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2008.07.18
トランクが開かない、ドアがロックされない!
スペイン:カレージャ・デ・プレフリューゲル

 問題が起こったのは昨日の夜だった。

 2つもらった車のキーのうち、一つは普通のキー、もう一つはボタンが3つついたキーだった。ボタンの1つは車の全ドアのロック、1つはトランクのロック解除、1つは全ドアのロック解除になるはずだった。

 トランクを開けようと夫がトランクのロック解除ボタンを押したら、解除どころかトランクが開かなくなってしまったのだった。慌てて色々といじっていたら、今度はどのキーを使っても運転席以外のドアにロックがかからなくなっている。いやーん。トランクが開かない、ドアがロックされないって最悪じゃないか。隣のフランス人カップルに相談してみると、旦那さんも様子を見てくれたのだが理由がわからない。ここから一番近い町にプジョーの修理工場があるのでそこに持ち込んだらどうかと言ってくれたり、もしよかったらプジョーに電話してあげようかと言ってくれたのだが、この先友人と会う約束をしていて後戻りする時間がないし、モバイルを持っていないので電話できない。しかもそういうややこしい事情がフランス語で説明できないので、せっかく親切に色々と言ってくれているのに、「いや、いいです、いいです」と断ってばかりの不可解な人になってしまった。

 とにかく、トランクの荷物はワゴンタイプなので後部座席を倒せば出し入れできる。問題はドアのロックだ。昨日の夜は荷物を全てテントに運び込み、車の後部車輪とキャンプ場に常設されている屋根を自転車ワイヤーでくくりつけて寝ることにした。暗闇で車を盗もうとすると屋根もひっぱられて大騒ぎになるはず。

 今朝、起きてみると車は無事にあった。こんな山中のキャンプ場にはあまり悪い人はいないようで、みんなテントに鍵もかけずにフラフラと歩き回っているので大丈夫とは思っていたが用心するに越したことはないからね。

 とにかくこれから行くリゾート地のキャンプ場の様子を見てから、大丈夫そうならばその先の目的地でプジョーへ。危なそうなら明日にでも近隣のプジョーに行こうということにして出発することになった。

 さて2日目。今日の目的地は500kmくらい離れた地中海沿岸のリゾート地だ。昨日の肩慣らしで大分勘を取り戻した夫は、今日はもうバリバリで運転している。とはいえドイツのアウトバーンと違って制限速度があるのでむちゃくちゃに飛ばす人は時々ベンツ様、BMW様くらいしかいないし数もドイツに比べるととても少なかった。

 昨日から使っている高速道路を引き続き走って5時間半、高速も降りて目的地に向かう一般道沿いにルノーの修理工場を見かけた。

 お、ルノーがあるならプジョーもあるかもしれない。ここから色めき立った私たちはプジョーのライオンマークを探して進むことになった。

 そして最後の大きな町に入った時、町中にライオンマークを発見。車を停めて「私の車、問題、問題」とスペイン語で言うと、修理工の兄ちゃんがここに車を持って来いと言ってくれたのだった。

 最初に「運転席以外のドアがロックできない」と説明すると、いじってみてドアのロックができないこととトランクのフタが開かないことを確認してから、IBMのコンピュータを持ってきて、ハンドルの左側の部分をパカッと空けてコンピュータを接続した。

 どうやらこの部分がキーの電気制御になっているようで、コンピュータにつなぐことでキーのボタンを押した時にどういう風に反応するかをコンピュータで見ることができるようだった。

 色々なドアを開けたり閉めたりしていたのだが、どーにも原因がわからない。兄貴分テクニシャンの助けを求めることになった。

 兄貴は今度は助手席のドアの内側をパカッとはずす。おっとー、何だかおおがかりになってきたぞー。内側の柔らかいカバーもメリメリとはずして中から電源のような物を取り出してしまった。一体どーなるんだろうか。

 そこに年配のおやっさんが登場して「ケパソ?(どうしたんだい)」。どうやらおやっさんが工場の経営者かもしれない。若者テクニシャンが事情を話すとおやっさんは「そりゃぁ、電話しなきゃだめだな」と言っているようだった。「一体何時になったら終了するんですかねぇ、私たちキャンプ場にこれから行って寝床を確保しなくっちゃいけないんすけど。だから明日また来ます」と伝えてみたのだが、弟テクニシャンは理解してくれたのだが兄貴分に技術屋としてのスイッチが入っちゃったのか全然終了しようとしてくれない。

 まずいなぁ。キャンプ場が満杯になったらどーしようか。という不安もよぎりつつ、事態を見守るしかなかった。

 やがて兄貴が後ろのハッチバックに手をかけてハッチバックの上部にあるガラス戸が半開きになっていることを発見。実はセキュリティーでガラス戸が半開きの場合はトランクがあかず、トランクが開くときはガラス戸が開かないことになっているんだそうだ。このガラス戸をしっかりと閉めた途端だった。

 何もかもが夢のようになおってしまったのだった。トランクは開くし、キーのボタンも効く様になったし、運転席を閉めると全てのドアがロックされる。

 兄貴は弟分がこの問題に気付かなかった故に助手席のドアの内側まではずしてしまったのをご立腹。「てめー、問題の切り分けが間違ってんじゃねーか」と怒鳴りつけ、弟分は工場の隅の方に行ってしまった。

 車を受け取った時点で実はガラス戸が半開きでずっとおかしかったのかもしれない。受け取った時は電気制御のキーは使っていなかったから良かったが、半開きで使ったのでおかしくなったらしかった。

 とにかく今日中に問題が解決してしまった。いやー、良かった、助かった。

 で、お支払いは?と聞くと、プジョーの車でオープンヨーロッパのレンタカーなので全て料金に含まれているから大丈夫だとのこと。助かった。

 ここから目的のキャンプ場までは50分ほどで到着。午後4時40分の到着だ。いやー、お疲れ様でした。


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