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2008.09.06
アルペ・ディ・シウジでの一日
イタリア:ボルツァーノ

 昨日の観光案内所での情報をもとに今日はアルペ・ディ・シウジを一日観光してきた。アルペ・ディ・シウジは広い範囲に渡って周囲から丸く持ち上がった台地で台地の上は真ん中がすり鉢状になった丘陵地帯になっている。ボルツァーノからはいくつか行き方があるのだが、私たちは台地のふもとにあるシウジという町まで車で行き、そこからロープウェイでアルペ・ディ・シウジに上がって台地の中をバスや徒歩で楽しむことにした。

 ボルツァーノの町をはずれた所から「アルペ・ディ・シウジ」と標識が出ている道に入ると途端に道幅が狭くなりトンネルを抜けたりしながら高度をあげていく。視界が開けた場所に出ると、辺りはすっかり山の中の景色になっていた。途中いくつかの町を通過しながらシウジに近づいてくると、朝の強い光をバックに高い山々の姿が目の前に広がってきた。

 アルペ・ディ・シウジはこれらの山々の向こうにあり、シウジへは大きく右に迂回して午前10時8分に到着した。ボルツァーノのキャンプ場から約1時間の道のり。もっとも途中で景色の良い場所での写真撮影などしていたのでバスで来たらもっと早く着けるかもしれない。





 シウジの町には立ち寄らずにアルペ・ディ・シウジへのロープウェイ乗り場に直接行くと広大な駐車場になっていて駐車料金は無料だった。スキーなどのスノースポーツも楽しめるようでチケット売り場にはロープウェイの上に上がってからのリフト券との抱き合わせの「スキーパス」などの文字も並んでいるが、夏場はロープウェイの往復チケットと上でのバス乗り放題が組み合わせになって13ユーロとかロープウェイ片道券だけの販売になっていた。私たちは往復プラス山の上でのバス乗り放題のチケットを購入した。車があるのでここに戻って来なければならないからね。

 ロープウェイは8人乗りくらいでどんどんと出ている。乗り合わせたメンバーはドイツ人とおそらくイタリア人だと思われるが全て会話はドイツ語だ。こういう状況を見るとボルツァーノってのはもうドイツ圏といっても過言ではない気がする。本格的にトレッキングするつもりの男性、4時間くらいハイキングするつもりだという60代くらいの夫婦などが一緒だった。

 ぐんぐんと高度を上げているロープウェイの窓からは右前方に大きな岩山が見えてくる。ピークが2450mのシェレルン・シリアーと読むのだろうかShlern Sciliarだ。ロープウェイを降りて目の前の草原の遥か向こうに見えている塊は3181mのサッソルンゴSassolingoが見える。

 結局アルペ・ディ・シウジというのはこの2つの大きな岩山をメインに周囲の山々を遠くに近くに楽しみながら素晴らしく青々とした緑の草原をハイキングするということになる。

 観光案内所で地図を広げて、あまり厳しくないハイキングで人気がある場所を教えてほしいと係員に相談したところ
・一番景色が楽しめるのは、PUFLATSCH BULLACCIAという2147mの山からの眺望。全体が見渡せる
・二番目に人気のハイキングは観光案内所からバスあるいは徒歩でもっとサッソルンゴに近づいて目の前の山にリフトあるいは徒歩で上がるコース
という答えだった。

 私たちは素直にこの助言を取り入れて、この2ヵ所を巡って今日を楽しむという計画にした。午前中はサッソルンゴが逆光で暗く見え、シェルン・シリアーが順光で美しく見える。そこで最初に一番人気のコースからシェルン・シリアーの景色を楽しみ、お昼ご飯を食べて午後になってきたら同じ山からサッソルンゴの景色を楽しんで、最後に2番目に人気のコースに行くことにした。全てあるいてこなす事もできるのだが、今日の私たちはそんなに歩くムードではない。最初の山にリフトであがって徒歩で下り、次の山まではバスで移動してリフトで上り下りして再びバスで観光案内所まで戻ってくることにした。

 シウジでロープウェイのチケット購入時にもらった地図に加筆して説明すると以下のようになる。@のコースでは黒い線がリフトで赤い線が徒歩。Aのコースでは青い線がバスで黒い線がリフト。地図にはそれこそあらゆる谷や山に徒歩で歩ける赤線が引かれていて、アルペ・ディ・シウジに宿泊しながら毎日ハイキングが楽しめるなぁという感じだ。今日の私たちは超ラクチンコース。


 最初の山に上るリフト代金は片道4.5ユーロ、バス代金はロープウェイ代金に含まれており、2回目の山への往復リフト代金は11ユーロだった。ユーロ高(1ユーロ180円近い)の折、かなり高い出費にちょっと息がはぁはぁしてしまった。

 道はわかりやすく歩きやすい。至る所に表示があり詳しい地図ももらえているので迷うこともない。ヨーロッパというのは何と整備された環境だろうかと驚くばかりだった。ということで、あえて詳しく説明することもないので、それぞれの場所からの写真を掲載するに留めたい。

○最初のリフトとリフトを降りた場所にある展望台からの眺め

スキーリフトで一気に高い場所まで行ける。楽チンだなぁ。

リフトからは野原の向こうに段々とシェレルン・シリアーが
全容を見せてくる。

サッソルンゴの左側には山がどこまでも脈々と続いていた。

昼前のサッソルンゴは逆光、後で撮りなおそうっと。

○リフトを降りた展望台からPUFLATSCH BULLACCIAの上を歩いた風景

峠の茶屋という感じの趣でレストランがあった。

こんなに多くの人が休憩しているとは!

いかにもチロリアン的な休憩所の構えが可愛らしい。

アルペ・ディ・シウジの縁の展望台からは
どーんと下がった眼下に町や野原が広がっていた。

「ハイジー!」「ペーター!」「おじーさーん!」と叫びたくなる。

回り込んで再びサッソルンゴの大きな姿に向かって歩く。

山を降りて観光案内所の向かう途中の風景。アルペ・ディ・シウジの丘陵地帯の向こうに大きく見えるサッソルンゴは絵になる。

 リフトを降りてからお昼ご飯のサンドイッチを20分ほどで食べ、普通の速度で歩きながら展望台や見所で立ち止まって写真撮影。そんな調子で観光案内所まで1時間半の道のりだった。

○観光案内所付近の様子

馬車に乗って移動(別途有料だが)という方法もある。

またしても大勢の人々が休憩中。私たち以上に歩いていないと
思われた。

○Aのコースのリフトからの風景

○リフトを降りてからの風景
 リフトからの風景とあまり変わらないのだが、サッソルンゴがより巨大に目前に見えた。ここから更に上にハイキングルートがあるが時間切れ。ここは標高が高いためにかなり寒い場所で、早々に下に降りることにした。


○観光案内所に戻るバスの中からの風景
 Aのリフトから観光案内所までは歩くとかなり距離があるし景色もあまり変わらないので全部歩くのは退屈だと思う。しかし、牧場とサッソルンゴのバランスが一番美しかったのがこの道中。もっと時間に余裕があれば「いいぞ!」と思った場所でバスを飛び降りてじっくりと撮影できた。この写真はバスの中からなので、ややピントずれ。残念だ。



 こうしてバスで観光案内所に戻り、そこからロープウェイでシウジまで降りてきたのが午後4時16分。朝10時にロープウェイで上に上がったので約6時間の滞在だった。見える風景にあまり違いはないのだが、遠景、近景の妙に加えて光線の具合が朝晩で変わってくるので1日じっくりいても飽きるということはなかった。バスや馬車、リフトが整備されていて本当に杖をついたお年寄りから赤ちゃんまでごっそりと遊びに来ている。ヨーロッパ以外の地域ならばここまでのぼってくる事が大変なので、こんなに大勢の人がこういう場所にいることはまずない。今までそいういう国でばかりの体験だったので、今回の体験はある意味新鮮でもあった。


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