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2011.06.18
スミュール・アン・オーゾワと世界遺産フォントネー修道院
土曜日の今日はイギリス人のベン君を誘って、ここから一番近い町スミュール・アン・オーゾワと世界遺産に指定されているフォントネー修道院へのドライブに行くことにした。ディジョンから見ると北西あるいは北西西に50kmという所である。
「地球の歩き方」に掲載されているスミュール・アン・オーゾワは14世紀の建物が残る川沿いの可愛らしい町だと紹介されていたのだが、今日はあいにくの雨。
こういう町は雨が降ったらだいぶ印象が違ってきてしまう。しかし、町を散策しているうちに晴れ間も少し戻ってきたので、このチャーミングな町を写真で紹介したい。
町は表玄関にあたる城門部分から入っていくとU字型のUの奥に向かって歩いて行くようになる。行きついた場所は眼下に流れる小川に囲まれる高台になっていて、ここから斜面を伝って小川縁まで降り、今度は小川沿いにU字を引き続き歩きある所からまた坂をのぼって高台に戻るという周遊コースが観光案内所のリーフレットに掲載されていたので、それに従って歩いて見た。
高台から小川沿いに下りた辺りの景色が珠玉だった。高台の外側はすぐに農家が広がってのんびりとした城下町の風景を作りしていて、全くタイムスリップしたような気分になった。
こうしてスミュール・アン・オーゾワの町見学を終え、町はずれの並木道のベンチでランチタイム。
この町に来る前に立ち寄ったスーパーで私たちはパンとハム、ベン君はチーズとレモンタルトクッキーを買ってきていたのだった。
買ったチーズはアルザス地方のMunsterという赤かびチーズだった。現在いる農家に来る前、ベン君はMunsterで7ヵ月間小学校の英語の先生をしていたと言う事で、思い出のチーズなんだって。Munsterでの思い出は彼にとって相当よかったようで、ここに来てからも夜、夢に見るのは実家ではなくMunsterの小学生たちの事だそうだ。「ああ、帰りたいなぁ」。Munsterを食べながらベン君はポツリとつぶやいた。
レモンタルトクッキーはフランスのお菓子だが、イギリスにレモンカードというレモンとバターを混ぜたクリームのような食べ物がある。ベン君は自分の母親が作るレモンカードが大好きなんだそうだ。それを思い出してレモンタルトクッキーを買ったんだそうだ。
たった2つの買物にもちゃんと思い出のエピソードがあるベン君は、若いのに人生を丁寧に生きている感じがした。彼と話していると、とても気分がよくなってくる。
さて、簡単にランチを済ませて、次の目的地のフォントネー修道院へと車で向かった。
世界遺産にも指定されているフォントネー修道院は贅沢をしていたクリュニー修道会への反発から1098年に発足したシトー会の、現存する最古の修道院だそうだ。清貧、質素を守る修道士の館ということもあり、美しく刈り込まれた樹木や芝生の合間にひっそりと建物が存在している。建物もさしたる装飾もなく、イタリアのイエズス会のように質素・倹約を唱えて外観は質素な建物なのに、一歩中に入るや「なんじゃ、こりぁー」という驚きのキンキラキンバロック装飾がある教会もなく、内部も本当に質素だった。
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巨大ふいごでおこした火で溶鉱炉を作り、溶接を行っていた。 |
水車を動力としたしかけ |
水車の模型 |
全体図を見ると、結構広いことがわかる |
最後に当時の生活振りを描いた刺し絵や、シトー会を発足した聖ベルナールの言葉、修道院で織られていた織物などが展示してある博物館を見学した。当時使っていたと思われる窯は、丁度、今滞在しているアンドレ氏の家にあるのと同じくらいの大きさだった。畑を耕している修道院が使っている道具は、先日、私達が畑仕事をするにあたって使っていたものとそっくり。
「あー、私たちは11世紀のシトー会修道士と同じような生活をしているのねー」とベン君と笑いながら話していたら、聖ベルナールのお言葉のプレートがあった。
「・・・(後半)木々や岩はあなたが他では知りえない事を指し示してくれる」(聖ベルナール)
あっれー?この文章見た事がある!
そうなのだ。この文章の後半部分はWWOOFのアンドレ氏の紹介文の最後に書かれていたものだった。家に戻って見返してみると、ちゃんと「聖ベルナールの言葉より」と書かれていた。いやー、参った。清貧な生活がまるでシトー会修道士みたいだと感じたのは偶然ではなかったようだ。それがわかっただけでも、フォントネー修道院に来た甲斐があったものだと、私たちは大笑いしたのだった。
織物もなかなかかっこよかった。 |
博物館から見る全体の風景 |
帰り道、スミュール・アン・オーゾワを通りかかると、ラブリーなお天気になっていた。
青空バックのこの町はやはりチャーミングだった。また、晴れた日に来るチャンスがあるかな?
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