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2010.06.07
フィレンツェ観光(4)〜サンタ・マリア・ノヴェラ地区
イタリア:フィレンツェ

 フィレンツェ観光4日目の今日は、ストロッツィ宮前を通ってサンタ・マリア・ノヴェッラ教会に行き見学(一人3.5ユーロ)、教会付属の薬局を見学、郵便を局留めで送ってもらうための手続き確認のため中央郵便局へ行き、ネット電話屋から用事のある場所に電話し、中央市場で昼食。市場とその周辺の衣料品屋台を見学して今日は早めに終了。キャンプ場に戻ってから車でスーパーまで食材の買い物。夕食後、ベッキオ橋近くのステファノ教会のコンサート観賞という内容だった。

 朝8時40分にキャンプ場を出て戻ってきたのが午後1時半。今日は観光というよりも用事を済ませるのに時間を割いた一日。

 さて、詳細は・・・。

 ストロッツィ家に行くにはベッキオ橋の西側にあるサンタ・トリニタ橋を渡った。初めて通る道には、見た事のない面白い装飾が見られて有名観光どころではないが思わず足を止めてしまう。特に、トルナブオーリ通りに立って右にスパーダ通り、左にヴィーニャ・ヌオーヴァ通りをのぞむ場所はファッション雑誌のフィレンツェ特集にでも出てきそうな場所。トルナブオーリ通りは一流ブランドショップが並ぶ通りでもあるので、こういうかっこいい場所はお洒落な人が闊歩するのに似合う場所でもある。朝9時前はまだ店も開いておらず、そういうファッショナブルな人は歩いていなかった。

商店の入っている建物の角に小粋な水飲み場が残っている

サンタ・トリニタ橋は両脇に彫刻がある

右手にサンタ・トリニタ教会のある一角

トルナブオーリ通りに立って右にスパーダ通り、左にヴィーニャ・ヌオーヴァ通りをのぞむ

 ストロッツィ家はこんな洒落た町並みの中にドーンと大きな敷地を使って立っていた。

 16世紀の前半に完成したルネッサンスのパラッツォ建築の代表ともいえる建物はシンプルな長方形だが、午前中の日に照らされてとても美しい構えだった。



 ここを通って5分ほども歩くとサンタ・マリア・ノヴェッラ教会が見えてくる。大きな前庭の美しい緑の芝生を前景に可愛らしい模様と形の教会だった。

 内部にはフィリピーノ・リッピ作「聖ヨハネとピリポ伝」がストロッツィ礼拝堂の壁に描かれ、その隣の中央礼拝堂にはギルランダイオ作の「聖母マリア伝」と「洗礼者ヨハネ伝」のフレスコ画が壁を埋め尽くしている。その他にもブルネッレスキの十字架像など美術館といっていい程の有名な作品を所蔵している教会だった。入場料金を払うといってもかなり良心的な値段だと感じられるボリュームの作品がある。ここではギルランダイオという画家の作品を熱心に見てみた。こんなに壁を埋め尽くすボリュームの絵を描くというのは並大抵の労力ではないのだが、それがまた素晴らしいというレベルに達しているというのがすごいなぁ。毎日、毎日、素晴らしい作品を見て頭の中は飽和状態なのに写真を撮って記録に残せないというのは本当にいらつく。デジタル時代になる以前は撮り放題だったのになぁ。

 教会の素晴らしい作品を堪能してから向かったのは、教会付属薬局だ。教会とはちょっと離れた場所にある。ガイドブックの投稿者の欄に「薬局を訪ねることが欠かせません」と書いてあり、欠かせない程素晴らしい薬局とはどういう事か気になったので行ってみたのだった。少しわかりにくいが入口の上部に確かに薬局と書かれた場所に入ると静謐な空間で様々な品物が販売されているちょっと不思議な場所が見つかった。

 売っている製品は石鹸やコロンや香水など天然素材を使った上質なものだった。コンセプトはフランスのロキシタンと似ている。

 お値段は香水にしてもコロンにしても、宣伝費をうんとかけている有名ブランドの物と比べるとずっとお安い。歴史があって天然素材で安いときたら「とっておきの人へのプレゼント」にぴったりではないか。というわけで、お金持ちそうな日本人の奥さまがシャラーッとユーロ札びらを切ってお買いものされていたり、この製品とはちょっと縁が薄そうな日本人男性2人が日本の雑誌で紹介されている製品を指さして購入していたり、日本人にかなり人気の場所らしかった。

 次はここから徒歩圏内のリップブリカ広場に面した中央郵便局に向かう。使っている銀行カードの期限が切れそうなので、この郵便局宛てに「局留め」で送ってもらおうと思ったのだった。

 郵便局さえもパラッツォのような作りで思わず観光の続きの気分になるのだった。局留めはこの建物ではなく、裏手に回った別の入り口から入る場所にあった。

 入って行くと「ノー、ノー、ここは普通の人が来る場所ではありません」と係員に追い出されそうになったのだが、幸いにも英語が話せるお客さんがいて、私たちの通訳をかってでてくれた。局留めにしたい場合は、受取人の名前を書き、その下にFermo Posta、それから受け取る郵便局の名前と住所を書けばいいらしい事がわかった。追い出しそうにしていた係員の女性も、ちょっとがらっぱちに見えたのだが言葉が通じると俄然親切で色々と教えてくれたのだった。観光も面白いが、こういう生のイタリア人とのコミュニケーションというのも人柄がわかって面白い。ツアーでは味わえない自由旅行の醍醐味の1つだ。

 局留めは今までオーストラリアでも行った事があるが、あの時はPosto Restanteとフランス語をそのまま使っていたがイタリアではFermo Postaと呼ぶという事が今回の収穫。別の町で受け取ることになってもFermo Postaの場所はどこかと聞けば大分話が早くなる。

 郵便局に寄った足でインターネット電話屋まで行き銀行に電話すると、すでに新しいカードは送付済みとのことで間に合わなかった。まぁ次の手を考えよう。

 今日はお昼ご飯を中央市場内部か周辺で食べようと思っていた。中央市場に到着するなり角にトリッパ(牛の胃袋の煮込み)屋台が目に入った。イタリア語、英語、スペイン語、日本語、韓国語、中国語など各国の言葉で「ここのトリッパはおいしいよ!」と書いてある。20年以上前にここに来た時から(この店かどうかは定かではないが)、この場所では必ずトリッパ屋台があった。

 そうそう、まだトリッパを食べてなかったなぁと早速お昼はトリッパサンドに決定。1つ3ユーロでなかなかボリュームのあるサンドイッチだった。

 中央市場はどちらかというと食品お土産物屋の集積という感じの場所で、地元の人が買い物に訪れる市場とはちょっと違う。しかし、ここに来れば私達がキャンプ場のような本当に地元民が買い物をするスーパーよりももっと素敵なパスタや高級なパスタソースやジャムなどが売られているのでお土産物探しには便利な場所だ。値段もこなれていてスーパーと比べて高いパスタはそれなりに手が込んでいるので納得の値段だった。ただし、中にはスーパーでも買える品物が割高に売られている場合もあるので値段は要チェック。街中のスーパーにはなくてここでしか見なかったのがチンギアーレというイノシシの生肉だった。チンギアーレはジビエの類なので街中の肉屋には年中並ばない。市場のチンギアーレが養殖なのか去年の冷凍物なのか判断がつかないので買わなかったが、この肉で自分でラグーを作ってチンギアーレのパスタを作ってみたかったなぁ。

 市場内では少なくとも3人の日本人女性店員を見かけた。市場の規模の割に多いので一人の日本人店員に「日本人が多くて驚きました」というと彼女も在フィレンツェ8年になるがここ数年で急激に日本人が増えたと言っていた。日本が不況なので海外に職を求めて日本を出る若者が増えているような気はしていたが、ここもそういう場所の1つなのかもしれない。

 今日は食糧買い出しに行かなくてはならないので午後1時前に観光を終了。といっても私達にとってはスーパーの品物を1つ1つ見るのもかなり面白い観光になっている。今日も肉コーナーに燦然と輝くキアナ牛のTボーンステーキ(1kg19.8ユーロ)を横目でみつつ、何か面白い物はないかと棚1つ1つ物色。以前から気になっていたのがチンギアーレ(イノシシ)やレプレ(ウサギ)などといった変わった肉のトマトソースの瓶詰めだ。茹でたパスタに和えるだけというこのソースを今日は買ってみた。今までの町歩きからチンギアーレやレプレは幅が3cmもありそうなきしめんのようなパッパルデッレに合わせているレストランが多かったのでパッパルデッレも購入した。

 帰って夕食を済ませたら、今夜はコンサート、コンサート。

 ベッキオ橋を渡ってすぐのステファノ教会であるので、キャンプ場から再び徒歩ででかけた。

 昼間のうちに見にいった時は扉がしまって今夜のコンサートの予定だけが張り紙されていたステファノ教会も、コンサート開始1時間前に行くと扉が開いて、その前に机1つとおじさん一人と犬が一匹いた。

 おじさんからチケットを買って夕刻のレプッブリカ広場で時間をつぶしてから教会に戻った。

 今日はバイオリンとピアノフォルテとテノールという組み合わせのコンサートで、最近聞き始めたパガニーニの曲をやると書かれてあったのが魅力だった。

 3人とも20代後半から30代の男性で、バイオリンがリーダーらしく最初の挨拶から途中の曲の紹介などMCをしながらの演奏だった。曲は年代が古い物から新しい物という順番で演奏された。曲もかなりメジャーな物が多いのに加えて、単に曲目と作曲者をいうだけでなく、時代背景や前の曲とのつながりやエピソードなどを交えての説明だったのがよかった。MCの素人っぽさが音楽を勉強している友人が演奏会を開いているような素朴な雰囲気を出していて誠実な感じ。時にあまりにも商業的すぎて心がない演奏会に安くない料金を支払ったこともあるが、今日の演奏会はそういう意味では真摯な演奏でよかったし、パガニーニ他難しいパッセージの曲を引きこなしてしまうバイオリニストの腕前に感心したのだった。こんなに上手くても世界で有名というわけではない。バイオリンの世界は本当に難しいんだろうなぁ。
 

 帰りはベッキオ橋の隣の橋を渡りながら帰ってきた。ベッキオ橋近くの夜景はしっとりとして美しい。

 ここからキャンプ場まではミケランジェロ広場への人通りの少ない丘の道を通る。夜中近くて大丈夫かと思っていたら、夜11時近くでもこの通りを通る人がいて、ミケランジェロ広場はイタリア人の若者でいっぱいだった。


 ということで本日も終了。


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