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2008.08.07
午前中アンティーブ、午後からカンヌ観光で大忙し
フランス:アンティーブ

 今日は午前中に食材の買出しも兼ねてアンティーブの町を散策し、一度キャンプ地に戻って昼食後、午後からカンヌに観光しようという計画。アンティーブへもカンヌへもキャンプ地の目の前から公共のバスが出ている。この時期のコート・ダジュールの交通渋滞がどの程度なのか予測できなかったし、駐車場を見つける苦労もしたくないので両方ともバスで行くことにした。

 アンティーブにはピカソ美術館がある。バスを降りて観光案内所で地図をもらった私たちはさっそくピカソ美術館へと向かった。といっても観光案内所からピカソ美術館までの間には賑やかな繁華街あり、コート・ダジュールでも一番活気があるといわれるマーケットありでなかなか楽しい。

 美術館はこのマーケットの裏手、海岸沿いの邸宅、というかシャトー。大きなモノクロのポスターが貼ってあり柱の影からピカソが半身をのぞかせて「来たな」というように見つめている。いたずらっ子のようなピカソの表情がこれから入る美術館への期待感を高めてくれる、なかなか面白い演出だった。

 入場料を支払って中に入るとピカソの作品ではなく現代作家の作品が多く飾られているフロアーが続く。一番上の階にピカソの作品が飾られていた。アンティーブでのピカソの作品は光のせいだろうかスペインで見るものとはまた違った印象を与えてくれる。

 海の見えるテラスに出ることもできて、ここにもいくつか彫刻作品がある。南仏の明るい日差しが入るギャラリーでピカソの作品を鑑賞し、海風が頬をなでるテラスで彫刻を鑑賞し、アンティーブの町中に繰り出せる。日常的な行動の中に美術館がある感覚というのは素敵なことだし、この美術館にはそういうさりげなさが感じられて気持ちよかった。

 美術館を出て目の前のマーケットをのぞいてみよう。一番活気があるといわれるだけあって、通路を通るのが難しいほど人がたくさんいる。売っているのは野菜、くだものが多く、次いでプロヴァンス特有のハーブやスパイス、チーズ、あるいはラヴェンダーなど花のブーケのお店や石鹸などお土産的お店も多い。肉店はあまりなく、魚店は一軒しかなかった。今日はイカのフライを狙っていたので私たちはちょっとがっかり。

 しかし、ここで嬉しい発見もあった。ズッキーニの生花だ。これのフリッターのようなものが南仏の料理としてガイドブックに紹介されていたはずだ。隣に立っていた若夫婦の奥さんに調理法方を尋ねてみると、やはり天ぷらのように小麦粉と水で衣を作り、場合によってはミルクか生クリームを入れて、衣を付けて揚げるということだった。よし、そういうことならズッキーニの生花の天ぷらにしてみよう。ということでイカは見つからなかったもののズッキーニの花をいくつか買って帰ることにした。もしかして高かったらどうしようかと思ったが、驚くほど安い。考えてみれてこれだけ安くズッキーニが出回っているんだから花も安いに決まっている。いやー、よかった。





 大きな花の房を垂らした鉢が通りを飾る町をぶらぶらと歩きながら、今度は庶民的なお店が連なる繁華街へ。

 来る時に目をつけていたのはリヨネーゼ、つまり美食で有名なリヨンの料理を扱った店。ケーキと見まごうばかりに美しく飾りつけされた前菜の数々は見るだけでも楽しい。サーモンムースをロールケーキのように巻いたものや、チキンの胸肉を透明に近いゼリーで固めて上に人参やハーブで飾りつけたものなど、全部試したい気持ちにかられる。

 結局、半熟卵とハムのゼリー寄せとキュッシュ・ド・ロレーヌを1つずつ昼食用に買って帰ることにした。

 この先にはスーパーもあり、値段もキャンプ場内のスーパーに比べると安くて鮮度もよい。ここで昼食と夕食用の食材を調達して私たちのアンティーブ観光を終了することにした。アンティーブには立派なハーバーがあり、コート・ダジュールで一番豪華なクルーザーが集まっているので見に行きたかったが、午後からカンヌ観光も待っているためにそれはまた次回。

 帰りのバスが遅れているようでなかなか来なくて、キャンプ地に戻ったのが12時50分。そこから子牛肉のソテーなんか作って食べていたらカンヌ行きのバスは午後2時過ぎになってしまった。

 午前中に1ユーロでアンティーブまで連れて行ってくれたバスは、カンヌまでも1ユーロで連れて行ってくれる。午後2時17分にやってきたバスは1時間20分かけてカンヌに到着。これで1ユーロは安い。海岸沿いの終点地でぞろぞろt降りた観光客がまず向かったのは観光案内所。私たちもそこでカンヌの地元地図をもらい、まずカンヌで一番有名な「カンヌ映画祭」の開催場の場所を聞き、観光案内所の隣にあるという映画祭の会場へと向かった。

 今はもちろん映画祭の時期ではないのだが、会場の階段にはよくテレビで目にする赤い絨毯が敷き詰められていて、雰囲気は味わえる。みんな女優気分で様々なポーズで写真撮影。この階段の下から海岸に続くプロムナードにはロサンジェルスのチャイナシアター前のようにスターの手形が遊歩道に埋め込まれていた。私たちもちょとt見てみたが、知っている俳優の名前も見つからずすぐに飽きてしまった。

 海を背にこの会場から右側が有名ブランドとホテルの並ぶハイセンスな通り、左側が下町になっている。まずは右側の有名ブランドの通りにいってみるも、さして洒落てもいないし観光客の姿もまばらで活気に乏しく面白みがない。

 この界隈では海岸沿いに一番有名なブランドショップが並んでいるが、そこも特に面白くない。ただ、このブランドの多い通りの海岸通はやたらにベンツが多いのが不思議だった。

 海岸沿いを歩いて下町方面に向かう途中に、ホテルのプライベートビーチがありそれに引き続いて誰でも入れるパブリックビーチがあった。今日は曇りということもあるが、私たちが滞在するアンティーブの海に比べると海の色が格段に悪い。それはプライベートであろうとパブリックであろうと同じだった。どういうことかとパブリックビーチに入ってみると、ここの海岸はアンティーブのように小石ではなく砂の浜辺なのだ。よって、石がこすれてその粉末が海を乳白色に染めることがない。その上、湾岸になっていないせいか人工的に小さく海を囲っているので海の水が澱んでしまっている。その上に曇り空。私たちもチャンスがあったら泳ごうかを水着を着ていたが、到底海に入る気にならなかった。

 カンヌにはそもそもあまり期待はしていなかったが、この短い滞在時間の間にも不快とまではいかないけれど、居心地の悪さが募る町という印象だった。

 ここから下町方面に行って、この印象派少し払拭される。

 下町方面には小さなお店が軒を並べ、観光客もこちらに多く集まっているようで、人通りが多く活気に満ちていた。

 中にはおいしそうなパン屋さん、ケーキ屋さん、オリーブオイルの専門店など興味を惹くお店もいくつか見られ、今までの鬱積した気持ちが少し晴らされる思いだった。

 しかし、日本にいるとカンヌやニースというのはコート・ダジュールのイメージで華やかで美しいと一くくりに思い勝ちだが、今日アンティーブとカンヌを訪れた印象ではアンティーブの方がよほど気持ちのいい町だ。私の勝手な推測だが、アンティーブには美しい碧い海があり、活気のある市場がある。何も言わなくとも観光客が集まる魅力がある。カンヌは、それに対抗して映画祭というイベントを興し、それが世界的に有名なイベントにヒットしたので人が集まっているだけで、そもそもは魅力に乏しい町なんじゃないかという気がする。つまり、ちょっと無理やりな感じがするのだ。物価もアンティーブに比べるとやや高いのも魅力減の原因になる。

 午後も6時近くなってきて、カンヌはもう十分という気がしてバスで帰ることにした。海岸沿いの道を抜けるのに1時間近くかかってしまったのは、道端に停車していた豪勢なrフェラーリかなぁ?ランボルギーニかなぁ?私にはよくわからないがその手の豪華な車に観光客が群がって渋滞になってしまったという、いかにもカンヌらしい理由。そこを抜けて普通に走り始め、キャンプ地に到着したのは、午後7時20分だった。幸いにもこの時期のこの場所は夕暮れが午後8時くらい。まだ夕方の雰囲気の中で帰れたので良かった。

 アンティーブとカンヌを周って見たが、魅力的なのは断然アンティーブ。映画ファンの人が映画祭の時期にカンヌを訪れたらきっと違う感想だろうが、映画祭でない時期に普通の旅行者が訪れるなら絶対にアンティーブをお勧めする。


 
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