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2010.06.02
ピノキオテーマパークのあるコッローディと中世の趣を留める町ルッカ
イタリア:トーレ・デル・ラーゴ・プッチーニ

 今日はフィレンツェの東でピザの北側にあたるコッローディとルッカを訪ねた。ルッカは城壁が完全に残っていて遊歩道として上を歩ける町なので晴れたら歩いてみたかったのだが見学の途中から大雨が降ってきて断念。またいつかチャンスがあったらゆっくりと訪れたい町だ。

 最初に向かったのはコッローディ。ピノキオの作者のカルロ・ロレンツィーニのペンネームにもなっているこの村の名前は、彼の母親の出身地だそうだ。それで、ピノキオテーマパークがある。

 町への方向指示よりもピノキオテーマパークへの看板が目立つコッローディにとうちゃくすると大きなピノキオが迎えてくれた。


 一人EUR11と決して安くない入場料を支払って中に入ると、内部は林の中に作られた遊歩道になっていて所々にピノキオに登場する人物の彫刻が置いてあったり、子供たちが無料でお絵描きできる小屋や軽食を食べられる場所やピクニックできる場所がある。


 もう入園してからものの10分としないうちに、ややしくじった感が高まってきた。ここはどうみてもお子様のための施設であって、こんな中年二人が訪れる場所じゃぁなかった。入口にあった土産物屋にはピノキオの実写版映画のDVDが販売されてなんと総時間5時間にも及ぶ大作。このDVDを子細に見てからだったら十分に楽しめるかもしれないが、子供のころのおぼろげな記憶をたよりに訪ねるには理由が弱すぎた。

最初の公園には大きなチェス版がある

小屋の前に人形でピノキオの物語の場面が見られる

くれよん使用無料でお絵描きできる。ただし子供に限る。

通せんぼの彫刻

これ、一番面白かった。
嘘をついたピノキオの耳が伸びる場面だと思うが
どうみても道頓堀の何とか人形みたいで哀愁がある。

これはわからない。

 それでも私たちなりに楽しいポイントをみつけて健気に遊んでみた。

 10時半を過ぎると子連れの親子の団体が何組もやってきてテーマパークはやっとそれらしい賑わいを見せ始めてきた。わけのわからないキャラクターの銅像も子供が入ると途端に絵になる。子供たちはおおはしゃぎで楽しんでいるのがいい。ちょっと古びたようなこの施設は浅草の花やしき遊園地を思い出させる。子供がいるか、ピノキオフリークな人ならレトロなこの場所を楽しめるだろう。

 11時にはここを去ろうと駐車場(無料)に向かうと、ぞくぞくと親子連れがやってくる。ここのチケットは親子タイプの割安チケットを販売しているし、丘の上のお城と庭園やバタフライハウスとの組み合わせチケットも販売している。一日中楽しめるので結構な人気な場所らしかった。
 

 さて天気は下り模様だが一路ルッカへ向かう。コッローディからはほんの30分くらいの距離だ。サンタ・マリア門の隣のヤコポ門近くに車を停められたので、そこから見学開始だ。家と家の間をつなぐ門がいかにも中世の街並みという風情を出しているサンタ・マリア広場の裏手を通ってサン・フレディアーノ教会へ向かう。ファサード上部のモザイクがとても目を引く教会だった。

 この教会の反対側にはアンフィテアトロ広場がある。ローマ時代の円形闘技場後だが、楕円形を取り囲むように建物が建っている広場で湾曲率の高い部分では建物が湾曲しているというのが変わっていて面白かった。



 教会と広場の間の通りフィッルンゴ通りは洒落たお店が並ぶ細い小路で人通りが多い。

 と、ここで今にも落ちそうだった雲から大粒の雨が滴り始め、みるまに大雨と雷の空模様になってしまった。ルッカは、古い門の下、シエスタで閉まっている店の軒先など雨宿りできるような場所がたくさんあって助かった。私達が雨宿りしていた靴屋の軒先にも5〜6人が雨宿りしていたが、そこにすかさずやってきたのが黒人の傘売り。こんな所で誰が買うかと思いきや、洒落たイタリア人カップルの男性が買うと言う。長い傘が10ユーロと聞いて顔をしかめた紳士は折りたたみ5ユーロと聞いて買うことにした。長い傘は折りたたみを安いと思わせる作戦だなぁ。日本だったら百均で売ってそうな傘を5ユーロで売るのは機を見た黒人の手腕だ。お洒落紳士だから買うんだろうなぁ。ドイツ人や
アメリカ人のおばちゃんはスーパーの袋をかぶって歩いているもの。

 そんな様子を楽しみながら20分後に突然雨がやんだ。フィッルンゴ通りから途中西に折れてグイニージの塔へと向かった。細い通りから塔を見上げると一番上に樹木が生えている。天気が良ければのぼって周囲の景色も楽しめようが今日は無理だな。

 グイニージ塔から右に折れてその名もグイニージ通りをまっすぐ歩けばドゥオーモにあたる。雨はやんだものの曇天を背景のドゥオーモは昨日の素晴らしく美しいピサのドゥオーモの記憶が新しいだけにどうも魅力的に見えなかったのが残念だった。しかし正面左扉上部のニコラ・ピサーノによる素晴らしい浮き彫りや、重い物を背負っているようなグロテスクおっちゃんの彫刻など子細にみると面白くて素敵な彫刻がたくさんある聖堂だった。
 

 ドゥオーモを背にして右手に見えたサン・ジョヴァンニ教会の前には、ここで1864年にプッチーニの葬儀が行われた教会だという説明看板があった。プッチーニは先日訪れたトーレ・デル・ラーゴで暮らしていたが生まれはここルッカなのだった。

 教会では夜にプッチーニのコンサートも行われているようでルッカに滞在していたら聞きに来られたが、キャンプ場のある町からは遠くて無理だった。

 生家は博物館になっているがガイドブックに「2009年5月修復のため閉鎖」とあって行ってみるとやはりいまだに閉鎖中で入れなかった。

 プッチーニの生家の近くにあるサン・ミケーレ・イン・フォロ教会も素晴らしい。ピサのドゥオーモと似た形だがピサ・ルッカ様式のロマネスク建築だそうだ。ピサのドゥオーモと違うのは3階層から上が正面の壁だけで後ろに続きがないこと。横から見るとちょっとハリウッドの模型の町のようなことになっている。後部までお金が続かなかったんだろうか。その代わりといっちゃあなんだが、正面のど真ん中の一番高い場所にいる大天使ミカエルが異常にでかい。何であんなに大きくしたのか。更に天使の顔がでかいし顔もおっさんくさい。うーむ、どうにも笑えるのだった。それにしても2階層から上の柱は1本1本が異なるデザインになっていて大変に凝っているて素晴らしかった。天気が良かったらもっと美しく見えただろう。

 プッチーニの生家は閉鎖していたがその前にはプッチーニの銅像があり、周辺にはプッチーニにまつわる名前のカフェやレストランが見つかったのは面白い。トゥーランドットまで来ているなら是非マダムバタフライという日本料理屋も作ってもらいたいものだ。

 天候がすぐれないので急ぎ足に見て回ったルッカ。本当はもっと時間をかけて歩きたい趣のあるいい町だった。午後2時、駐車場に向かう途中でまたもや雨が降り出し車についた時はかなり濡れた。ウィンドブレーカーを持ってくるべきだったなぁ。午前中市場が開かれていた門の周辺はゴミ箱を残して人っ子一人いない。雨に濡れて走りながらも、「そうそう、キャンプ内でちょっと物を置ける棚が欲しかったんだ」と果物の木箱を2つ頂戴した。悪い事ばかりでもない。


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