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2009.05.03
ピカソが生まれた街のピカソ美術館
コルドバからマラガにやってきた。2時間弱のドライブだったのでキャンプ場に到着してテントを設置し、簡単に昼食を済ませた午後1時半にはフリータイム。ま、フリータイムって言い方もおかしいが、自由旅行しているとやらなければならない事が多いので全てが終了すると「フリータイム」って気がするのだ。
キャンプ場はマラガからバスで30分も離れた海沿いの場所にある。ちょっとビーチをのそいてきた夫の「海はさして美しくもなく、気温が低すぎて誰も海に入っていない」という報告をうけて、バスでマラガに観光しに行くことにした。
超田舎的な風景の中でバスを待つこと30分、そこから30分乗車。コスタ・デル・ソル(太陽海岸)と呼ばれる地域にあるマラガなのに、車窓から見える海は灰色に近く全く魅力がない。真夏の太陽に照らされたらもっと美しい色に輝くのだろうか、それとももう汚れてしまっているのだろうか。そんな事を思いながらマラガに到着する頃にはかれこれ午後2時半になっていた。
マラガの目玉観光スポットと言えば、ここで生まれた世界的有名画家ピカソの美術館だ。バスが到着した場所Plaza
de la Marinaに観光案内所があるので、この広場で情報を収集してからカテドラル経由でピカソ美術館に向かうことにした。海沿いの大通りはやや近代的な感じがするのだが、カテドラルからピカソ美術館の辺りは車の入らない細い道が続いていかにもアンダルシアな雰囲気をかもしだしている面白い場所だ。
ピカソ美術館は入り口もらった解説本によるとピカソの親戚筋がやっているようだ。作品も驚くほど楽しいものはないし、作品数も少ないし、入り口でカメラを預けさせられたのが疑われているようで感じが悪い。昨年行った南仏アンティーブのピカソ美術館は光の入り方もよかったし建物も開放的で作品も面白かった。あそこも撮影禁止だったけど今回のようにカメラを預けさせることはなかった。同じ6ユーロの入場料金でもあっちの方が良かったなぁ。
美術館の北北東200mくらい、Plaza de la Mercedという広場の角にピカソの生家があるというのでそちらにも行く。海に入るにはまだ冷たい空気とはいえ、ピカソを生み出したマラガの日差しはは強烈だ。広場に到着する頃には喉がからからに渇いてきてしまった。広場に面した商店でビールを買い、もしかしたら公共の場所での飲酒が禁止かもしれないと黒いビニール袋に入れたままさくっと広場の縁石に腰掛けて飲む。ふー、ビールのおいしい気候だ。
広場に面したピカソの生家にはFundacion Picassoと書かれていて入場無料で中を見学できた。私たちより先に日本人カップルがここに来ていて入場料金がいくらなのかを係員に聞いているのだが、係員が言う「グラティス(無料)」の意味がわからないようで双方困っているようだった。「無料だそうですよ」と言ってみたのだが完全無視。でも聞こえてみたみたいで先に中に入っていくではないか。更に彼らは係員が「2階にも展示があります」と言っているのにこれまた完全無視で「作品数が少ないねぇ、つまんなーい」とか言いながら出て行ってしまった。まるで3次元の仮想旅行空間を2人で旅しているような、自分達以外には生物が存在しないかのような振る舞い。ゲーム世代なのかなぁ。日本人の新しい人種を見た貴重な瞬間だった。
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左上:広場Plaza de la Merced
上:ピカソの生家、いまは無料のエキシビションも
行っている場所。
左:生家の前の広場Plaza de la Mercedのベンチには
ピカソが座っているので一緒に記念撮影。 |
さてさて時刻は午後5時近いが、シエスタが午後5時半まで続くために歩行者天国になった広い通り沿いの繁華街は固くシャッターを閉ざして開いているのはアイス屋とカフェくらい。人通りもまばらでとても静かだった。あてにしていたタパス屋も見つからずマラガ観光は中途半端な感じで終了となった。とはいえ、マラガに宿泊する目的はマラガの町観光だけではない。ここに滞在する一番の目的はアンダルシア地方に点在する「白い村」の一つ、フリヒリアナ村への観光だ。マラガ観光が今一つでもがっかりすることはないのだ。
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