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2010.07.04
ローマ観光(6)〜ボルゲーゼ美術館
イタリア:ローマ

 ローマ観光6日目。

 今日も朝からおにぎりをにぎって、いざヴァティカン博物館!と出かけてみれば、今日は日曜日で休館。どうりで誰も並んでいないと思った。同じく間違えてきてしまった人たちも何組かいて、皆で照れ笑いしながら引き返すことになった。ローマは見所が多いので、考えているうちに閉館日や開館時間を間違えてしまうことがある。気をつけねば。

 まぁ、明日の予行演習だと思って、とりあえず次なる目的地を目指すことにする。

 さーて、どうしようか。

 ヴァティカンから近くてまだ行っていない場所・・・。とガイドブックを開いてみるとボルゲーゼ公園にあるボルゲーゼ美術館が近そうだ。地下A線でバルベリーニ駅まで行き、そこから小型電気バスの116番で近くまで行けそうだとバスに乗り込んだ。運転手さんに「ボルゲーゼ美術館まで行きたい」と告げていると、乗客の一人の男性が「私も美術館近くの停留所で降りるので大丈夫、教えてあげる」と言ってくれた。

 バルベリーニ駅からボルゲーゼ公園へは緩やかな上り坂になっていて、沿道には洒落たシックなマンションなどが並んでいる。この辺りは官庁や大使館、銀行、高級ホテルが並ぶらしく、まさに山の手な感じを出していた。

 山の手の通りを過ぎるとミニバスは公園内を走り、声をかけてくれた男性と一緒にバスを降りたら、美術館まで50mという所だった。いやー、便利、便利。こうしてすいすいと交通機関を使えるのも定期を持っているから。もしなかったら、その都度、タバッキにかけこんでチケットを買わなくてはならないので面倒だ。

 ボルゲーゼ美術館到着は午前9時46分だった。この美術館は9時から17時まで2時間ごとの入れ替え制度になっているので、私達は11時までしか観賞できないがそれでもいいかと聞かれた。ガイドブックを見たらそう書いてある。仕方ないのでちょっと短いが、1時間15分で観賞することにした。入場料一人10.5ユーロ。1時間15分の観賞にしちゃ高い入場料だが仕方ない。というか、マックス2時間の入場料としても高い美術館だなぁ。ウフィッツィは10ユーロで観賞に8時間かけたというのに・・・。

 さて、ボルゲーゼ美術館は17世紀の半ばに現在のコレクションを完成させたボルゲーゼ枢機卿の収蔵した美術品を展示した美術館だそうだ。

 内部は2時間もあれば見て回れる広さなのだが、その収蔵している作品のレベルの高さには驚いた。まず第一室ではカノーヴァの代表作「パオリーナ・ボルゲーゼの肖像」があり、肌の弾力、衣のドレープ、クッションのシワなどこれが石でできているとは思えない柔らかな質感に驚かされた。これはすごい。

 そして第2、3、4室ではベルニーニの傑作が次々と展示されていて、これがまた驚きの傑作ぞろいだった。「アポロとダフネ」では逃げるダフネが月桂樹に姿を変えていく劇的な瞬間の物語性を描き、「プルートとプロセルピーナ」ではプロセルピーナの腹と尻に食い込むプルートの手の部分がとても生々しく描かれており、いずれの作品も一瞬を捉えた凝固した時間の石の彫刻にもかかわらず、あたかもその出来事が目の前で起こっているかのような継続した時間と生命力を感じさせる素晴らしい作品で、ベルニーニがバロックの巨匠と言われるのを実感できるものだった。

左から「ダヴィデ」、「プルートとプロセルピーナ」、「アポロとダフネ」

 また第8室にはカラヴァッジョの作品がてんこもり。他にもラファエッロ、ペルジーノ、ロットと秀作揃いでものすごく質の高い美術館だった。

 1時間15分で全ての作品を見る事はできたが、充分に楽しむにはやはり2時間たっぷり欲しいところだった。時間になると館内を係員が回って観賞者の追い出しにかかる。本当に全員入れ替え制でやっている美術館だった。

 11時に追い出されてしまったので、さてどうしようかと公園内をぶらついていたら、公園の一角でドッグショーが行われていた。こういうのはテレビで見た事はあるが、実際に目にしたのは初めて。犬種ごとに集まって飼い主と一緒に品評会場をまわったり、障害物競争で競ったりしている。品評会を見ながら木陰のベンチで持参のおにぎりで昼食だ。

 品のいい山の手の町を通って、秀逸な美術品を鑑賞し、手入れされて愛されているワンちゃんのショーを見て、12時過ぎにはもう満足してしまった。しかも、とても暑くてこれ以上町を観光する気がしない。そもそも今日はヴァティカンだと勢い込んできたのがくじかれたのが始まりだったので、もうこれ以上は観光は無理だと早目に切り上げることにした。

 同じように116番のバスでバルベリーニ駅まで戻る。バスが通るヴェネト通りがバルベリーニ広場にぶつかる場所には、先ほど美術館で感動したベルニーニの手による小さな「蜂の噴水」という作品もある。かなり修復されてしまったそうだが、今でもここから出る水が実際に道行く人の喉を潤している、実用的な作品だ。3匹の蜂はバルベリーニ家の紋章だそうだ。バルベリーニ広場の中央にはベルニーニの大きな作品、「トリトーネの噴水」もあるがこちらの水は飲めない。
 

 午後1時50分、キャンプ場にもどるや水着に着替えてとにかくプールに飛び込む。

 ふーーーー、暑かった。

 ここで午後4時近くまでプールにつかったり、木陰で昼寝したりして、それはそれで至福の午後だった。

 夕方からレストラン裏手でメールチェック。無料のWifiが使えるキャンプ場はイタリアでも珍しい。と思ったら、ネットがつながらない。むむむ。

 ということで、明日は観光せずにネットに集中することに決定。なかなかうまくはいかないものだ。


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