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2009.04.28
フラメンコ衣装が炸裂!セビリアの春祭り Feria de Abril
スペイン:セビリア

 アルゼンチンのブエノス・アイレスで宿が一緒だった京子さん。彼女は日本でフラメンコを習っている。丁度同じ時期にスペインに滞在するということで情報交換する中で、「セビリアに行くなら是非春祭りの時期に行った方がいいですよ」という貴重なお言葉を得た。

 春祭りって何?

 ということでインターネットで時期を調べてセビリア入りした私たちは、さっそくセビリアの観光案内所で詳しい情報を入手したのだった。春祭りはセビリア旧市街からずっと西側にある特設会場で行われている。会場には大小のカセッタと呼ばれる仮設のパーティー会場が立ち並びフラメンコの衣装に身を包んだアンダルシア人が7日間、飲んで歌って食べて踊りまくるという祭りらしい。ほとんどのカセッタはプライベートで一般人は入れないのだが2つくらいだけパブリックなカセッタがありそこには入れるということだった。これだけの情報ではよくわからないけど、何だか楽しそうなので行ってみよう。

 今年の祭りは4月27日の夜中から始まっている。初日の夜は夜通し大騒ぎしているに違いないと踏んだ私たちは2日目となる今日の午後から会場にでかけることにした。キャンプ場近くのバス停にやってきたバスの後部座席すでにフラメンコの衣装をまとった大量のおばちゃんに占められていて、カスタネットでリズムを取りながら全員で合唱しまくっている。バスの中の観光客はほぼ全員が後ろを振り返って、この光景に口をあんぐりあけて見入っていた。

 途中の停留所から乗り込んでくる人の中にもフラメンコ衣装の人が多い。市バスにフラメンコ衣装。これは面白いことになってきた。

 フラメンコ衣装の人が大量に下車する停留所で私たちも降りて、彼女達の流れにそって会場に徒歩で向かった。あっちの道路からもこっちの道路からもフラメンコ軍団が吸い寄せられるように一つの大きな流れになって会場に向かう様は圧巻だ。

 会場に到着するとなるほど、こういう風になっているのかとやっとわかった。立ち並ぶカセッタは友人や会社組織などで貸切状態にしているらしく、美しい衣装を着た男女が飲んで食べてわいわいと楽しんでいた。バンドを置いている所もあり、もちろん中では地元民によるフラメンコダンス。ショーで目にするような激しさはなく、盆踊りのような緩やかで楽しい踊りに見える。

 ガイドブックによると午後1時くらいからパレードが行われているということで、乗馬姿のフラメンコ衣装とは違ってきりっとした美しさを持つ衣装の女性が馬車を引き連れて通りかかったりもした。

 それにしても、こんなに多くのフラメンコ衣装のバリエーションを目にするなんて生まれて初めての事で、その壮麗さに興奮する。じっくりと撮影したいなぁと思って声をかけると、皆ノリノリでポーズを取ってくる。そう、春祭りは人に見られて、褒められて、撮影されてなんぼってノリがあるみたいで、断ってきたのは1人だけ。あとはもう皆さん喜んで撮影に応じてくれた。

 会場の向こう側は移動式遊園地になっている。伝統衣装を着て飲んで食べて歌って踊って遊園地。これ、どこかで体験しなかったっけ?

 そう、ミュンヘンのオクトーバーフェストだ。あのビールの祭典のスペインバージョン。それが春祭りなのだった。

 遊園地もフラメンコ衣装でジェットコースターやメリーゴーランドやゴーカートに乗っているから面白い。子供達に人気のあったのは本物メリーゴーランド。生きたロバが円状につながれてとぼとぼと歩くのに乗れるっていうものだ。こちらの会場は食べ物屋台がぐるっと取り囲んでいて、遊園地で遊びつかれた人々の胃袋を満たしている。こちらも大盛況だった。

 引き続き衣装撮影大会。遊園地ということもあって可愛いちびっ子の衣装姿が多く見られた。姉妹でお揃いとか、ママとコーディネイトされているとか、ママと一緒の衣装などはオートクチュールなのだろうか。皆、気合が入っている。そうそう、ビールを飲んでいる時に撮影した大人の女性2人男性1人はちょっと堅気離れしていてちょっと怖かったけど、それだけに衣装は高価そうだった。

 再び会場に戻る。一般人も入れるパブリック・カセッタを見学。何だかやたらに混んだ場所で、プライベートのカセッタを持つ人々もこういう場所に来てみたりしているようだ。

 カウンターで飲み物を注文して椅子に座って飲めるようになっているし、奥にはトイレもある。トイレだけ借りようと中に入ると、汗だくになっている女性が数人トイレ待ちをしていた。華やかな衣装は厚い生地で作られているので重いんだそうだ。しかも体にぴったりとフィットしているのでトイレが大変。マーメイド型にすぼまった裾部分をお尻をフリフリしながら上に持ち上げていかなくっちゃならないんだって。こちらが要求したわけでもないのに、こうい話をまくしたててくれるのもスペイン人って感じで面白い。それにしても凄い汗だ。お洒落して楽しむもの大変なのねー。

 午後3時半近くになると、カセッタの中で外でついに踊り始める人が出現しだした。この時間から明日の明け方まで今夜も長い夜を楽しもうというのだろうか。

 オクトーバーフェストと比べると一般人が参加できる機会があまりに少ないので、一緒に楽しむというよりは外からのぞかせてもらっているという感じのお祭り。それが春祭りのようだ。だからオクトーバーフェストの方が人気なんだろうなぁ。それにしても衣装の華やかさはオクトーバーフェストよりは勝っているし、撮影に対するノリの良さもこっちの方がノリがいい。

 会場を後にする直前に最後に撮影をお願いしたおばちゃんは、「ちょっと待っててね」と道の反対側から孫や娘も呼び寄せて一族の撮影をさせてくれた。というか、私たちをアジアからの報道関係者と勘違いしているに違いない。「雑誌を送ってね」とか言われたら困っちゃうなぁとも思ったけど、そんな事いわないのもスペイン人の気風の良さというかノリの良さだ。

 見ているだけといえばそうなのだが、衣装には目を奪われる。明日も会場に行ってみようっと。


 
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