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2011.05.15
WWOOFerになってみよう!〜こんな仕事しました(その2)
フランス:エクス・アン・プロヴァンス

 週が明けて再びお仕事に戻った。2週目に行ったお仕事をまとめてみました。

 まずは、トマトのメンテナンス。トマトってのは枝と枝の間に小さな枝を作って増えていこうとする。この小さな枝の赤ちゃんを摘んでいかないと養分がそちらに取られてしまうので、見つけたら取るという作業があるそうだ。主たる枝以外の見分け方などを教わりながら作業。




 畑では順調に夏野菜が育ってきていた。葉影にピーマンを発見。まだ小さいので収穫できないが、当たり前だが新鮮そのもののピーマンにほれぼれする。この分だと、自分たちが滞在中には何も口に入らないようで残念。

 これらの野菜は敷地内のアパートの住民に配布されたり、B&Bのお客さんの料理に使われる。アパートに自分たちようの農園が付属で付いているなんて素敵だ。日本でもそういうのがあってもいいと思う。

 何も特定の仕事がない時は自発的に草取りを行うことにしている。草取りも単純に草を抜こうとするのではなく、段々と、確実に根っこの先まで抜いてやろうという気になってくる。しかし敵もさるもので、上に見えている葉っぱの何倍もの長さを持つ太い根っこを張っている雑草などは一本抜くのにかなり時間を要したりするのだった。写真は、こうして抜いた雑草を並べて得意げに披露する夫の図。

 苗床作りというのだろうか、別の場所で作られた苗を植えるための準備という作業も行った。ここの土地はそもそも粘土質で新しく何かを植えようとする場合は、直径50cm、深さ50cmくらいの穴を掘って、そこにコンポストで作った質の良い土を入れて苗床を作っていた。こうして作られた苗床に苗を植えていくのだそうだ。
(上左)まず粘土質の畑につるはしで穴を作る。これが一番大変な仕事だ。

(上右)穴にコンポスト(土に生ごみや雑草などを混ぜて放置してできた良質の土)を入れていく

(左)そこに苗を植えていく。苗は小さなカップに種をまいて温室のような場所で別途作られていたもの。

 ラッキーなお仕事もあった。この家の人で現在、指圧を勉強中の人がいて、彼女の指圧の練習台になるというお仕事。

 ”SHIATSU”といっても日本の指圧と違っていて、ぐいぐい押したりするのではなく、さするようなマッサージだった。患者の”気”を感じながら行うとかいうもので漢方の考え方が入っているようだ。理屈はともかく、とにかく心地よくて眠ってしまった。

 今、フランスではマッサージ、指圧などと精神的なセラピーを組み合わせたものなどがとても人気だそうだ。中には身体に手をかざすだけで全く触れないで治療して、法外な金額を取る「治療」もあるそうだ。私に施術してくれた彼女は大学で心理学を学んでカウンセラーを行っていたのだが、患者と言葉によるやり取りだけのカウンセラーではなく、もっと言葉以外に患者が発する信号を受け取ってカウンセリングできないかという発想から指圧を勉強しているのだそうだ。日本同様、ストレスの多い先進国フランスでは、様々な方法で人々をストレスから解消しようという試みが行われているようだ。この家ではオーナーがキネシオロジーを学んでいたり、義理の娘である彼女が指圧を学んだり、なかなかそういう方面に熱心だった。

 草刈りの手伝いという仕事もした。夏を前にして伸び放題になっていた草をアレックス(この家の人で監督係)が機械で刈っていく。その草を集めて肥料用の場所まで運ぶ仕事。刈りたての草の匂いがいい香りだった。
 

 そして最後に行った仕事はサクランボのコンフィチュア(ジャム)作り。他の子が摘んでくれた大量のサクランボ。まずは枝と種を取り去る作業だけで丸1日かかった。オーナーに枝と種を取り去る前に、「まず洗いますよね」と確認したら答えは「ノー」だった。オーナーいわくオーガニックで農薬を使っていないから、そのまま煮込んでジャムにできるというのだ。

 え?

 農薬はついていないけど雨にさらされているし、小さな虫もくっついてるし、枯れ葉などのゴミもある。そういうのを一緒くたにして煮込むのが「オーガニック」なのだろうか?うーむ、日本人の感覚としてはどうにも違う気がしてならない。ということで、こっそり洗ってしまった。あとで昨年度版と私達が作った今年版を食べ比べてみたが、味にそん色はなかったので洗ってもいいんじゃないかと思う。それにしてもジャムはサクランボの重量の3分の2も砂糖を入れるそうで、その量に驚いた。砂糖には保存の効果もあり、臨界点はサクランボの重量の半分まで。砂糖の分量をそれ以下にするとあまり長期に保存できないで腐ってしまうそうだ。サクランボが煮えたらトロミづけとして通常はゼラチンを入れるのだそうだが、この家では動物から作るゼラチンではなく、何と天草を使っている。オーガニックのお店などに売っているんだそうだ。日本食品
も奥が深い。とろみがついたら熱いうちにガラス容器に入れてフタをして逆さまにしておく。こうすることで、内容物が入っていない余白部分の空気が殺菌されるのだろうと推測。これで開封しなければ、1年間は室温で保存できるのだそうだ。

この仕事のあと、数日間指先が赤黒い状態が続くほど色素の
力は強かった。実は途中でかなり口の中にも放り込んだなぁ。

この砂糖の量に恐れをなす。

コンフィチュア作りは銅鍋が基本だそうだ。熱伝導率がいいからかな?

こうして白い泡がもわもわでてきてから20分くらい炊いたらできあがりだそうだ。

 ってな感じで2週間目のお仕事も終了。振り返ってみたら、意外と仕事してるじゃないか、私達。


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