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2010.06.08
フィレンツェ観光(5)〜サント・スピリト地区
フィレンツェ観光5日目の今日は、ピッティ宮のパラティーナ美術館と近代美術館のコンビネーションチケットで見学(一人12ユーロ)、途中宮殿の中でサンドイッチの昼食、サント・スピリト地区散歩、ジェラート休憩、アジア食材店を見つけてラーメン購入しついでにビールも立ち飲み、マーブル紙のお店見学、「ITALIA SHOBO FIRENZE」という日本書籍を売る店発見、ローマ門近くのレストランを下見してキャンプサイトに帰るという内容だった。
朝9時5分にキャンプ場を出て戻ってきたのが午後5時5分。いわゆる観光名所は2ヶ所だったが散策で面白いお店を色々発見できた日だった。
さて、詳細は・・・。
今日は初めて川を渡らないで観光する日だ。といってもベッキオ橋のたもとまでは行くので目的のピッティ宮までは25分かかった。
午前中のピッティ宮は背中から朝日を浴びて撮影するとやや暗く写ってしまうが、パラティーナ美術館がすばらしくて午後になってしまうので、出てきた時には陽のあたったピッティ―宮を拝めるから心配ない。
ガイドブックを見ているだけでパラティーナ美術館の所蔵品の素晴らしさは想像できたが、加えて今回はカラバッジョ特別展も行われていたので尚更見応えがあって面白かった。展示はまずカラバッジョから始まった。名前は知っていたがあまりよく作品を知らない画家だったが、今回の強烈な展示で覚えた。それまでの絵画と違って背景が真黒あるいは見えないくらいに暗く描き、登場人物の活き活きとした表情と劇的な動きと明暗のはっきりした光の描き方で、静止画ながら時間を感じる。まるで動画を見ているかのようなインパクトを受ける絵画だった。カラバッジョを慕う弟子たちはカラバッジストと呼ばれるようだが、その弟子たちの作品も展示されていてカラバッジョ特有の世界を受け継いで面白い作品を生み出していた。しかし、やっぱり師匠が一番絵がうまい。うーん、カラバッジョ。本場はローマなのでローマ行きが俄然楽しみになってきた。
他にはラファエッロやティツィアーノなど期待以上に多数の素晴らしい作品が揃っている。ウフィッツィも素晴らしいけれど、こちらも見逃せない美術館だと感心しきりだった。
近代美術館の方は作品というよりは宮殿内の装飾が面白かった。部屋に彫刻があるかのようなだまし絵が壁に描かれている数部屋があるのだが、天井近くの壁には凹凸を途中までつけて、どこまでが絵画でどこからが本当の柱かが見分けがたくなっていたりして、おもわずじっくりと見てしまう。これらの部屋には解説パネルがあるのでそれと読み比べて1つ1つ見ているとどんどんと時間が過ぎ去ってしまうのだった。
こうして2つの美術館を見終えたのが午後1時半。4時間かかったなぁ。このチケットは当日内であれば何度も出入りできるので途中で昼食を摂って、再入場も可能だそうだ。でも興奮が途切れるのでサンドイッチ持参で良かったと思う。
ピッティ宮の別チケット扱いになる銀器博物館・衣装博物館・ボーボリ庭園の見学は後日にまわすとして、今日はサント・スピリト地区を散策することにした。
ピッティ宮の真ん中から垂直に北西に伸びるSdr.d.Pettiを歩いてサント・スピリト教会に向かった。ちょっと裏通りな感じなのだが入って2ブロック目の左角に人が集まっているピザ屋があった。GUSTOという店がやっているピザ店で、この先にトラットリアも開いている。お客さんは観光客と地元民と半々くらいで、注文を聞いてから生地をピザ状にするのでできたてだ。後日入ってみたがテイクアウトと店内で食べるのが同じ値段で、生地はもっちもちで非常においしくて、2回も行ってしまった。
GUSTO PIZZAの数軒先にガイドブックにも掲載されているトラットリア・カーザリンガがあり、こちらは入らなかったが2度ほど通りかかっていずれもイタリア地元民とみられる客でいっぱいだった。
ということでピッティ宮からサン・スピリト教会に向かう道で2軒もよさそうな店をみつけてしまった。
サン・スピリト教会にはフィリピーノ・リッピ作「聖母子と聖ジョバンニーノ」とミケランジェロ作「十字架像」があるそうで、小さな協会なのに無料でこんな作品が見られるのだが、残念なことにシエスタで閉まっていた。かわりといっちゃぁ何だが教会前広場に面したバールで、渋いイタリアおっちゃんにジェラートを作ってもらって食べたのだった。このバールの並びにも気軽な昼食を出す店が何軒か並んでいてどこも繁盛している。アルノ川を超えてしまって観光客の数も減り、あまりにツーリスティックに過ぎない。またこの広場は午前中は市が立つ場所で庶民的で肩の力が抜けた雰囲気がある。お昼ご飯にランチセットを食べるならこの辺りがいいと思った。ただし、周囲を歩いている人々はリプブリック広場あたりに比べるとずっとラフというか、ちょっと柄が悪い感じになっていた。
ここからV.S.Agostiono通りをサンタ・マリア・デル・カルミネ教会に向かうと右手に中国人が経営するミニスーパーがあった。お馴染みの出前一丁やその他アジア食材があるだけでなく、コカ・コーラやビール(660mlで1.5ユーロ)なども川向こうの店よりも安い。「冷えたビールを買ってここで飲んでいい?」と聞くとすぐにせん抜きを出しながら快諾。勝手にバール代わりに使わせてもらった。たぶんフィレンツェで一番安くビールを飲めるポイントだ。ついでに出前一丁も買った。
この通りで見つけたもう一つのお店がマーブル紙の店。水に油性絵の具を垂らして細い棒でひっかくと色が一様にひっぱられて大理石のような模様を作るのでこう呼ばれているのだが、しおりやえんぴつ、ノートや日記帳、ブックカバーなど文具品になったものから、単純に紙として販売されているものもある。
フィレンツェではよく見かけるマーブル紙の店だが、今回足を踏み入れたのは初めてだった。で、気が付いたのだがマーブル紙ってこんな小さなお店でも自家製で作っている。店内にテーブルがあって、明らかに材料と思われ絵筆や絵の具が置いてあった。漠然と、どこかで作って店では販売しているだけだと思っていたが自家製となると店ごとに模様も違ってくるだろうし、だからなかなかのお値段が付いているのかと納得した。
次の目的地サンタ・マリア・デル・カルミネ教会には若きダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエッロなどが足繁く通って研究したというマザッチョの作品があるという。こちらは入場料を徴収するかわりにシエスタはないとおもっていたら、何の都合か今日は閉館。やれやれ。ついていない。
この時点で午後3時近くなってしまったので、本当は川を渡った向こうにあるオーニッサンティ教会にあるギルランダイオや彼とボッチチェリの競作は積み残しになってしまった。ま、また次回だなぁ。
ここからローマ門までViale Francesco Petrarca通りを歩いてローマ門近くのピッツェリアの下見に行くことになった。このピッツェリアはタビゴコローズという世界一周している夫婦がフィレンツェ在住の日本人に連れて行ってもらったという店でとてもおいしかったとサイトに書いていたので興味をもったのだった。
Viale Francesco Petrarca通りは左手に公園の壁が続き、右側はツーリストには関係ないような商店や車の整備工場などが並んでいる日常エリアであんまり面白くないなぁと思いながら歩いていると、ふっと「Giapposesi」という文字が目に入った。日本書籍と日本に関するイタリア後書籍を販売するお店で中では在住の日本人女性が懸命に在庫処理をしていた。お客さんはこの時は日本文化に興味のあるイタリア人ばかりだったが、在住日本人も多く買いに来るのだそうだ。少し古本も置いてあって新書も古本もとてもリーズナブルな値段だった。ここからローマ門までは徒歩10分くらいだっただろうか。
目的のお店はローマ門からSenese通りに入ったAntica Portaというお店だったが、残念ながら夜しか営業していないようだ。地元の人しか行かないようなお店はなかなか探せないので来てみたかったがわざわざ夜にここまで来るのは難しそうだった。
こうしてサント・スピリト地区の散策を終えて、本日の観光は終了。午後になって正面から陽を浴びるピッティ宮を撮影してからキャンプ場に戻った。
いやー、今日はよく歩いた。5km以上は歩いたと思うな。お陰で今宵もBBQでトスカーナ牛をペロリとたいらげてしまったのだった。
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