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2010.05.30
プッチーニ邸宅博物館
今回キャンプ場として滞在することに決めたトーレ・デル・ラーゴ・プッチーニは町の名前にプッチーニとついていることからもわかるように、あのオペラ「蝶々夫人」や「トゥーランドット」を作曲したプッチーニが気に入って移り住んだ町である。
キャンプ場から車で10分くらいの所にある湖沿いにかつてプッチーニが暮らしていた邸宅があり、今は博物館になっているというので午後から見学してきた。
午後2時に到着してみると博物館は午前の部が終了して午後は3時からだというので時間つぶし。邸宅は本当に湖から30mくらいしか離れていない場所で、その湖はかつては美しかったのかもしれないが今は濁ってそんなに美しいわけではないが、定期便の観光遊覧船が出ている。こんな湖を遊覧する人なんているのかしら?と思っていたら、案外大勢の人が乗りこんでいったのには少し驚いた。
湖の左端には小さなヨットハーバーがあり、その向こうに何やら舞台設定のような物が見える。以前、DVDでこういう湖上にステージを設けたオペレッタを見た事があったが、そういう類なのだろうか。興味が面白そうなので近くまで見に行くと、やはり7月から行われる夏のオペラやバレーがあるようだ。オペラはずらりとプッチーニ。湖畔の夜風に吹かれながらプッチーニを見るなんていいなぁ。いつか来てみたいものだ。ということで邸宅付近に戻って、プッチーニ氏の銅像と記念撮影などしているうちに午後3時になってきたのだった。
午後3時。邸宅の内側から人が出てきてカギを開けて開門。その辺りで待っていた人がわらわらと10人くらいも集まった。邸宅内は写真撮影禁止だということで外観の写真しかないが、内部はプッチーニ氏が作曲を行っていた部屋、寝室、息を引き取ったベッド(亡くなった病院から遺族がベッドをこの邸宅に取り寄せた)、本人や所縁の人々の肖像画や写真、直筆の手紙や楽譜、有名オペラ歌手からの手紙などが飾られていた。
全ての部屋はガイドと一緒に解説付で回ることになっていて、一つ一つの部屋でのエピソードが見ている部屋に息吹を与えプッチーニを身近に感じられて良かった。たぶんラ・ボエームからの勝手な想像でちょっと貧しいような苦学生のイメージを持っていたのだが、実はとてもお洒落で早くから成功して余裕のある生活を送っていた作曲家だった。以前ヴェルディーの生家や後に住んだ邸宅を訪れたが、作家の生い立ちや実際の生活を知るというのはなかなか面白い体験だ。こういう生い立ちとキャラクターの人がこんな曲を書いているのねぇと知りながら曲を聞くとまた違ったイメージがわいてくるからだ。
この後、イタリアではロッシーニの生家も訪れる予定だ。
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