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2009.05.02
世界遺産のメスキータとコルドバの町並み
スペイン:コルドバ

 コルドバの観光スポットは世界遺産のメスキータを中心とした旧市街600m四方くらいにおさまっている。今日セビリアから2時間弱かけてコルドバに移動してきた私たちは、ガイドブックで検討した結果、午後から観光にでかけても十分に時間があるだろうと判断してコルドバ見学にでかけた。

 キャンプ場から町中に向かうバスは見所の旧市街から1kmくらい北部の新市街に到着した。周囲の人たちに聞いて歩行者天国になっているCalle Jose Cruz Condeをまっすぐに下りていけば旧市街にたどり着くことがわかった。スペイン人はこういう場合にとても親切に道を教えてくれるし、かつその内容が正しい場合が多いのが素晴らしい。スペインの影響を強く受けている南米もとーっても親切なんだけど、残念ながら5割くらいしか正しくないってのが問題だった。さすがスペインは先進国だ。

 セビリアの春祭りの向こうをはっているのか、週末なので特別な催し物でもあるのだろうか、ここでもフラメンコの衣装を着た女性が闊歩していた。途中の大きな広場Plaza de las Tendillasを過ぎたあがりから旧市街へ緩やかに下る斜面沿いにだんだんと古い建物が増えてきて、やがて家々の屋根の向こうにメスキータのものと思われる塔が見え始めてきた。

 ベージュの外壁の中に入ると気持ちのいい中庭があり、その向こうにある建物がメスキータだった。メスキータはそもそもイスラム教寺院だったのだが、15世紀にレコンキスタによってイベリア半島がキリスト教によって再征服されて16世紀にキリスト教教会になったという場所だ。今回の旅では特にアンダルシア地方にこうした「もとイスラム教で後にキリスト教」という建物が多く見られる。南米でも地場の宗教施設をキリスト教がのっとって教会にした例をよく聞くが、南米の多くの場合は完全に元の建物がつぶされて新しく教会が建てられることが多いのに比べて、アンダルシアの場合はイスラムの建物を使って内部だけキリスト教的に改装した例が多い。こうして奇妙なミックス建物が時代とともに風化して融合した味わいを出しつつ現在に至っているというわけだ。

 とはいえ、入場料金8ユーロを支払って中に入るって最初に目に入るのはイスタンブールやクアラルンプールで見たモスクを思い起こさせる、まさにイスラム寺院の風景なのだが、アーチの感覚、レンガ色とベージュのストライプ、天井の高さ、照明の明るさなどが非常にスタイリッシュな空間を作り出していてとにかく「カッコいい!」って感じで何枚も写真を撮影してしまった。残念ながら照明が暗いのでブレてしまってなかなかいい写真が撮れていなかったのだけどね。


 イスラム教時代に時の為政者によって拡張が続けられたこの建物はかなりだだっ広い。出土された柱の一部などの展示があり、壁面には細かいイスラム模様が埋め込まれ、鍵型にくり貫かれた小さなドームの部屋があったり丸天井が金ぴかで細かい模様が入っていたりして、ディテールがものすごいので思わず見入ってしまう。また天井から釣り下がるような大胆なアーチがまた素晴らしい。

 と思いつつ見ていると、中央にはこのモスクの中にキリスト教の教会ができている。十字架、パイプオルガン、聖者たちの絵画とまさに世界ががらっと違う。

 2つの大きく異なる文化様式を堪能してメスキータの見学を終了。外に出ると初夏の日差しが目にまぶしかった。

 さて、次に向かったのはロンプラでお勧めのバール。メスキータ出口から左手に歩いて行くと行列ができていたからすぐにわかった。Bar Santosというこの店の名物はトルティージャ。ほくほくのジャガイモとフワフワの卵からなるトルティージャは本当に旨い。ついでにコルドバ名物の冷たいトマトスープのサルモレッホも食べられたので大満足だった。(詳しくは「本日の献立2009年5月20日(昼)」を参照

 メスキータから見て北西辺りがユダヤ人街のある繁華街。狭い車の入らない石畳の道沿いには白い壁の家々が建っていて、土産物屋やカフェやレストランになっていて観光客がおおぜい歩いて賑やかで楽しい場所だった。そうそう、この中のお店の一軒でインド風巻きスカートを販売している店があった。私がブエノス・アイレスで見てちょっと魅かれたスカートがここにもある。ブエノスではサンスクリットというブランドだったが、ここではKarizaというブランドで販売されている。世界中のインド人がいっせいにこのスタイルのスカートを売り始めているのか?DVDで様々な使い方(場合によってはワンピースにもなる)を説明する販売方法もそっくり同じだった。ブエノスで試着して、土着のインド柄を着ると田舎のおっかさんに見えるということが判明しているので、ここでは素通り。

 ということでメスキータも含めてコルドバの旧市街は2時間ほどで見てまわれてしまった。5月前半にコルドバの一般家庭が競い合うパティオ大会というのがあって、一般家庭に観光客含め誰でも入ってお庭のパティオの美しさを堪能できるという催しを行っているはずだったが、日程の関係で見てまわることができなかった。家々のベランダに出ている鮮やかな花を見るとパティオにも力を入れているだろうということが用意に想像できる街だった。

 メスキータは見ごたえがあり町も可愛いけど、そんなに見所がおおいわけではない。私たちはコルドバは1泊として、明日はマラガに出発だ。


 
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