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2011.07.09 Vol.1
寒い!ラーメンくださーい。
それにしても今年の北フランスは天候が崩れまくって雨が多い。そもそも北海道の更に北部、日本には存在しない緯度に来ているのだから、一度太陽が雲に隠れたら「これが7月か」っちゅうくらい寒いのだ。途中から合流した友人は「夏のキャンプ」という響きから軽装備で来て、3日目くらいの夜中に涙目で「すみません、テントが寒すぎます。車の中で寝させてください」と訴えてきたくらいだった。
「もう無理です。早々に切り上げて帰ります」という友人にできるだけ冬の衣類を貸して「パリに行ったらラーメン食べようね、頑張ろうね」と言いながらパリに入ってきた私たち。初日の行動が「ラーメンを食べに行く」ということになるのは当然の流れだった。
キャンプ場専用シャトルバスで最寄りのメトロ駅まで行くのだが、車中は7月とは思えないコート姿のキャンパーで埋め尽くされている。みんなこういう衣類を持ってきているという所がこなれているなぁ。
地下鉄でオペラ駅まで行って、そこから徒歩で5分ほどの場所に日本風ラーメンを出す店が密集している地帯がある。地下鉄駅で一番近いのはPiramides駅だけどオペラからも徒歩圏内だ。
オペラ座を背にしてオペラ大通りを南下していき、左手のSt-Augustin通りに入っていく。この通り沿いには日本食材やアジア食材を扱うお店があり、中古日本書籍のブックオフがある。ブックオフの店内には掲示板があり日本人同士で「売ります」「買います」の情報や空き部屋情報、家庭教師、ベビーシッター募集など様々な要求が張り紙されている。
やがて交わるSte-Anne通りを右折すると両側にポツリポツリとラーメン屋がならんでいるのだ。一番老舗は「ひぐま」だろう。10年以上前に来た時にはこの界隈には「ひぐま」しかなかった。それが今では、サッポロラーメン、大勝軒、本格うどんの国虎屋、イートインのお弁当屋、お好み焼き屋、ベトナムフォーの店など和食を中心にエスニックなレストランが集まりつつあって、面白い一画を作り出していた。
もう数日前からパリでのラーメンを楽しみにしていた私達は、ここで失敗は許されないと何度も通りを歩いて店を検討したのだが、結局、食べてみない事にはわからない。そこで今パリで一番店舗数が多く(3号店まである)、昼現在で混んでいる店「サッポロラーメン2」に入る事にした。
土曜日とあって和食食材の買い出しに来た風な駐在員日本人家族、アジア系旅行者、白人系フランス人で店はほぼ満席。随分と繁盛している店だった。
私と友達は餃子と醤油ラーメンのセット8.5ユーロ、夫はミニかつ丼と味噌ラーメンのセット10.5ユーロ。
前菜とラーメンというセットになっているのが日本人にとっては日本のラーメン屋のようだし、フランス人にとってはビストロのムニュmenu(定食)みたいでなじみがあるのかもしれない。他の店ではラーメン単品で7ユーロなどしているので、たとえラーメンの量が少なくともセットにした方がお得感があっていいのかなぁ。この店の人気の秘訣をラーメンを待つ間の議題にしながら楽しみに待った。
で、来たのがご覧の通り。ミニかつ丼の質とラーメンは日本の平均的なラーメン屋さんのランチレベルだが、餃子は私の好みのタイプ(皮もちもち、肉っぽいけどジューシー)で大満足だった。スープが熱々だったのは皆の期待通り。無難な値段で無難なレベルを出してくれる。中庸をついているのが人気の秘密だと食べてわかった。
食後に地下のトイレに行ったら、地下の他の部屋の扉が開け放しになっていて、扇風機を回しながら中国人らしき兄さんが大汗をかきながら小麦粉を練っていた。餃子の皮かな?だから餃子が妙においしかったのか。ここの餃子だけ、もう一度食べたい。
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