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2009.05.09
白い村第五弾「グラザレマGrazalemaとサハラZahara」へ
スペイン:ロンダ

 ロンダの周辺には白い村がたくさんあると聞いていたので、キャンプ場のフロントでおススメの1日ドライブコースを聞くと、さらりと手書きの地図を出して、こんなコースがいいでしょうと書き込みをしてくれた。

 ロンダから始まって道を北上してグラザレマGrazalema、ウブリケUbrique、サハラ・デ・ラ・シエラZahara de la Sierra、帰りはアシニポAcinipo(ローマ遺跡)、セテニルSetenil、アリアテArriateを通ってロンダに戻るコースだそうだ。それだけで5つの白い村と1つのローマ遺跡を見ることになる。聞いているだけでお腹一杯のコースだ。

 他にもロンダから南西方面に白い村が固まっている場所があるし、南部にもある。本当にロンダは白い村地帯の中に位置しているようだった。事前の調べで行こうかと思っていたのがグラザレマとサハラなので、最初に紹介してもらったコースを行ってみることにした。

 ロンダからグラザレマに向かう道はのどかに羊が草を食むような平地からだんだんと山間の風景に変わっていく。

 空模様がかんばしくなくて草原の美しさを表現できる写真にならなかったのが残念だが、肉眼ではこの程度の光だとかなり広がりがあって美しく見えた。

 50分程走ると「グラザレマ」の村の表示が見え、観光バスも停車している。この村は後ろに山を背負って山の中腹に建つ村で、山と白い村とのコントラストの風景が美しかった。

 村の下の辺りに無料駐車場を見つけて停める。村内の地図もないので適当に上へ上へと坂道や階段を適当に進んでいくと中心地のような広場に到着した。老人達が朝も早から暇そうに並んで腰掛けている。おっと、老人だけでなく働きざかりと思われる中年たちもカフェでゆっくりとお茶を飲んでいる。平日の朝10時というのにノンビリしているなぁ。日本では考えられない光景だ。もっとも、こうした光景はこの村に限らずアンダルシアでよく目にするのだけど。

 遠くから見えていた村の背後の山は白い村の通りをのぞく度に向こうに必ず見える。これがグラザレマの特徴だ。もっと高い場所に上ってみると、赤い屋根と白い壁、そして背後の岩山という美しい風景に出会えた。これはなかなか絵になる景色だった。

 ミハスやフリヒリアナに比べるとそんなに絵になる小道がなく、家々も花を飾ったりはしていないのでファンタスチックな白い村体験とは言いがたいが、この岩山と白い村というマッチングがポイントだなぁ。

 さて、どうにも雲行きが怪しいので先を急ごう。雨が降ってきそうなのでウブリケもすっ飛ばしてサハラに行くことにした。

 サハラも後ろに岩山を背負った白い村だが、こっちの方がカッコいいなぁ。岩山の右端には城塞が見えるから、今日もあそこまで上っちゃうんだろうなぁ。

 それにしても雲が厚くなってきた。この村の全景、青空バックだったらどんなに格好よかっただろう。あー、残念だ。


 今にも雨が降りそうになってきたので急いで坂道を上がる。くー、坂道がきつい。この村はグラザレマに比べるとベランダから花も飾られているしなかなかやる気がある。上り坂が一段落した場所が村の中心地らしいが、ここには可愛らしい色合いの教会などが2つほど見つかってそれも良かった。目的の城塞はこの場所から見ると見上げるような上にあるように見えた。
 
  

 ところでサハラの村は目の前に湖がある。ここまで上ってくると湖と周囲の景色が見渡せてなかなか気持ちがいいじゃないか。

 ってことで天気は気になりつつも、ここでサンドイッチを広げて昼食休憩とすることにした。サンドイッチを食べ終えるや、ポツッと最初の一粒が。あー、いよいよ降ってきちゃったなぁ。


 教会の下で雨宿りしたが止む気配もないので、雨脚が少し弱まったのを機に上の城塞に向けて出発することにした。

 本当ならば美しい青空を目の端に置きながらゆっくりと散策できるのに、今日は焦って坂を上っている。自分で計画している旅行だから時間が自由になる反面、計画の責任は全て自分にふりかかってくる。どーして今日はキャンプ場でおとなしくして好天を待たなかったんだろうか、でもなー、あのキャンプ場はちょっと他よりも高いから1日ロスするのはもったいないって思っちゃったんだよなーと一人自問自答しながら坂道を上っていくのだった。

 ついに雨は本格的に降り出して、大急ぎで大きな木の陰に逃げ込んだ。こんな天気にもかかわらず、この村にはグラザレマよりも多くの観光客が訪れていて木の下にも先客がいて一緒に雨宿りすることになった。10分も待っていると雨は小止みになり、雨宿り仲間と分かれて私たちは更に上を目指して上っていった。

 城塞から見下ろす街はしっとりと雨に濡れて、晴れている時よりも瓦が色がくっきりと見える。あらあら、これも悪くないじゃない。学校があるのか吹奏楽の音がここまで聞こえてきてちょっと懐かしいような気分になった。ゴツゴツとした岩山越しに見る白い村とそしてこんな雨にもかかわらずエメラルドグリーンの湖と周囲の緑の組み合わせがとても印象的な村だった。
 
  

 それにしても天気が悪いので内心がっかり。観光を終えて村の下まで降りてくると湖沿いに市民のためのカラフルな健康遊具が並んでいる。器具の色の組み合わせといい、これを使っている大人の動きってかなり間抜けに見えるに違いない。自分でやってみながらおかしくなって大笑いしていたら大分気が晴れてきた。

 次に向かうはオルベランOlveran。途中で通過するはずのアルゴドナレスAlgodonalesという街の中に突っ込んで入ってしまってので、ちょっと迷いながらも無事に通過する。ここも白い村だが普通の住宅街を白い村風にしたという趣だった。オルベランは突出した丘の上にローマ遺跡が残っているという白い村で、その丘の部分がとても変わっている。ローマ遺跡に入りたかったのだが、シエスタ中で午後4時からしか開かないというので断念した。

 こうして紹介してもらったロンダの左半分を終了した時点で午後2時半。本当は右側にも行こうと思っていたのだが、再び強い雨が降り出してどうにも行く気を失ってしまったので、今日の観光はここまで。

 スーパーに立ち寄ってキャンプ場に戻ってみると午後5時になってようやく晴れ始めた。今日は天気に恵まれなかったなぁ。サハラとオルベランという頂上にローマ遺跡を持つ白い村、背景の岩山や目の前の湖とのコントラストを楽しめる白い村など、青い空を背景に楽しみたかった。


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