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2010.07.02
ローマ観光(4)〜フォロロマーノとパラティーノの丘、それだけで限界
イタリア:ローマ

 ローマ観光4日目。

 今日は本腰を入れて一日全てを観光にあてた。ローマを代表するローマ時代の遺跡フォロ・ロマーノとお隣にあるパラティーノの丘、そしてコロッセオは3つ全部見る人がおおいためか、3つ全部見ろという意味なのか3ヶ所の共通チケット(一人12ユーロ、2日間有効)のみとなり単品購入はできないようになっていた。ということで、今日、明日はこの3ヶ所を巡るということになる。さーて、今日はどこまで行けるか?

 まずはキャンプ場からポポロ広場に到着。昨日、よく見られなかったカラヴァッジョを見るためにサンタ・マリア・デル・ポポロ教会に立ち寄った。入場無料だから気軽にカラヴァッジョを見られるという環境がすごいなぁ。

 ポポロ広場からバスでヴェネツィア広場に到着。1ヵ月定期を持っているので好きな時に好きな場所から乗れるのが便利だ。そうでないとイタリアの場合はタバッキで乗車券を買わなくっちゃならないなど面倒なのだ。

 今日も朝日に白く輝くヴィットリオ・エマニュエーレ2世記念堂を拝んで、左手に回り込んでいく。記念堂の裏手にフォロ・ロマーノがあるのだが、入口まで左手にはフォーリ・インペリアーリと呼ばれる別の遺跡群がある。フォロとはフォーラムの語源になった言葉だそうで、人々が集まって会議を行う場所らしいのだが、フォーリ・インペリアーリとは「諸皇帝のフォロ」という意味だそうだ。フォロ・ロマーノが手狭になったのでカエサルが私財を投じて近くにフォロを作ったのを皮切りに、各皇帝が次々にフォロを作ってこうなったのだそうだ。

白く輝くヴィットリオ・エマニュエル2世記念堂、左側から

トラヤヌス帝のフォロ。中央にダキア遠征勝利の場面を描いた記念柱。113年に建てられたんだって。ウワーオだ。

トラヤヌスのマーケット、2世紀初頭。今も使えそうな構造だ。

ネルヴァ帝が97年に完成させたフォロのミネルヴァ神殿。

 フォーリ・インペリアーリを見ながら歩いていると右手にフォロ・ロマーノの出入口があるので、そこから入場することにした。他にもコロッセオ側など出入り口はいくつかあるので、自分の予定に都合のよい出入り口を考える必要がありそうだ。

エミリアのバジリカ。紀元前179年、エミリア一族によって建造。床の大理石が少し残っていて410年の西ゴート族の侵入で焼けた時に溶けた銅貨の跡ってのを探したが見つからず。

クーリア。元老院が決定を下す場所。天井がとても高い。

クーリア内展示の床

クーリア内展示の彫刻

クーリア内展示の石棺

聖なる道から。右手奥にセヴェルスの凱旋門、正面奥に市庁舎

セヴェルスの凱旋門。203年にセヴェルス帝を記念して建立。

フォカスの記念柱。東ローマ帝国皇帝フォカスの像が乗せられていたそうだ。608年建造。

ラクス・クルティウス。「フォロの最後の沼地。ローマが窮地に立ったとき、時に、ここにい深い淵ができ、鎧に身を固めた英雄クルティウスが馬もろともこの淵に身を投げてローマを救ったという。」(「地球の歩き方より」)。その様子の石板が置いてある。

聖なる道から、サトゥルヌスの神殿(左)とその右手奥に名前がわからない3本の柱、一番奥が市庁舎。

サトゥルヌスの神殿。紀元前42年には建てなおされ、その時の基壇が残っている。

セヴェルスの凱旋門、再び。
門の裏側にまでびっしりと模様が彫り込まれている。

セヴェルスの凱旋門。セヴェルス帝が行ったパルティアとの戦いの彫刻もよく残っている。

手前の茶色の塊がロストリ(演壇)。高さ約3m、長さ12mもある。演説者はこの演壇に立ってフォロに集まった市民に話したそうな。拡声器とかあったのだろうか?

市庁舎側から見た聖なる道。両脇の大きな柱の跡を見ていると建物があったらさぞや見栄えのする立派な道だったろうと想像に難くない。

ヴェスタの神殿(左)とカストルとポルックスの神殿(右)。ヴェスタの神殿は4人後に6人の巫女が聖なる火を守っていた。巫女の任期30年、任期中に純潔を汚したら生き埋めだったそうだ。厳しすぎる。カストルとポルックスは双子神の名だそうだ。残っている3本の柱は紀元前6年にアウグストゥス帝が修復した時のものだって。

アントニヌスとファウスティーナの神殿。アントニヌス・ピウス帝が皇后ファウスティーナの死後141年に彼女のために建てた神殿。11世紀に神殿を利用して教会が建てられ、現在のファサードは17世紀初めに改修されたものなので、しっかりと残っている。

手前の芝生部分がヴェスタの巫女の家。修復中で入れなかったのでフェンスからのぞいて撮影。巫女たちの像は撮影している入口の左手にあって見えなかった。後ろはパラティーノの丘に建つ建物。

 朝10時に入場して、ここまで見て2時間経過。ガイドブックにあるフォロロマーノの見所75%が終了したという感じだ。丁度12時になったので、木陰で持参したおにぎりで昼食だ。真ん中辺りには水飲み場があり、飲み水を補給できるようになっていたし、50mくらい離れた場所にトイレもある。ということで、ヴェスタの巫女の家付近は木陰争奪戦の模様を呈して休憩したい人々であふれかえっていた。


マクセンティウスのバジリカ。306年にマクセンティウス帝が着工しコンスタンティヌス帝により完成。とにかく巨大で感動する覚える。あんな大昔に一体どうやって建てたのだろうか。

マクセンティウスのバジリカ敷地内にさりげなく転がっている柱。大理石だろう、不思議な模様が出ていて面白い。こういう柱が多用されていた巨大バジリカを見てみたいものだ。

聖なる道の終点に立つティトゥスの凱旋門。70年のエルサレムでの勝利を記念して81年に建てられた。

くぐって見上げると、鷲に乗った人間の彫刻がある。ティトゥスが死後に神格化したことを意味するんだそうだ。

 ということで、これにてフォロ・ロマーノ見学終了。15分の昼食休憩を含めて2時間40分かかった。ティトゥスの凱旋門の近くからパラティーノの丘への矢印看板があるので、それに従って引き続きパラティーノの丘見学へと進んだ。

 丘というくらいだから、フォロローマーのから階段を上ることになる。ここは政治や経済力のあった有力者が住んだ住宅地だったそうだ。まず、入口の庭園。庭園がどうこうというよりは、ここからのフォロ・ロマーノの全体像、そしてローマ市内のながめが魅力的な場所だった。

パラティーノの丘の入り口にはファルネジアーニ庭園がある。もともとティベリウス帝の宮殿があった跡に16世紀中頃、ファルネーゼ枢機卿が造園したそうだ。

右の写真はグロッタや噴水が配された階段で、上の写真は階段を上がった植物園の様子。

ファルネジアーニ庭園からの展望。修復中で入れなかったヴェスタの巫女の家が右下によく見える。

ファルネジアーニ庭園からの展望。他の建物と比べても右奥にあるマクセンティウスのバジリカの巨大さがよくわかった。

ファルネジアーニ庭園からの展望。コロッセオも見えるのだ。

ファルネジアーニ庭園からの展望。そして5倍ズームで望遠すれば、なんとヴァティカンのサン・ピエトロ大聖堂までも見える。

「アウグストゥスの家」って言われてもねぇ。でもまぁ、なんとなくキッチンとかリビングだったかなぁと想像できる。皇帝の家としては質素なんじゃないだろうか。

「アウグストゥス帝の妃リヴィアの家は壁画の素晴らしさで知られている」とガイドブックにはあるが修復中で全く入れず。じーっと中をのぞいてみたのだが、よく見えないし。残念。数年後に期待。

ドムス・フラヴィア。81年にドミティアヌスが造らせた大宮殿。。中央に8角形の噴水跡が残っていた。

何気なく転がっている柱の一部も、その朽ち方に年季を感じさせる。1800年とか前に造られたんだよねぇ、すごい。

パラティーノ博物館。もう気力が萎えそうだったが入って見たら意外にも面白かった。

博物館の展示から。床の大理石の装飾。とっても細かいはめ込み模様など、高い技術でしかも洗練されたデザインに驚いた。

 最後にスタディオと呼ばれる、おそらく馬場として使われた遺跡を見学してパラティーノの丘終了。ここからパラティーノの丘のサン・グレゴリオ通側出口まで歩いて10分くらい(途中でコロッセオがよく見えるポイントがあって興奮して時間がかかる)。結局パラティーノの丘を出たのが午後2時45分だから、見学に2時間くらいかかった。見どころポイントはフォロ・ロマーノに比べると少ないのだが、とにかく敷地が広くて時間がかかったのだ。

 のこすはコロッセオなのだが、もう気力がすっかり失せてしまったので、また明日。今日はこれにて終了だ。フォロ・ロマーノもパラティーノの丘もガイドブックなど解説があると想像がふくらんで実に楽しい。途中には無料で飲料水の出る水飲み場があるのでペットボトル持参で行ったからとても助かった。また、内部には飲食売店などがないので私達のように続けて見学するなら食料持参は必須になるだろう。

 真夏のフォロ・ロマーノ。どうなることかと思ったが、ペットボトルと昼食のおにぎり、帽子とサングラスでなんとか乗り切った。明日はいよいよコロッセオだ。


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