壇の上にあるベルニーニの「聖テレーザの法悦」だというので楽しみにしてきた。

 天使がテレーザの心臓を射ぬこうとしている瞬間だそうだが、官能的とも受け取られる恍惚の表情が見る者にテレーザの至福の感情を饒舌に伝えている。天使の指先、テレーザの足の先にまで神経の行き届いた仕上げっぷりに、どこに目を移しても心地よい。やはりベルニーニの彫刻は素晴らしい。見に来てよかった。天使などの多くの彫刻に飾られたフレスコ画の天井ももう一度見上げつつ、教会をあとにしたのだった。
 

 さて2つめの教会は、サンタ・マリア・デッラ・パーチェ教会。ナヴォーナ広場の北西にあるというのでバスで近付いて付近を歩いて探した。

 午前中のナヴォーナ広場の外側はまだ少し眠たげな表情で、レストランもお店も開店前。バールで朝のエスプレッソを楽しむ地元住民がいて、ツタのからまる古い壁のあるような下町風な場所に、2本対のドーリス式の柱のファサードを付けた立派な教会が忽然とある。私のおそらく日本人的な感覚だと、路地裏のような場所に忽然と出現する立派な教会というのが毎回新鮮な驚きを持って感じられる。

 私の中では、下町の中にあるのは小さな社や各店舗の中にちょっとした神棚や仏壇があるくらいで、立派な神社や仏閣となるとまず門前町があって参道が続いてその奥にましますという感覚がどうしても染みついている。だから、頭ではわかっているのだが感覚としてどうしても「忽然と」教会が現れた気分になるのだ。イタリアにはこういうのが多かった。

 ギィと重い扉を押して中に入ってみると薄暗い教会内には一人の観光客しかいなかった。静かな教会で天窓から入る低い角度の朝日に浮かび上がるフレスコ画が、ラファエッロ作1514年の「巫女」Sibilleだった。肉眼で見るともっと薄暗くてぼーっとして見えるが、これでもカメラではかなり鮮明な色に写せている。


 この他には見上げると美しい模様の彫りこまれたクーポラや立派な主祭壇などがあった。しばらくして、外から教会の監視員というのだろうかお目付け役のような老人が戻ってきた。この規模の教会にしてはこの人は厳しかった。ドイツ人一家が入ろうとすると、ノースリーブのお母さんを指さして「だめだめ、肩を何かで覆わないと」とかなり大きな声で指摘したのだ。声が教会に響いたのとイタリア語で意味がわからなかったのだろう(私達もイタリア語はわからないが、こういう場面をたくさん目撃しているのでわかった)、ドイツ人一家は恐れをなしてバタンと扉を閉めて出て行ってしまった。あー、ラファエッロがあるというのに・・・。真夏のローマ観光では女性は肩を覆うショール必携です。
 

 3つめはナヴォーナ広場に面したサンタニェーゼ・イン・アゴーネ教会。ボッロミーニによって改築された8世紀の教会だ。今日はこの後、同じくボッロミーニ建築のサンティーヴォ・アッラ・サピエンツァ教会に行こうと予定している。ナヴォーナ広場は何度も通ってはいたものの今日は再び、ボッロミーニによる改築だったのかと認識をあらたにサンタニェーゼ・イン・アゴーネ教会を見直すことにした。内部にはこの場所で首を切られて殉死した聖アグネスの彫刻がある。最初に火あぶりにされた時に彼女の髪が体を隠し体が燃えなかったという奇跡の場面だろうと思われる。知識が増えると見えてくる物が増える。これが歴史ある都市を歩きまわる楽しみでもある。
 

 4つめのサンティーヴォ・アッラ・サピエンツァ教会はナヴォーナ広場の東側にある。入口がややわかりにくくて周囲をぐるぐると回ってから敷地内に入る事ができた。楕円形の中庭の奥に立つ教会は塔の上の方が螺旋階段になっている変わった設計。残念ながら内部には入れなかったが中も変わっているそうだ。
 

 ということで午前中に4つの教会を見学して本日は終了。お昼ご飯はトラステヴェレ地区のピッツェリアに行ってみようとアルジェンティーナ広場で路面電車に乗ろうとしたのだが、ふと本屋があったので立ち寄ったら、またまた素敵なパスタのレシピ本を見つけてしまった。先日買ったものよりもさらに写真も豊富でわかりやすい。分厚いレシピ本2冊を持って帰るのは大変だがええいと思いきって買ってしまった。

 トラステヴェレ地区の主だったピッツェリアを見に行ったのだが、やはりどこも昼間は開いていない。「ローマのピッツェリアは夜しか開かない」というのは本当のようだ。

 唯一昼間から開いているのは、先日も訪れたダル・ポエタ。今日はルッコラとスモークサーモンとゴルゴンゾーラとモッツァレラチーズというちょっと変わった組み合わせとオーソドックにマッシュルームのピザ2種を注文した。どちらもとてもおいしい。これでローマのピザも食べおさめだなぁ。

 午後1時10分。食糧買い出しの用事もあって、今日の観光はこれにて終了だ。


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