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2010.07.08
ローマ観光(9)〜コロッセオ周辺、ヴァティカン、パンテオンとその周辺
イタリア:ローマ

 ローマ観光9日目。

 今日は積み残した場所を転々としてローマ中を動き回る一日となった。

 まずはコロッセオの東にあるサン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂。ここは法王庁がアヴィニョンに移るまで教会とその周囲は繁栄を続けたが、アヴィニョンに移ってからは火災などで荒廃し、法王がローマに戻って来た時には古くて狭いという理由からここはうち捨てられて、法王はサン・ピエトロに移動することになった。以降、1646年にイノケンティウス10世が荒廃していたこの教会を修復すると決めて、フランチェスコ・ボッローミニの手によって大々的に修復されたのだそうだ。

 今でもサン・ピエトロに次いで格式が高いということもあり、服装チェックは厳重だった。ノースリーブやひざの出たパンツやスカートの人はスカーフなどで覆うしかない。他の聖堂ではスカーフを貸し出しているようだったが、サン・ジョヴァンニは厳しくて貸し出しなしで入場拒否。そこにこれ幸いとスカーフを売りつけるアジア人商人がやってくるという光景が見られた。うーん、アジア人、たくましい商魂だ。

地下鉄サン・ジョヴァンニ駅を降りて昔の城壁の門の向こうが
目的地のサン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂

正面ファサードはロマネスク様式。最初に依頼されたボッロミーニで修復は終わらず、次の世代のアレッサンドロ・ガリレイの手による

内部の床は昨日見たコズマーティ様式

16世紀の木の天井はボッロミーニが工事を始める1650年以前のものってことになる。

 内部は確かにサン・ピエトロに比べると狭いが、修復されてとても美しく他の聖堂よりはずっと立派だ。特にニッチに置かれた聖人の彫刻が優雅で美しかったなぁ。この彫刻がボッロミーニの作かどうかはわからないが、顔に気品のある作品ばかりでほれぼれする。

 一番奥の後陣(アプシス)には見事な金ぴかモザイクでとても1200年代のものとは思えない。ガイドブックの「修復が著しい」という解説が納得がいく。その手前にある法王専用の祭壇という塔のような物があるのだが、その中に聖ペテロと聖パウロの頭部がおさめられているのだそうだ。「納骨されている」というのと「頭部がおさめられている」というのは私にとって似て非なる響きがあるのは、やはりキリスト教ではない日本人として育ったせいだろうか。ちょっとゾクゾクっとする。入口の頭上にはパイプオルガン。全体として白と金とグレーという配色がきらびやかすぎずシックな色調でまとまっているて感じがいい。イタリアセンスはこういう所からも培われているに違いない。

 さて大聖堂は無料で拝観できるのだが、お隣のキオストロという回廊は一人2ユーロ。せっかくここまで来たのだからキオストロも見ておきましょう。という気になったのは、解説に「見事なコズマ風の床装飾」と書かれていたからだ。どうもコズマには魅かれる。

 明るい中庭を取り囲む回廊には一本ずつ異なる装飾の柱が建ち、中庭に面した柱の上の部分もコズマーティ様式で美しく飾られていた。回廊から入れる部屋の展示物はあまり興味をひかなかったけど、回廊に展示されている物の中にもコズマーティの模様があり充分に楽しめた。あと、ここにはトイレがある。2ユーロ支払ってコズマーティを堪能してトイレに入れたから満足、満足。

 大聖堂を出て左斜め前にある建物に「聖なる階段スカラ・サンタ」のある建物がある。「言い伝えではこの階段はキリストが裁判の日に上がったことになっているが、実際には法王専用の礼拝堂とともに、かつてここにあった宮殿から15世紀に移されたものである」(「地球の歩き方」より)というちょっと冷めた解説を読みながら、28段の階段をひざまずいて上がる信者を見る。横の階段から普通に上に行けるので上からも信者を見る。ああ、これ、お正月の日本のお寺に似ているなぁ。行列してお賽銭投げて今年一年の無事を祈るというやつだ。心なしかみんなスッキリした顔で降りて行くような気がするのも似ている。

 サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラノ大聖堂の裏手の広場はサン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ広場になるのだが、ここにもオベリスクが建っている。このオベリスクの左側に八角形の洗礼堂がある。4世紀に建てられたというこの八角形はその後の洗礼堂のプロトタイプになったそうだ。そういう意味では八角形の洗礼堂をいくつかこの旅で見てきた私としては興味深い。ここから洗礼堂の八角形が始まったのかとまじまじと見てしまうのだった。内部は4つの礼拝堂があり一部工事中だったが「どうぞ、どうぞ」と招き入れられて見学した。あまり見学する人がいないようでゆっくりと見られた。

 地下鉄でカヴール駅まで移動して、サン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会に到達。ここにはミケランジェロの「モーゼ像」があるために観光名所となっている場所だ。確かにモーゼ像は素晴らしいがボルゲーゼ美術館のベルニーニを見た衝撃ほどではなかった。

地味な外観の割に多くの観光客の姿が見られた

内部はさっぱりとした感じだった

この教会は聖ペテロがエルサレムで牢につながれていた時の鎖を祀っている。これがその鎖だそうだ。

ミケランジェロの「モーゼ像」。1505年に、法王ユリウス2世の依頼だが、途中で計画が中断。8年後にようやく中央のモーゼ像と2体の奴隷の像が彫られたそうだ。

 サン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会の前から下る階段がある。これはかつて「ボルジアの階段」と呼ばれていたそうだ。というのも階段の上の建物がボルジア家出身の法王アレクサンドル6世の愛人のものであったと言われているからだそうだ。「ボルジア」と聞くと塩野七海さん著作の「チェーザレ・ボルジア」を思い出す。「毒を盛る男」として歴史に名をはせたという、この本の解説、そして法王にして愛人を持ったという別のボルジア家のアレクサンドル。どうにもボルジア家にはどろどろした血が流れているようで興味深い。まぁ、法王で愛人を持つというのは別に珍しいことでもなかったろう。中には梅毒で足がなくなった法王もいるくらいだから。

 この教会を半時計回りにまわりこんだ場所がネロ帝の「黄金宮殿」ドムス・アウレアだ。一昨日、ヴァティカン博物館で見た驚きの迫力彫刻「ラオコーン」はここで発見されたそうだ。残念ながら現在修復中にて閉館。ドムス・アウレアへ向かう坂道を振り返ると、糸杉の向こうにコロッセオが見える。この風景が見られたのでよしとして、次の目的地、トラステヴェレ地区の目をつけているレストランに向かった。今日は色々と移動が多く、定期券の使い甲斐がある日だ。
 

 トラステヴェレへのバスを拾うためにコロッセオを回り込んで歩いていると、今日もローマ皇帝やグラディエーターの格好をした「私と記念撮影しませんか?」という人がたくさんいる。案外一緒に写真を撮る人が多いのは、彼らが案外、俳優ばりの「皇帝顔」や「勇者顔」で体格もがっしりしているというのと、サービス精神旺盛で様々なポーズを提案してくれるからだろうと、少し観察して思った。でも、あんないサービス旺盛にしたら一体いくら支払うのだろうか?ちょっと怖くもある。ジャパニーズはたくさん請求されるからね。

 この光景を見ていてエジプトのカイロのピラミッド前でのできごとを思い出した。私達は近くの椅子に座って一部始終を見ていたのだが、ピラミッドが丁度見える場所で観光客が写真を撮影していると、さもさも散歩途中のようなエジプト人が「二人一緒の所の写真、撮りましょうか?」と提案する。更に遠景のピラミッドが手のひらに乗っているようなポーズを取らせたり、さんざん魅力的なポーズ提案をして、最後に「はい、チップ5ドルちょーだい!」と手を出すのだ。ある人は諦めて支払い、ある人は怒っていさかい、ある人は無視して歩きすと反応は様々だがみんな怒ってたなぁ。あれに比べたら、こちらはちゃんと商売としてやっているのでまだましだが、料金についてはグレーなのでどうなっていることやら。

 さて、トラステヴェレのCARLO MENTAというレストランに到着したのは12時半過ぎだった。すでにテラス席は半分くらいが埋まっていた。

 暑いので空調のきいた店内に座ることにしてオーダーして料理を待っている間にも、観光客や地元のビジネスランチの人などで店内はどんどんと席が埋まっていく。

 ランチセットは、ブルスケッタ、パスタ、メイン、デザートで10ユーロ。コペルトもサービス料金も込みで飲み物だけ別料金という驚くべき低価格の上、パスタの量が多くてそして旨い。完全に当たりのレストランだった。ネットの口コミ情報はなかなかあてになる。

 昼食後は、またまたバスを乗り継いでヴァティカン市国のサン・ピエトロ大聖堂へと向かった。

 サン・ピエトロ大聖堂といえばカトリック教会の総本山。今朝は元総本山だったサン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂を見てきたから、カトリックづいているなぁ。

 現総本山は手前にサン・ピエトロ広場を控えている。横長楕円形の広場はぐるりと柱に囲まれ、その数284本だそうだ。ベルニーニによって設計されたというこの広場は、とにかく広くて一枚の写真におさまりきらない。どの部分を切り取って写しても、ここに立って広場を見渡した感じとは違うものになってしまう。そんなスケールだ。真ん中にはこれまたエジプトから持ってきちゃったオベリスクが建ち、その奥に大きなサン・ピエトロ大聖堂が控えていた。

 入口はすぐにわかる。というのも、ディズニーランドばりの大行列ができていたからだ。どれだけ待つのかと思いきや、案外するすると行列は進み、ヴァティカン市国を警らするスイス衛兵のピエロのような制服などを観察するうちに中に入る事ができた。

 内部は広い。今朝見たサン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂が手狭になって作られたというだけあって、幅も高さもぐんと広く大きな空間になっていた。この中にベルニーニやカノーヴァなどの作品がたくさん展示(法王のお墓や祭壇なので「展示」ではなく用途があるのだが)されていてゴージャスなことになっていた。

とにかく広い!

一番目立つのがベルニーニ作の「ブロンズの天蓋」。ねじれた太い柱の上の天蓋に午後の陽光がさして神々しいばかりだった。

天蓋の後ろにあるベルニーニ作「聖ペテロの椅子」のある空間。近づく事ができないのであんまりよく見えない。

天蓋の左斜め後ろにあるベルニーニ作「アレクサンドロス7世の墓」だったと思う。色違いの大理石を使っている大作で、幾重にも折れ重なった布地が石でできているとは思えない柔らかい質感を出していた。

天蓋を囲む4つの彫刻の1つベルニーニ作「聖ロンジーノの像」

ミケランジェロ作「ピエタ」はあまりに有名だろう。

フォンターナ作、17世紀の「スウェーデン女王クリスティーナの墓」

ウルバヌス8世と書かれているからお墓なのだろうか?しかし、ウルバヌス8世のお墓はガイドブックでは「聖ペテロの椅子」の隣にあるはずだから、むむむ、これ、何だったっけ?天使のポーズと表情がとてもいい。
  
左の「聖ペテロの像」は左足を触って幸せになろう!ということで記念撮影の人気スポット。足先は多くの人に触られてピカピカ。建物を出た所を見上げるとジョット作「小舟のモザイク」。右は内部のショットだが、とにかくどこに目をむけてもゴージャス。

 美術館ばりに名作揃いの大聖堂は見応え充分だが、いかんせん朝から観光し続けて頭がくらくら、足の裏がヒリヒリする。ということで、納得が行くまで見たとはいえないがとりあえず、この辺りで退却することにした。

 同じく観光に疲れた人々が座り込むヴァティカンの柱の根本で我々も休憩。足つぼマッサージをすると、いてててて・・・。かなり疲れている。

 でも、今日はもう少し頑張ろう。

 バスに乗ってアルジェンティーナ広場まで行き、そこからまっすぐ道を北上したらパンテオンだ。パンテオン近くになると、キリスト教の聖具や僧の衣装を扱う店が何軒か並んでいる。イタリアの他の町でもこういう店は見た事があるが、ここの店はミラノのスピーガ通りかと思うほどにファッショナブルなショーウィンドー。世界中の僧侶がここに来て最新モードをチェックするのかと思われるほどだった。

 近くのマクドナルドでアイスクリーム休憩。イタリアンジェラートは2年前にイタリアを訪れた時には田舎で1ユーロ、都会でも1.3ユーロで2クーゲル食べられたのに、今じゃぁ安くて1.5ユーロ、天然素材にこだわる所は2.5ユーロもしてくる。1.5ユーロのジェラートはイタリア人以外の移民による経営が多く、味も人工的な場合が多い。こうなると1ユーロのマックのソフトクリームの存在が俄然光ってくるのだ。各所でお世話になっている。

 一息ついたら目の前のパンテオンに入ってみる。かつては神々を祀る建物だったが、今は国家的な功労者を祀る場所になっていて、ラファエッロの墓やヴィットリオ・エマヌエーレ2世の墓などが安置されている。

半分修復中で足場がかかっていた。

ここも人気観光地の1つ。いつ来ても混んでいる。

直径9メートルもあるという天井の窓が小さく見えるほど、天井が高い。

ヴィットリオ・エマヌエーレ2世のお墓。

 パンテオンからほど近いサンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会は正面に象に乗ったオベリスクのある広場がある。象にオベリスクを乗せようと企画したのがベルニーニだが象は弟子の手によるものだそうだ。その後ろにあるのが教会で外観はシンプルだが、内部には素敵な美術品がたくさんつまっているという教会だった。

象の上にオベリスク。背後の教会はシンプルな外観

内部の天井の青さがとても美しかった

左側廊の入り口から3番目の礼拝堂

3番目の礼拝堂の中央にペルジーノ作「主イエス・キリスト」

1449年、ベノット・ゴッツォリ作「聖母子」

カラファの礼拝堂の中央にフィリッピーノ・リッピ作「聖トマス・アクィナス」

受胎告知の礼拝堂

受胎告知の礼拝堂中央にロマーノ作「受胎告知」

 主祭壇の左前にはミケランジェロ作「あがないの主イエス・キリスト」がある。

 そんなに大きな規模の教会でもないのに、これだけ著名な美術家の作品が並んでいてしかも入場料を取らないなんて「ローマ万歳」だ。

 この教会を見学して本当にクタクタではあったが、最後に帰り途に近いという理由からもう1つイエズス会の「ジェズ教会」を見て帰ることにした。

 イエズス会というとフランシスコ・ザビエルとすぐ頭に浮かぶのだが、それ以上のことは詳しく知らなかった。

 今回ジェズ教会を訪れるにあたってガイドブックでもう少し詳しい知識を得ることができた。

 「清貧」を誓って法王パウロ3世に承認されたイエズス会。教会の外観はとてもシンプルなのだが内部が驚くほど派手でゴージャスなのが面白い。遠近法を用いた天井のフレスコ画が特に立派で、床に鏡が置いてあり見上げなくともじっくりと観賞できるようにしてあった。壁の色がクリーム色ということと、天窓から日の光が入ってくるのっが相まって内部全体が金色のイメージになる。清貧を説いても教会が立派じゃないと信者が集まりにくのかなぁ。人の心をひきつけるというのは難しいものだ。

 ということで午後5時半。今日はここまでで終了としよう。


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