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2011.06.12
ボーヌでワインテイスティング
ディジョンから電車で20分南下した所にボーヌという可愛い町がある。ブルゴーニュワインを生み出す畑が続く中に位置する町で、ここを拠点にワイナリー巡りする人もいるだろう。
ちゃんと検閲のお姉さんがやってきた。 |
私達の目的はボーヌの町中にあるワイン市場と呼ばれる場所。ここで様々なワインが試飲できるというのでやってきたのだった。ディジョンからボーヌまでたった20分なのに電車賃は一人片道7ユーロもする。実は本数は少ないがディジョンとボーヌ間を1.5ユーロで走ってくれるバスがある。所要時間が1時間かかるし、ボーヌからディジョンに戻る便が昼過ぎには18時発の一本しかないので使えなかったが、ちゃんと調べて時間を合わせてくれば利用価値が高かったなぁ。
駅から200mもいかないうちに城壁に囲まれたボーヌの町中に入っていく。繁華街は日曜日だというのに休んでいる店もなく、昔ながらの建物をうまく使いながらも華やかなワインショップが豪勢な内装で人々の目を引いて、さながらテーマパークにでも入ってきたような楽しい雰囲気があった。
ワイン市場は午前11時半で閉まって午後は2時から再開するということなので、町中を散策して時間をつぶし午後1時50分頃に行くと、既に初回の人数制限が売り切れて14時半からの回の入場となった。入場料金によって飲めるワインのレベルや種類が異なるのだが、私たちは10ユーロ支払って15種類のワインが試飲できるというチケットで入場した。
扉を開けて中に入るとワインカーヴになっていて、カーヴ内に所々置かれたワイン樽の上に置いてある瓶から勝手についで試飲するという方式だった。試飲用にはプロも試飲に使う銀色の小皿のような容器を各自渡されていて、それに自分でつぐ。プロのソムリエがカーヴに入ってワインを試飲するような気分が味わえるように演出されているのが、面白い趣向だ。ワイン市場側としてもグラスにどばどばと注がれるよりは、ずっと少ない量ですむだろうし、一石二鳥ってわけだ。
あらかじめ渡されたワインリストに自分のコメントなどを書き込めるようになっているので、試飲しては感想を書き込んでいく。試飲用の小皿はそんなに量が入らないとはいえ、全部胃袋にワインを落としていくと、頭がグラグラとしてくる。ワイン吐き出し用の容器があるので、全部飲まなくてもいいようになってはいるのだが、おいしいから思わず飲み込んじゃう。各樽には注意書きがしてあって、飲み過ぎのお客様には退場願うこともあるとあった。確かに、最後の方になると明らかに飲み過ぎの白人のおっちゃんなどが見受けられた。
ワインカーヴを出て地上階に上がるった最後の広間での試飲では、お買いものカゴも置いてあって今まで飲んできて気に入ったワインが買えるように、商品が陳列されてもいた。
その一画に扉が半びらきになっている小部屋があり、中に人がいて試飲している。ここにも試飲場所があったのかと飲ませてもらったのだが、一口飲んで「ややや、今までのと全然違う!」と感動。ここの別のワインも試飲したいと思っていたら、「はい、全員この部屋から出て行ってください」と締め出されてしまった。係員が早口で「実は今、特別なお客様へのプライベート試飲会を行っていたので、本当なら一般の人は入れなかったんですよ」と教えてくれた。ほほー、そんな事もやっているんですね、ここでは。一般の試飲で出されているワインは15種類中6種がプルミエ・クリュ、1種がグラン・クリュだったが、さっきのプライベート試飲は全部グラン・クリュだったような気がする。
自分への思い出としてこの時の覚書メモを掲載しておこう。こうして振り返って見ても、1つ1つ異なる特徴を持つワインに出会えて楽しかった。記憶に残るまでには詳細に味を覚えていられないけれど、何度か繰り返すとわかってくるんだろう。しかし、安いもので一本13.9ユーロ、最後の部屋で飲んだのなんて67ユーロ。自分で数本買って飲み比べるにはちょっと高級すぎる遊びだ。
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