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2009.06.05
リオハの州都ログローニョの町並み
スペインに来てからさんざん飲んできたワイン。中でもリオハのワインは安定した品質で価格も落ち着いているので飲む機会が特に多かった。そのリオハにいよいよ入ってきた。ログローニョはリオハの州都。私たちのキャンプ場があるマイヨールからは車で20分くらいの距離にある。
日本からの友人と合流する今日、町の下見も兼ねてログローニョの町を散策してみた。
州都のログローニョには14万人弱の人が住んでいるとガイドブックに書かれていたものの、繁華街の規模はとても小さくて2時間もあればよさそうな広さだ。中心部にある公園の北側400m四方に教会や観光案内所やタパス屋が集合している地域が集まっていて、ここをぐるぐるっと歩いたら観光が終了してしまった。タパス屋が集合している辺りには観光客もちらほらといるのだが、やっぱりログローニョは9月にあるワイン祭りの時期にこないとぱっとしないんだなぁというのが正直な感想だ。
昼食時に立ち並ぶタパス屋の中から1軒を選んで入ってみた。この店はPatatas bravasというジャガイモにピリ辛ソースとサワークリームがかかったタパスを発明したことで有名だというので、それを1つ。後は色々な揚げ物があるので、そこから2種。Patatas bravasがEUR3.3、揚げ物が1つEUR1.6と今まで食べてきたタパスの感覚からするとやや高め、バスク地方のピンチョスと比べるとやや安めという値段設定だった。スペインの他の地域とは全く異なったタパスで、これらの通りの店の名前からしてイタリア系移民で成り立っているのかと思えるほど、イタリアンな雰囲気。店構えなどはちょっと洒落ていた。(詳しくは「本日の献立2009年6月5日(昼)」を参照ください。)
まぁ、町がぱっとしないのはガイドブックの観光案内の分量の少なさから十分に推測できていたのでよしとしよう。私たちの目的はワイナリーツアーだった。今までフランス、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、アルゼンチン、チリとワイナリーツアーに参加してとても面白かったので、ここで一つスペインでも参加したいと思っていた。
観光案内所に向かうと、新しい感じの建物にはぶどうのマークがデザインしてあって、やる気に満ちた感じを出している。
いいねぇ。
そう思いながら案内所にワイナリー訪問について聞いてみると、うちじゃぁ取り扱っていませんという。ワインについては公園の端にある建物で行っているというのだ。
そちらを訪ねてみると、ワイナリーツアーは存在しておらずワイナリーに直接連絡してアポイントを取って個人的に行ってくれとワイナリーリストを渡された。
そう、リオハワインはちっともツーリスティックなことになっていなかったのだ。
個人でワイナリーを訪ねるとなると運転する夫は全く飲めなくなってしまう。口に含んで吐き出せばいいじゃないかとも思うが、口に含んだワインは飲み込んじゃうでしょう、普通。ダメだ。玄人向きすぎるリオハの対応は私たちには向いていない。残念ながらスペインでのワイナリーツアー参加の夢は崩れ去ったのだった。
そうこうしているうちに友人を迎えにバスターミナルまで行く時間になった。バスターミナルは小さいながらもスペイン各地からバスが発着してなかなかにぎやかだったが特徴的なのは行き交う人々にカラードが多いこと。
アジア人、アラブ人、アフリカ人。町にいると溶け込んでパリやロンドンのように目立って多いとは思わないが、ここに来るとこんなに様々な人種がこの小さな町に集まっているのかと驚いた。そういえばキャンプ場のある村マイヨールにもチャイナショップがある。郊外の巨大ショッピングモールで見つけられない安全ピンやちょっとした紐や髪を結ぶゴムなどかゆい所に手が届く小さな品物満載で雑貨百貨店の様相だ。こんな田舎のしかも言葉が全く通じない場所で一から商売をして、家族を増やしていこうと考える中国人はいつみても凄い。バスターミナルを行き交う人を見ていて、チャイナショップを思い出していた。
そろそろ着く頃か?と到着したバスをながめていたら、その中に懐かしい顔あり。良かった、良かった。無事に友人到着。
今回はキャンプ参加ということで、テントと寝袋とマット持参。山歩きが好きな彼女は全てそういう道具を持っていたのでキャンプ参加も慣れているようだ。
3人で駐車場まで戻り、車で郊外のショッピングセンターへ。キャンプ場のおじさんに聞いたらログローニョを巡る郊外環状線沿いに3つもの大きなショッピングセンターがあるんだそうだ。キャンプ場に一番近いショッピングセンターには巨大スーパーのAlcampoやアウトドアショップのDecathlonも入っていて非常に充実している。
アルカンポはこんな内陸にも関わらず魚コーナーも充実しているし、アジアフードコーナーもあってキッコーマンも買えるのも素敵だったが、何よりもよかったのはスペイン各地のワイン産地と各年のブドウの出来具合の一覧表がワイン売り場に吊り下げてあることだ。
今まで種類が多すぎてワイン選びに苦労してきたのだが、この表があるととても選びやすい。我が家の見方は、まず一番安いのから2番目くらいのレンジのワインの産地と年代を片っ端からチェックしてブドウの品質が一番いいのを選ぶというやり方。これで大分当たり率が高くなった。最初からこの表の存在を知っていたらなぁ。
ログローニョは観光で訪れるにはどうかなぁという町だが、お酒の飲めない人あるいはワインに興味がない人でドライバーを務めてくれる人がメンバーにいて、ワイナリー巡りしながらゆっくりとキャンプ生活を送るにはとてもいい所だ。
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