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2008.07.28
マルセイユ1日観光
フランス:ラ・シオタ

 キャンプ地をラ・シオタにしたのはここからマルセイユを観光しようと思ったからだった。


Rue de Romeは大きなモニュメントがあってわかりやすい大通り。
モニュメントで現在地を把握した。
 ということでラ・シオタに到着した翌日、早速マルセイユへ観光。ラ・シオタからマルセイユへはバスも出ているのだが、キャンプ地から行こうとするとまずラ・シオタまでバスで行き、そこから乗り換えてマルセイユに行かなくてはならないようだ。マルセイユはパリに次ぐフランス第二の都市だと聞いてかなりビビッたのだが、それでもバス2本乗り継いで行くよりはいいだろうと車でマルセイユに行ってみることにしたのだった。

 戦々恐々で入り込んだマルセイユ。町中へと入ると一通の標識が多く、複数車線ある道路でも突然行き先ごとにわかれたりしてわかりにくい。でも駐車場のPというマークを頼りに何とか中心地の県庁前の地下駐車場に車を納めることができた。よかった、よかった。

 県庁を背後にしてRue du Romeから2本左手に入り込んだ通りが歩行者天国になっていてお店もずらりと並んで楽しそう。この道を通って旧港にある観光案内所へと向かった。

 通りは主に洋服を扱っている店が多く、百貨店のギャラリーラファイエットやザラなどもある。しかし朝10時をまわったばかりのマルセイユの町はまだ眠たげで、店も人もひっそりとしていた。

 歩行者天国の突き当たり、道路の向こう側に海洋博物館の立派な建物が見えてきたら港まではもうすぐ。観光案内所で私がマルセイユで一番見たかった朝の魚市場の場所を聞くと、案内所を出てすぐ左手でやっているというじゃないの。行ってみると、既に多くの店が出ていて地元の人や観光客が群がっていた。

 旧港につけた船からそのまま持ってきた魚は目も澄んでいて新鮮そのもの。スープに使う小さな魚ばかりを集めた店やカジキマグロかなぁ、大型の魚1匹で店を構えている場合もある。中には魚を並べる台に薄く水を張って半生簀状態にして生きた魚を売っている店もあった。

 鯖も鰯も鰹と馴染みの顔も並んで、日本人にはたまらん魅力に満ちた所だった。この市は毎日午前中だけ開いているということで、今日これから観光して夕方キャンプ地に戻る私たちは買うってわけにはいかない。いやー、残念だなぁ。値段は店によってまちまちで私たち御用達のカルフールと比べて高い店も安い店もあった。今度来た時は、もっとマルセイユ寄りのキャンプ場に滞在して朝買いに来ようっと。

 旧港の右側はここで市を行っている漁師さんたちが昔から暮らす下町のパニエ地区へと続いている。左側はヨットハーバーになっていて洒落たレストランが並んでサンニコラ要塞やファロ公園へと続いていた。私たちは進路をファロ公園に取り、ヨットハーバー沿いを歩いた。物凄い数のヨットが並ぶハーバーは、ファロ公園に近くなるほどに大きくてゴージャスなボートになっていく。

 ファロ公園に近い場所には帆船まで停泊していて見事な船体が夏のひざしに眩しく白く光っていた。この帆船はオーストラリアの国旗を掲げていたのでオーストラリアから来たのか?道行く人の注目を浴びて誇らしげな船員たちの様子を見ると本当に遠くから来たのかもしれないと思わせる。


 ハーバーも終わりに近づくと左手に要塞が見えてくる。ガイドブックにもここに入るための案内はなく、要塞の鉄の門も硬く閉じられていたので入れないようだ。その先の右手のファロ公園へは案内表示もあり入場料もなく入れた。 

 ファロ公園にはファロ宮があるが魅力はこのパレスではなくここからのマルセイユ港のながめ。今まで歩いて来た道が右側に、パニエ地区が左側に見え、パニエ地区側には大聖堂や旧慈善院など美しい建築物が民家の赤い屋根に立ち混じって見える。これらの建物と青い海と白いおびただしい数のヨットがいかにもマルセイユという風景を作り出していた。


 ファロ公園から旧港の観光案内所のある場所に戻ってきて、今度は地下鉄に乗ってロンシャン宮に向かおう!

 地下鉄のロンシャン宮に近い駅付近はガイドブックにもあるように観光客の姿もぱったりと途絶え、シーンと静かな環境。かといって高級住宅街という感じでもなく、もしかしたら危険かもしれないという下町の空気が感じられなくもない場所だった。日本人と思しき女性と白人男性のカップルが乳母車を押しながら歩いていたので話しかけてみると、ニューヨーク在住の日本人とフランス人の夫婦。旦那のおばあちゃんがマルセイユに住んでいるので訪問がてらマルセイユ観光しているのだという。日本人女性とはいえ顔立ちが西洋っぽいので、もしかしたら両親のどちらかは日本人ではないかもしれないこの女性は、「マルセイユに対してもっと美しいと思っていたのに様々な人種の人が行き交って雑多な危ない雰囲気があるし、建物も汚いし、イメージと違って少しがっかりだ」と語っていた。

 この感想は逆に私にとっては意外。

 港町だからそもそも少々荒っぽい漁師さんの町だろうし、船に乗って色々な国から人が集まることを考えるとマルセイユが取り澄ました美しい町というイメージは持ちにくい。ざわざわとして活気のある漁師町のマルセイユは私のイメージ通りだった。もしかするとイギリス人の書いた「南プロヴァンスの12ヶ月」のイメージでマルセイユにやってきたのかもしれないなぁ。

 そんな会話の後、ロンシャン宮に到着。道路に面した鉄の柵から既にゴージャスな姿が見えるのですぐにわかる。真ん中に大きな牛と馬の彫刻を並べた所から大量の水が滝のように下の池に落ちる。それらを抱きかかえるように左右に湾曲した回廊が続く。見学は池の周りを回りながら真ん中の部分へと上がっていくようになっていて、近づいてみると遠目で見て予想していたよりもずっと大きな彫刻なのに驚いた。彫刻の後ろから見ると遠くにノートルダム・ド・ラ・ギャルド・バジリカ聖堂が見える。町で一番高い位置にあるこの聖堂は町のどこにいても見えるようになっているらしい。

 今日も快晴のマルセイユはとにかくカッと照りつける夏のひざしが肌に痛い。豪勢な水音をたてているこの宮殿は肌にも耳にも涼しげで気持ちのよい場所だった。とはいえ宮殿内の見学というのはない。美術館になっているのだが2010年まで改装中だそうで、宮殿のファサードを見て見学終了だ。ファサードの裏手は刈り込まれた樹木も美しい公園。ここでアイスクリーム休憩をしたら私たちのマルセイユ見学はほぼ終了。

 そろそろイタリア入りが視野に入ってきたのでfnacという電気製品と書籍を扱うフランスのチェーン店でイタリアの道路地図を探すも見つからず、ついでにギャラリーラファイエットの食品館で面白い食材を冷かしたりしながら、最初に通ったRue de Romeを歩いて駐車場まで戻った。

 マルセイユに触発されて夜はブイヤベース。マルセイユのレストランでは一人30ユーロで二名様より注文受付なんてバカに高いことを言っているが自分たちで作ると2人分で20ユーロ(前菜も白ワインも含んで!)くらいでできちゃう。本当のブイヤベースじゃないかもしれないが、十分においしかった。


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