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2008.08.06
アンティーブに移動、いよいよコート・ダジュール!
コート・ド・プロヴァンスのサントマクシムから車で1時間20分。コート・ダジュールにあるアンティーブという町の郊外のキャンプ場にやってきた。今までキャンプ場というとそれなりにアウトドアの雰囲気を漂わせる場所が多かったが、ここアンティーブはまさにリゾートホテルならずリゾートキャンプ地。コート・ダジュールにもかかわらず、キャンプ場の利用料金は2人とテントと車で一番のハイシーズンのこの時期で一泊23.2ユーロ。3週間くらいある夏のバカンスを割安な設備で楽しもうと、ヨーロピアンがこぞってアンティーブに訪れているという感じだ。
隣には観覧車もある大きな遊園地があり、もらった周辺地図を見ると近くに他のキャンプ場が5つもある。キャンプ場の目の前を走る幹線道路は西はカンヌ、東はニースに行く定期バスが頻繁に走っているし、国鉄駅(Biot駅)も目の前なので、車を置いてこれらの交通機関で遊びに行けばお酒も飲める!
このキャンプ場だけで800世帯収容で、内部にはプール(利用するには1日2ユーロ別途必要だが)、レストラン、スーパー、ベーカリー、雑誌などを販売するキオスクまであり、車1台の幅の小道沿いにびっしりと区画整理されたキャンプ場が並んでいた。
フロントから近い場所には常設のコテージ、次にキャンプ場が設置しているキャンピングカー、自前のキャンピングカー、そしてテントという具合になっている。小道には自転車に乗った子供が徘徊し、角から白髪のおばあちゃんが突然フラーっと出てきたり、ブリブリとビキニ姿で道幅いっぱいになって歩く若い女性がいるなど、自分の場所にたどり着くには日本の団地内を走る並に注意深さが必要だった。
さて、場所に到着したらテント組み立て開始。テント組みも今まで目にしたような高さの低い小さめのテントではなく、2つの寝室とリビング用の全室付きというようなちょっとした家のようなテントが多い。バカンスの拠点をここに置いて2週間、3週間滞在し続ける家族連れが多いからだろう。
私たちが小石でテント用の杭を打ち込んでいると、前の敷地に宿泊しているオランダ人のお父さんが金槌を貸してくれた。この家族もここに3週間テントを張ってバカンスするつもりなんだそうだ。「3週間とは長いですねぇ」というと、お父さんは満面の笑みを浮かべて「そう。いいでしょう?」と満足気だった。アンティーブの始まりはこんな風にバカンス気分一杯で、私たちも一気に夏休みの気分になってきた。
テントを組み立ててからレストランとスーパーとベーカリーのある場所に行ってみる。スーパーには野菜や肉も置いてありそれなりの品揃えだが、高くて鮮度が悪いので他で買った方がいいと判断。ベーカリーは種類も豊富でスィーツもあり使えそう。レストランは夜毎にライブやディスコタイムがあって盛り上がりそうだ。
簡単にサンドイッチで昼食を済ませてから、午後は大きな道2本を渡った向こうにあるビーチに行ってみた。午前中はやや曇っていたが午後からは回復。晴天を待ちわびていた人が繰り出して、ビーチは華やかなことこの上なかった。
ここのビーチは5cmくらいの平べったい丸い石でできている。急斜面で海に向かって落ち込んで、その先には碧い海が広がっていた。
コート・ダジュール、紺碧海岸と訳される言葉通りに海は青かった。アジュールというフランス語が「碧い」という意味だというのを知ったのは最近。じゃぁ、どうしてアジュールと呼ばれているのかというのがわかったのが、この瞬間だった。
ここの海が碧いのはモーリシャスのように水が恐ろしく透明だからというわけではない。ここにある石が波でこすられて成分が溶け込んでいるからだと思われる。だから海の中は透明ではなく乳白色。これに空の色が映りこんで碧く見えるのだった。なるほど、これがコート・ダジュールなのか。
世界的にも有名で芸術家やセレブがこぞって集まるコート・ダジュールの海は確かに見た目に美しくて碧い。先進国フランスにあるにしては東京湾などと比べると汚れが少なくてよく管理されている。しかし、この石の粉が汚れを隠しているのだろうという感想も否めないなぁ。とちょっとシニカルな思いもよぎり、漠然と思い描いていた、「コート・ダジュールに到着したら曇りない満足感で満ち足りる」という感覚にはならなかった。
でも、バカンスの気分は確かに満載の場所だ。しかも近辺には魅惑的な観光スポットが目白押しだ。明日からまた忙しくなるぞー!
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