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2008.07.14
初体験!マドリッドでキャンピング用品を揃える
7月10日、11日の丸2日間、マドリッドでキャンピング用品を揃えるための下調べに費やした。キャンピング用品を扱っている店は郊外の大型店舗が多く、お陰でマドリッドの中心地を素通りして西へ東へと郊外ばかりを巡ることになったのだった。
今日は2日間の下見の結果で決まった品物を一気に買い揃えた。
それではアイテム別に買った物と、店の情報などを。
○テント
テントを探すにあたって、最初に訪れたのはマイヨール広場にある観光案内所。そこの兄ちゃんはSol駅近くにある総合百貨店のEl
Corte Inglesを紹介するのみで、そこに行けば何でもあると言ったきり他の情報は得られなかった。
El Corte InglesのSol支店には確かにテントコーナーもあったのだが、展示してあるのは2人用でEUR100くらいするもので、物はいいのかもしれないが、もっとゆったりとしてレジャー用の廉価テントを探している私たちのニーズに合わなかった。
コールマンの事務所前。まったく普通のオフィス。
内装工事のおじさんも怪訝そうな顔で私たちを見つめた。 |
日本で調査していたのはコールマンColemanというメーカー。ネットで会社の場所を調べて行ったみたのだが、やけに空港に近い駅だったのがいやーな予感の始まり。とぼとぼと人に聞きながら歩いて行くと、周囲はメーカーの倉庫のような無機質な箱型の建物が並びどう見てもロジスティックセンターという雰囲気の場所になってしまった。仕方なく、調べてきた住所近辺のオフィスビルの警備の人に尋ねると、なんとオフィスビルの中にコールマンがあるというではないか。あっちゃー。そうか、ここは店舗じゃなくて事務所なのだった。折角ここまで来たのだからとのこのことオフィスを訪ねると、東洋からの場違いな珍客に対してコールマンの2人しかいない社員はびっくりするほど丁寧に対応してくれて、来た甲斐があったなぁと嬉しくなったのだった。
この事務所は当然ながら販売を行ってはいないのだが、El Corte Inglesというスペイン中にあるデパートが販売代理店になっているので、カタログから気に入った商品を選んでもらえれば注文できるということでカタログを頂いて帰ってきた。El
Corte Inglesかぁ、Sol支店にはもう行っていてあまり期待できないなぁと思いながらも、地下鉄の8番線のNuevos
Ministerios駅にある支店に行くといいということで、支店が違えば品揃えが違うかもしれないという期待が沸いてきた。。また、他にも山用品を扱っている個人商店を2つ教えてくれたのだった。
コールマンからの帰りの足でEl Corte Inglesに向かうと、コールマンの商品の展示はなかったものの、手頃な大きさと値段のBoomerangというメーカーのテントがあった。Sol駅近くのEl
Corte Inglesには置いていなかったメーカーだ。
展示されているのは高さ135cmくらいので希望とは異なるが、その辺りに置いてある開いていないテントから希望にかなう商品を発見。高さ180cmで床の広さが2.5m×3m。内側のテントの2面窓がネット状になっていて、上からもう一枚屋根をかけるタイプだ。
私たちが理想としているのは、
・テント内で立ち上がれる
・床面積が広い
・内側の窓がネットになっていて外側に屋根をかけるタイプ
この条件は全て南アで利用したテント、キャンプマスターから得たものだった。あのテントとても良かったからね。中で立てると非常にリラックスする。寝ている間に人間から出る湿気がネットの窓から外に出て外側の屋根に結露して内側は湿らないという構造は、最近のテントならみんなそうなっているかもしれないけれど、1枚張りのテントで寝ていて朝起きたら室内が湿気でぐちゃぐちゃに濡れていたという話を聞いたことがあるので、一応ポイントとして挙げておいた。
今回の見たBoomerangは、私たちのほぼ思い通りの形で値段もEUR59(=US$93.65)とまずまずの値段だった。
心の中ではこれに決定しつつも、フランス系大型スーパーのカルフールを見に行くと、一部屋スタイルは高さが低くて立てない、高さがあるものは2部屋仕様になっていて重量が15kgにもなってしまい重すぎるということで却下。値段のレンジはBoomerangと同じくらいなのでニーズによってはいい。最近は2部屋仕様のテントのニーズも多いようだ。前から見ると台形の形で両脇の三角形になった部分が2名ずつ寝られる寝室で、真ん中が共有のリビングという形だ。家族同士や友人同士でもプライバシーが欲しいというニーズがあるんだろう。しかし、部屋を区切ると、その分パイプが増えてしまうので重くなるのが問題だ。私たちは今回小さ目の車を借りたので、できるだけ荷物をコンパクトにしたいという事情から却下した。
※マドリッドの町中で見かけるカルフール・エクスプレスではなく、ちょっと郊外にあるハイパーカルフールという店舗の方にキャンプ用品がある。地下鉄5番線のAluche駅の目の前にある店舗が一番行きやすい。
テントの候補として最後に訪れたのは、DECATHLONというイギリス資本かなぁ、世界的チェーン展開を行っているアウトドアの量販店。この店にはQuechuaというブランドが入っていて、私たちは中国の成都と上海の支店に行ったのだが、寝袋の下に敷くマットで、空気を入れて2cmくらいになる物が手頃な値段であったので、これを買う目的もあってついでにテントも下見に行ったというわけだ。
テント売り場は中国よりも品揃えが良かった。普通に組み立てる物は2人用でEUR100。同じ宿に宿泊している人が購入してきたが、恐らく日本の雨量にも耐えうる防水機能だろうということでBoomerangよりも良いと思われる。また、新しいバージョンとしてはカメラマンの使う折りたたみレフ版のように丸く折りたためて組み立て不要のテントがたくさん置いてあった。折りたたむと厚み10cm、直径1mくらいになる。スペインの地中海沿岸のキャンプ場でこのテントをやたらに見かけたのでヨーロピアンに人気のようだ。値段は組み立て式と同じくらいのレンジでやや高めだった。
他には屋根だけというのもあって、テントと別にテーブルや椅子の上にかけたり、テントにかけて防水を強化できたりするものがあり、これはかなり魅力的だった。値段もEUR25.9。Boomerangの安いテントとこれを併用すればかなりの雨にも耐えられそう。重さ1.9kgだ。
こうして数店舗を見た結果、やはりBoomerangのEUR59を購入した。今、キャンプ生活3日目。テントの中でこれを書いているが、1泊目がじゃりっぽい地面だったせいか既に入り口付近に小さな穴が開いていた。このテントはあくまでもレジャー用で大雨の湿った場所では使えないことが判明。まぁ、夏のヨーロッパならいけるんじゃないかな。
※DECATHLONはマドリッドから地下鉄10番線で終点のPuerta del Surまで行き、引き続き12番線に乗り換えて3つ目のParque
Oeste駅で降りる。地下鉄駅から地上にあがったら、左手を見るとMuseo de Jamon(ハム博物館)というハム屋があるので、ハム屋の右手の道を進んで公園をつっきって、大きな道路を渡った先にある店舗(Alcorcon支店)が一番近いらしい。12番線は郊外線になり別途EUR1交通費がかかる。
○マット
寝袋の下に敷くマットは、上記のDecathlonの店舗で購入。スポンジ板をクルクルと巻く、よくバックパッカーが持っているタイプはEUR10だが、かさばる。これよりもコンパクトに収納されて空気を入れるとスポンジよりも厚い2cmになるものを購入した。2種類あってよりコンパクトになるEUR39.9の方を購入。長さ175cm×幅50cmだが半分の幅に折りたためてクルクルと巻ける。EUR29.9は半分の幅に折りたためない。
他の店舗で見たものは同じような機能でもっと高かった。
○寝袋
寝袋は日本のモンベルで購入。値段は安くないがこんなに高機能なのにこんなにコンパクトになる製品はない。モンベル、素晴らしい。
○調理器具
キャンプに必要なのは、ガスコンロ、ガスボンベ、鍋、調理器具、皿。
一番安かったのはカルフールだ。190gのガスボンベを利用するガスコンロがEUR19.9。ガスボンベの上部に器具を直接ねじ込む方式なので、ガスボンベも丈夫に金具のついていない安い物が使えるのがミソ。ねじ込んだガスボンベは下の台形のグレーの部分に収納されるので、移動中にあやまって器具からボンベがはずれる心配がない。
ガスボンベはカルフールで1つEUR1.8だった。これが一番簡易なバージョンで、もっと大きな火力が出せるコンロ、日本の卓上ガスコンロのような形のもの、卓上ガスコンロが2つ付いたものと様々なタイプがある。いずれもカルフールが一番安い値段だった。強風でも火が消えにくいなどの特殊な機能を希望する場合はDECATHLONや山専門店に行く必要がかもしれない。
鍋、皿についてはカルフールでもアルミの鍋とフタがセットになったキャンピング用のセットが販売されていた(EUR18.9)が、後に友人を迎える私たちには容量が少ないし割高でもある。リュックに背負って持ち歩くならコンパクトなことが必要だが、ここは一つ車の強みを活かして普通の鍋でいいのではないか。
ということで、普通の家庭用品売り場に行って26cmの深いパエリヤ用のような鍋と一番安いテフロン加工のフライパン28cmを購入。それぞれERU6.35、EUR3.75。カルフールでは各アイテムで一番安い商品には「1」というマークがついている。家庭用品に限らず食品でも牛乳、ヨーグルト、食パン、ワインに至るまであらゆる物に「1」マークが見られる。食品についてはフランスに滞在した時にかなり「1」を購入してみたが、結論としては食品の「1」はやめたほうがいい。ヨーグルトはヨーグルトのような物に過ぎず、ソーセージは練り物たっぷり、食パンもいつまでもカビが生えないおそろしい代物だからだ。でも、フライパンならいいかも。
そうそう、フタ。フタ付きの鍋のフタはガラスばかりで重いので、アルミのフタだけを購入。EUR3.99だった。
まな板は牛乳パックを洗って乾かしたもので代用することにして買わず。包丁はずっと持ち歩いている小型の物があるので必要なし。
お皿は宿の近所の中国人が経営している雑貨店のプラスチック皿一枚EUR0.7が最安値。店内の写真を撮影していたら、店のおやじが新たなる店のライバルが現れたと勘違いしたのか、盗人の下見と思ったのかじろーっと疑いの目で見てきた。違うって!後日皿を買ったり、菜ばしがないか聞いたりしてやっと疑いが晴れたようだった。
お玉は持っているのを使い、フライ返し(テフロン加工用、EUR1.45)は購入。ついでにミニおろし器(EUR1.5)も隣にあってついつい買ってしまった。「イタリアでパルミジャーノチーズするのに必要だからね」という理由。
○照明器具
テント内の照明器具としては、カルフールのオリジナル商品で単三乾電池4本でつくLED(発光ダイオード)の物を購入。懐中電灯のような形だが光源側に吊るすための金属の輪がついている。これは天井を照らして全体を明るくするという発想だと思うが、私たちのテント(4人用)には少し光が弱すぎた。改良の余地あり。2人用のテントならなかなか明るくなるかもしれない。お値段はEUR8.9。同様の機能の商品で前出のColeman製は倍額くらいすることを考えるとカルフールのはお徳だ。
○地図・ガイドブック
El Corte Inglesの地下鉄の8番線のNuevos Ministerios駅前の本売り場には地図のコーナーもある。スペインは4日くらいで抜ける予定なので40万分の1のスケールの地図、フランスは細かいのが1冊しかなくて20万分の1のスケール(1cmが2kmに相当する)だった。ま、これで何とかなるだろうと購入。スペインの地図はEUR5.9、対するフランスのはEUR18だった。フランスで買ったらフランスの地図はもっと安かったかもしれないが、すぐに必要だから仕方ない。
地図の売り場には、キャンプ場のガイドブックもあった。キャンプ場はインターネットでも調べることができるが、手元に紙で持っていた方が何かと便利だと思って見てみると、ヨーロッパをカバーしたものがいくつかあった。中でも5cmくらいの分厚いものがあって詳しそうだった。試しにフランスのアヴィニヨンの周辺を見ると5つくらい候補がある。これは使えそうだ。出版元がドイツで全てドイツ語で書かれているってのが問題ではあるが、昔ちょっとドイツ語をやっていたので超基本の部分ならわかりそうだ。ええい、買ってしまえ。ということでEUR19.75で購入。ここ3日間使っているが、キャンプ場への行きかた、機能の説明など基本的なことはわかるが、キャンプ場についてのコメントはほぼお手上げ。あーあ、ドイツ語学校に費やした金額の成果はこんなものだ。
以上のような装備でキャンプを始めている。ただ今3日経過したが、買い足したのは食器用洗剤(スポンジと食器拭き用タオルは持っていた)、欲しいのはテント内掃除用のミニ箒とちりとりのセット。次回の希望としてはテーブルと椅子が欲しい。ってあたりだろうか。それ以外はほぼ満足だ。
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