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2011.04.30
土曜日のアルルはマルシェで大賑わい
フランス:アルル近郊

 今回、アルルに来たのは3年に1度行われるという「アルルの女」選出イベントを見るため。その下見をかねて、選出イベントを明日に控えたアルルの町に行ってきた。

 キャンプ場からアルルまでの道のりでちょっと面白いのは湿地帯の中を突っ切る道を走る場所があることだ。

 アルル辺りから南の海辺まではカマルグという湿地帯になっている。もっと南に行くとカマルグ湿地帯を代表する白い家や野鳥などが多く見られるようだが、この辺りはただ湖のような場所があり、時折野鳥が飛んでいるのが見られるだけだ。とはいえ、ここからカマルグ湿地帯が既に始まっているのを感じられるのは楽しいことだった。

 アルルの町は観光の要になっている旧市街がご多分にもれず城壁に囲まれて車が入れない。城壁のすぐ外側にある駐車場に車を入れて、さっそく城壁内へ観光に向かった。

 城門をくぐるとすぐに眼に入ってきたのがマルシェ。多くのお店、多くの買い物客で、ものすごく賑わっていて楽しい雰囲気。

 アルルといったら見所はゴッホが描いたカフェや修道院、ローマ時代の遠景競技場跡、それらを擁する城壁内の街並みということになっているが、こうやって花が咲き乱れるようにマルシェが開催している時に来ると、町の印象が全く違って見えるのが南フランス、いやフランスの特徴だろう。

 マルシェはたいがい午後1時には引き上げてしまうので、通常の観光はそこから行うことにして午前中はマルシェ見学をすることにした。

 アルルのマルシェは広場のような場所に集まって行われるだけでなく、街中の道沿いにもお店がたくさん並ぶ。このせいで、お祭り気分がより一層高まっていた。訪れる客も地元民以外に明らかに観光客と思われる人がかなり多い。そのせいか、外国人観光客をあてこんだ土産物を扱う店も多く出ていて、これもまたアルルのマルシェを特徴づけているようだった。

 元気のいい野菜はバイオ、無農薬や減農薬を謳ったものが多く、当然スーパーのものよりも割高だが、色つやがよくてどれもとても魅力的だった。野菜のみならず、プロヴァンス地方特有のピザなどパン類、グリルチキン、チーズ屋台、魚屋さんなどあらゆる食材の店が出ていて、ウォンウォンとしたうなりが聞こえてくるくらいにぎやかだ。


 でも、今日私が注目したのはいくつかの洋服屋台だった。数年前にサントロぺのマルシェで買ったインドの布を使った軽いワンピースをとても気に入っていたのだが、あれからまだインド、あるいはアジアテイストブームが続いているようで、エスニックな模様ながらもフランスの洒落たデザインの洋服を扱う店がアルルにも数軒出ていた。こういうのはめぐり会った時に買わないとなかなか再会できないので、さっそく試着。中から1枚選んでロングブラウスを購入した。28ユーロなり。メイド・イン・インディアと書かれているが、インドじゃぁみつからないデザインだ。だから「あーあ、インドで買ったらもっと安いんだろうなぁ」とか考えちゃいけない。

 マルシェを伝いながら何となく旧市街を巡っていくと、ゴッホが中庭を描いた家の近くまで来たり、、中心部の市庁舎前に出たり、そこから小道を通って次の広場に出るとゴッホが描いた黄色いカフェがあったりする。今まで巡った南仏の町では感じられなかった体験なのだが、あのゴッホが描いていた中庭やカフェが現実となって目の前にあるというのがとても不思議な感じなのだ。グルグルと渦巻くように強いタッチで描かれて、世界中にばらまかれていて何度も目にしているのだが、現実感を欠いている風景。そんな印象を持っていたために、目の前に本物が存在するということが感覚として受け入れがたかったのだろうか。「へぇー、本当に存在したんだぁ」というのが正直な感想、とともにゴッホもリアルに存在していたんだというのが理解できる感覚が面白かった。

 町を回りながら同時に明日の「アルルの女」大会の詳細スケジュールも調査してみたのだが、観光案内所ではフランス語とアルル語の2言語で表記されたタイムスケジュールのプリントが用意されていて外国人観光客はあまり相手にされていないことがわかって、あとはパレードがおこなわれる事、夕方から何かのイベントがローマ時代の円形闘技場跡で行われるという事までわかったので、まぁ、満足できる調査結果になった。明日は朝早く来なくちゃならないようだ。

 午後になってマルシェが終わった町で次に混みあうのはレストランとカフェ。土曜日はマルシェを楽しんでからお昼ご飯を食べにレストランに流れ込むというのがアルルの習慣らしい。

 でも私達にはちょっと別の目的があったので、持って来たパン・オ・ショコラでさっさと昼食を済ませた。店が多く出ていた広場に向かい、ここでこれからのキャンプ生活で使う整理だなを探そうという目論見だ。マルシェが終わると野菜や果物を入れてきた木箱が大量に捨てられる。あまり長持ちするものではないが、数ヵ月のキャンプ生活で食料や調理用具を納めるのにぴったりなのでいつもマルシェで調達しているのだ。いつもだとベニヤで作られた木箱なのだが、アルルではプラスチックのケースを捨てていた。こんなの使い捨てにするなんて、売り物が高くなるはずだなぁ。まぁ、私達には幸いだったけどね。


 アルルの町はそんなに大きくないが、旧市街を行きつ戻りつしていると、とても可愛らしい場所が見つかる。マルシェも終わり店も土曜日の午後は閉まるようで、人影がだんだんと減っていくアルルの町を午後3時前に出て、最後にまたまたゴッホが描いた「アルルの跳ね橋」に立ち寄ってキャンプ場に帰ることにした。

 「アルルの跳ね橋」は旧市街から3kmくらいも離れているだろうか。歩いていくにはちょっと大変そうな場所にあったので車で行った。道を少し間違えてかなり手前から車が入れない運河沿いの道を歩く事になったが、遠くから跳ね橋が見えていい感じ。目の前までくるとゴッホの絵がパネルになっておいてあって本物と比較しやすくなっていた。ああ、この跳ね橋も何度も見た事がある。ここにあったのねぇ。
 

 こうしてゴッホのイメージ満載のアルルでの第一日目が終了。さてさて、明日のお祭りはどんなことになるやら、楽しみだ。


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