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2008.07.19
初めての地中海に感動!
スペイン:カレージャ・デ・パラフリューゲル

 カレージャ・デ・パラフリューゲルを選んだ理由はロンリープラネットの写真だった。

 フランスのアヴィニヨンで知り合いと合流する約束をしていたので、スペインで費やせる時間が限られている。1つだけ都市を選ぶとしたらどこにしたらいいのか全く見当がつかなかった。そこで本屋でロンリープラネットの「スペイン」を立ち読み。扉の写真でとても美しい海岸の写真があって調べてみるとアヴィニヨンへの道中にある。よーし、ここに行ってみようと決めたのがカレージャ・デ・パラフリューゲルだった。

 今日はキャンピングサイトから徒歩300mにある海岸を訪ねてみた。

 メインストリートから海岸に向かう下りの坂道には気楽なレストランや海の遊び道具などを売る店などがポツポツと並び、賑やかだがのんびりとひなびた感じがする。

 海に近くなると真っ白な壁の家が多くなり、その隙間から真っ青な地中海がのぞきバカンス気分がいやがおうでも盛り上がる。真っ白な壁と真っ青な海はギリシャのイメージを思わせたが、ここはスペインなのだ。

 午後3時半過ぎだというのに、レストランは遅めの昼食を楽しむ観光客でぎっしり。スペイン人は朝遅くて宵っ張りなのは南米でも体験した。アルゼンチンのレストランは夜8時からシエスタが明けるなんていうのが普通で苦労したっけなぁ、なんて思い出しながらレストラン前のボードウォークを歩いてちょっと小高い丘までのぼってみる。



 丘は海に突き出したちょっとした岬になっていて、先が展望台になっていた。左右はそれぞれ湾になっていて海水浴客が色とりどりにビーチタオルやパラソルを広げている。

 そして、海の色。

 遠くは深い青、近づくに従ってグリーンに変わって岬の岩が透けて見える透明度はかなり高い。地中海なんてあまりきれいじゃないだろうと勝手に思い込んでいたのだが、ロンリープラネットの写真を見て驚き、そして現実にここに来てびっくりした。なんと美しい色合いなのだろうか。

 岬の左側の風景がロンリープラネットで見た写真の場所に違いなかった。海の色と建物の雰囲気がとてもマッチしている。初めての地中海、初めてのスペインの海にここを選んだのは大正解だった。


 オーストラリアのアーリービーチの近くにホィットサンデー諸島がある。この中にホワイトサンドビーチという真っ白な砂が有名なビーチがあり、ツアーで訪れたことがある。私たちは真っ白で踏むとキュッキュッと音のする細かい砂やミルキーブルーに輝く海を楽しんでいたのだが、ツアーで一緒になったスペイン人は全く満足していなくて、ガイドに「ねぇ、これが世界で有名だといわれているホワイトサンドビーチなの?これで世界で有名ってわけ?」と鼻息荒く詰め寄っていた。あの時は、なんと失礼なんだと思っていたのだが、今日のビーチの可愛らしいたたずまいを見るとあの時のスペイン人の気持ちがわかるような気がする。自分の国にこんなに素敵なビーチがありながら、遠路はるばるオーストラリアまで言ってホワイトサンドビーチじゃ満足できないだろうなぁ。あそこは雄大な自然があるが、ここのように自然と文化のマッチした趣のようなものはない。「趣」をイメージしてホワイトサンドビーチに来たからスペイン人は満足できなかったんじゃないだろうか。

 岬の反対側の湾もなかなか可愛らしいたたずまいだが、やはり左側の岩と建物と海のマッチングにはかなわない。

 私たちは丘を降りて左側のビーチで海水浴をしてみることにした。左側も岩を隔てて2つの空間にわかれていて、手前はレストランが迫っていてやや狭い。奥の方が広々としていたのでそこに落ち着いた。


 ビーチリゾートではあるが、ホテルなどの占有プライベートビーチにはなっていなくて、貸しビーチベッドとかパラソルもなく、物売りもいない。

 美しい海を売り物に様々な商人が徘徊するのが当たり前のように感じていたので、ここの勝手気ままな雰囲気がとても自由で開放的に感じられた。まぁ、あとトップレスの女性が多いってのも開放的に感じられた要因の1つでもあるけどね。

 水はキリッと冷たくて気持ちいい。冷たいのであまり長く入ってはいられないが、カーッと照りつける太陽で火照った体が一気に冷えるし、冷えてもまたカーッと照りつけられるので寒くない。足元は細かい石で払うとパラパラととれていき、ベタベタとまとわりつくことがなかった。色々な面で、ここのビーチはすっきり、さっぱりして自由でのびやかなのだった。

 ヨーロッパの夏の日の入りは遅い。夕方5時までここにいたが、まだまだ多くの人が残っていた。気軽に美しい海を楽しめるカレージャ・デ・パラフリューゲルに魅了された午後だった。


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